今回の作品で描かれる現実が「別世界」と感じたのは、白洲と三浦も同様。白洲は「東京からテレビで見て、非日常だとは思っていたけど、現地で起きていたことの大変さを全然分かっていなかった。知れば知るほど、これは風化させてはいけない出来事なんだと思いました」と力を込める。

知らなかったのは、当時の過酷さだけではなく、東日本大震災の経験がその後に生かされているということも。

「能登半島地震などの時に、病院の簡易ベッドや避難所のプライベート空間の確保などを用意して、助かった方がたくさんいたという話を聞いたんです。東日本大震災の当時の人たちの感情になるなんてことは無理ではあるけれど、そういう事実を伝えていくことで、何か未来がいい方向につながっていくことがあるのではないかと、今回やらせていただいて気づくことができました」(白洲)

テレビが伝え続ける意義…「忘れないための作品」

最後に3人は、この作品が“前に進むための物語”であると同時に、“忘れないための作品”でもあると口をそろえた。

「復興といっても、いまも苦しんでいる方々はたくさんいらっしゃるので、忘れないためにも、作品として形に残す意義があると思います」(白洲)

「岩手、宮城、福島、その場所によって悩みも違うし、まだ解決されていないこともみんな違うけど、それでも生きていかなければいけない。だからこそ、あの時をちゃんと思い出して、受け止めて、感じる日にしていいと思うんです。そういう意味でもこの作品が皆さんに届けばいいなと思います」(戸塚)

「15年経った今でも、まだ忘れてはいけないし、現在進行形の問題でもあるので、前に進むことももちろんですけど、改めて震災について皆さんが考えてくれるきっかけになればと思います」(三浦)

大きな災害や感染症の拡大など緊急時になるたびに、エンタメはその役割を問われてきた。このドキュメンタリードラマは、膨大なニュース映像のアーカイブとドラマ制作のノウハウを持ち合わせるテレビならではの手法であり、“伝え続ける”という大きな意義のある番組と言えるだろう。

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