3番目に注目されたシーンは20時17分で、注目度78.5%。三浦庄司(原田泰造)を訪ねていた蔦重が突然追い出されるシーンだ。
「源内先生(安田顕)はでっけえ紙風船にぶら下がって蝦夷に行ったっていうんですよ」秋田から久々にやってきた朋誠堂喜三二(尾美としのり)から、小田野直武の不審な死を聞かされた蔦重は、実は源内が今も生存しているのではという想いを胸に、三浦庄司を訪ねていた。しかし、「源内殿は獄で亡くなり、殿も嘆き悲しんでおられた。知っておろう」と庄司の返答はあくまで現実的である。蔦重は、源内が田沼意次(渡辺謙)に知られぬよう獄を抜け出した可能性はないかと問うと、「それはないとは言い切れぬな」と返す庄司に、さらに源内が蝦夷にいたというウワサを聞いたことがないか、と詰め寄った。
そこへ使用人が慌ただしい様子でやってきて、庄司に耳打ちをする。「はっ!?」報告を聞いた庄司の顔色が変わった。「何かございましたか?」と様子をうかがう蔦重だが、「蔦重。すまぬ帰ってくれ」と庄司は言った。ただごとではなさそうだ。庄司は蔦重をさっさと締め出すと、思いつめた表情で来客を迎えた。
庄司の再登場が話題「ラストに向けて盛り上がってきたね」
ここは、庄司のただならぬうろたえぶりに視聴者の視線が集まったと考えられる。
平賀源内の消息を追う蔦重は、源内の盟友だった田沼意次の側近・三浦庄司のもとを訪ねた。庄司からは新しい情報を得ることはできなかったが、その会話で源内生存の可能性を強めることができた。さらに踏み込んだ話をしようとしたところ、使用人がやってくる。その報告に顔色を変える庄司。話を中断し、蔦重は追い返された。この人物が源内生存のウワサに関わっているとはこの時の蔦重は想像もしていなかった。
SNSでは「田沼派ってみんな粛清されたと思っていたから三浦様無事でよかった」「三浦さま、立派なお屋敷に住んでるね。落ちぶれてなくてほっとしたわ」「三浦様まで再登場するなんて。ラストに向けて盛り上がってきたね」と、庄司の再登場が話題となった。
作中では穏やかな隠居生活を送っていた庄司だが、史実では田沼家が減封された際、庄司も蟄居または追放された。しかし、財産を蓄えていたため、浪人となっても不自由なく暮らしていたと伝えられている。また、肥前・平戸藩第九代藩主の松浦清が書き残した随筆集『甲子夜話』には、庄司が一時的にかくまわれていた家に、暇を出された足軽たちが押しかけた折に、蓄えていた金を分け与えて難を逃れたという逸話が記されている。
そして庄司の兄・山本藤右衛門と弟・山本弁助も福山藩士として取り立てられていたが、庄司の失脚に連座して藩を追放されてしまった。蔦重は朋誠堂喜三二から、源内が秋田で大きな紙風船を飛ばしたことがあると聞かされたが、史実では1773(安永2)年ごろに源内が銅山開発の技術指導で秋田を訪れた際、子供たちに熱気球の原理を応用した遊びを教えたと伝わっている。秋田県仙北市西木町ではこのエピソードを起源にした「紙風船上げ」という祭りが毎年2月10日に開催されている。