三谷作品のアジア人気の根強さを改めて印象づける発表だ――。2008年に公開され、興行収入39.2億円を記録した三谷幸喜脚本・監督のフジテレビ映画『ザ・マジックアワー』が香港で舞台化される。タイトルは『THE MAGIC HOUR 魔幻時刻』で、6月5日から香港演芸学院歌劇院で上演される。
『ザ・マジックアワー』は、暗黒街のボスの愛人に手を出した男が、命を助けてもらう代償として“伝説の殺し屋”を連れてくるよう命じられ、売れない役者に映画撮影だと偽って殺し屋に仕立て上げることから始まるノンストップコメディー。佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、綾瀬はるか、西田敏行ら豪華キャストが集結し、大きな話題を呼んだ。
同作は2022年に中国でリメイク映画『个杀手不太冷静(邦題: トゥ・クール・トゥ・キル ~殺せない殺し屋~)』として公開され、興行収入26.27億元(約533.8億円)の大ヒットを記録。公開当時、中国でリメイクされた日本映画として歴代最高の興行収入を達成した。その後は上海などで舞台化も実現し、2024年以降、50回以上公演されている。
今回の香港版『THE MAGIC HOUR 魔幻時刻』には、謝君豪(ツェー・クワンホウ)、葛民輝(エリック・コット)、韋羅莎(ローザ・マリア・べラスコ)、江𤒹生(アンソン・コン)、魯文傑(ロー・マンキット)、蔡曉童(クリスティ・チョイ・ヒウトン)ら、実力と人気を兼ね備えた俳優陣が出演。幅広い世代を意識したキャスティングが功を奏し、全20公演のチケットは即日完売となり、追加9公演も決定するなど、現地で大きな注目を集めている。
三谷は今回の舞台化にあたり、「僕の作品が、優れたスタッフの皆さんの力によって香港で舞台化される事に、大きな喜びを感じています」とコメント。「コメディーは世界共通です。言語は違っても笑い声は同じ」と語り、香港の観客にも作品の魅力が届くことに期待を寄せた。
また、香港版舞台の企画・プロデューサーを務めるジェームズ・チュー氏は、映画『ザ・マジックアワー』に強い印象を受けたことを明かした上で、「本作を通じて、より多くの方に三谷幸喜先生の魅力を知っていただきたい」とコメント。今後も三谷作品を届けていきたいとの思いを示している。
フジテレビは、グローバル市場への販路拡大やIPコンテンツの開発・創出を進める中で、今回の香港舞台化を“コンテンツビジネスならではの好例”と位置づけている。原作映画が国や地域を越え、ローカライズされながら新たな形で広がっていく展開として、今後のグローバルビジネスの広がりにも注目が集まりそうだ。
【編集部MEMO】
三谷幸喜は、1961年生まれ、東京都出身。日本大学芸術学部演劇学科在学中の1983年に劇団「東京サンシャインボーイズ」を結成し、舞台、テレビ、映画の各分野で数々のヒット作を生み出してきた。映画監督としては『ラヂオの時間』『みんなのいえ』『THE 有頂天ホテル』『ザ・マジックアワー』『記憶にございません!』などを手がけ、NHK大河ドラマでも『新選組!』『真田丸』『鎌倉殿の13人』の脚本を担当する。

