民放キー5局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)の4月改編情報が12日、出そろった。浮かび上がってきた傾向は、音楽番組の新スタイル、人気グループ・timeleszの躍進、子ども向け番組の新設、アニメIP強化の継続など。各局の説明会から、この改編の動向をまとめた。
日テレはGP→深夜、フジは深夜→GP
今回の改編でまず注目されるのは、音楽番組の配置の変化だ。
日本テレビは、GP帯で放送してきた『with MUSIC』を終了し、深夜帯で『夜の音 -TOKYO MIDNIGHT MUSIC-』(毎週火曜24:29~)をスタートさせる。一見、音楽番組が“格下げ”されたようにも映るが、大井秀一総合編成センター部長は「プライム帯のレギュラー音楽番組はなかなか高視聴率を出しづらい」と現状を認める一方で、『THE MUSIC DAY』や『ベストアーティスト』といった大型特番がしっかり数字を取れていると説明。2025年の放送は、3年前の視聴率水準まで戻したという。
この状況を受け、「お祭りはみんな見たい」「レギュラー音楽番組は、そのお祭りを支えるためにも必要」と捉え、大型特番につながる導線として、またアーティストサイドや音楽ファンとの接点を切らさないための基礎体力づくりの場として位置づけ、多くのアーティストが新曲の解禁タイミングに設定する火曜24時の直後に新番組を編成した。
フジテレビは、23時台の『週刊ナイナイミュージック』を終了し、ゴールデン帯で10年ぶりの本格音楽番組『STAR』(毎週木曜19:00~)を立ち上げる。総合演出の浜崎綾氏は「音楽は時代を映す鏡であり、音楽番組は時代を記録する使命があると思います」とその意義を語る。
同番組は『FNS歌謡祭』『MUSIC FAIR』を担う音楽班と、『めざましテレビ』のエンタメチームがタッグを組むことで、アーティストの“最新パフォーマンス”に加え、即時性のある“エンタメニュース”を融合させるという新たな音楽番組のスタイルに挑む。
月曜19~20時台に『CDTVライブ!ライブ!』を放送しているTBSは、同じ月曜21時台に『テレビ×ミセス』、22時台に『プロフェッショナルランキング』をスタート。この3番組は、いずれも竹永典弘氏が総合演出を担当する。GP帯の同曜日全番組を一人の総合演出が担うのは異例だが、番組ごとの垣根を越えて出演者や空気感が行き来する設計も視野に入れているという。
竹永氏は「(『プロフェッショナルランキング』に出演する)中島健人さんに“竹永さん、これはアベンジャーズ的なことですね。 同じ世界観を行き来できますね”と言われました。たしかに中島健人さんも『テレビ×ミセス』に出られるし、Mrs. GREEN APPLEも『CDTV』に出られると思いまして、同じ演出だからこそできることがたくさんあると思うので、それも含めてお楽しみいただければと思います」と予告した。
「必ず国民的番組に」「追い風になりたい」
今改編で際立つのは、timeleszの躍進だ。担当プロデューサーたちの言葉からは、メンバー同様に高い熱量を持って番組に臨んでいることが伝わってきた。
フジテレビ『タイムレスマン』は、深夜からGP帯(毎週金曜21:58~)に進出し、放送時間が倍増。企画・プロデュースの蜜谷浩弥氏は、菊池風磨と「新メンバーが決まったらすぐ冠番組をやろう」「必ず国民的番組に育てよう」という約束を交わしたことを明かし、「そこから1年半でゴールデンの切符をつかんだ」と成果を口にしながらも、すぐに「本当の勝負はここから」と気を引き締める。
その上で、蜜谷Pは「今、timeleszのメンバーは全員本当にとんでもない熱で毎回の収録に臨んでくれています。収録のたびにその熱がどんどん広まっていって、我々制作チームの熱量も本当に今すごいことになっています」と伝えた。
日本テレビ『timeleszファミリア』も、深夜帯から毎週日曜(14:00~ ※関東ローカル)に進出し、放送時間が倍増。昨年10月の番組スタート時に、「今持っているテレビの力で、彼らが国民的なスターになることをお手伝いできたらと思っています」と意気込んでいたのは、柏原萌人プロデューサー。それから「逆境や逆風を受けている場面もあった」としながらも、彼らが真摯(しんし)に番組に向き合っていることを強調し、「追い風になりたい」「守っていけるような温かい家のような存在になれたら」と熱弁する。
また、柏原Pは「各局のtimeleszさんの番組の演出やプロデューサーの方はかなり歴のある皆さんが作っている印象ですが、自分は32歳で、演出の須原(翔)も35歳で、若いメンバーが中心となっています」と特徴をアピールし、「『タイプロ』で仲間探しをルーツに持つ彼らが、より大きなうねりを持って日本中を巻き込みながら、仲間=ファミリアを作っていくようなバラエティにしていければ」と意欲を示した。
さらに菊池風磨は、日テレ新音楽番組『夜の音』のMCも務める。岩崎小夜子プロデューサーは、彼を「クリエイターであり、表現者でもある」と表現し、「同じクリエイターとして、アーティストの本音を引き出してほしい」と期待を寄せた。
