9年間伸ばした髪の長さ、1メートル6センチ。ロングヘアをカットしたいけれど、のべ23人の美容師さんに断られてしまったという女性のヘアドネーションカット動画が話題になっています。

YouTubeにこの動画を投稿したのは、ショート・ボブ専門美容師 みっちーこと大野道寛さん。記事の執筆時点で84万回再生されている動画をご紹介します。

今回バッサリカットを依頼したゲストは、髪の長さが1メートルを超えるというなおさん。な……長い……!!

ヘアドネーションのためにカットしたいと美容室に相談したものの、「切るのは失敗のリスクが……」「希望通りになるとは限らないので…」と、のべ23人もの美容師さんに断られてしまったというなおさん。これまで数多くのヘアドネーションを手掛けてきた大野さんでも、この長さは「まれな経験」と言います。

ご本人が希望する「丸みショート」に合わせて、カウンセリングしていきます。なお「バッサリカット」のオーダーポイントは「シルエット・前髪・長さの好みを美容師さんに伝えること」だそう。

なおさんが9年間も髪の毛を伸ばしていたのは、病気の治療で髪がなくなってしまうお母様のために、願掛けのように伸ばしていたそう。この髪をヘアドネーションのためにカットするなおさんの行動に、「本当にキレイな長い髪、凄く喜んで貰えるでしょうね」「きっと受け取られる方にも大切に繋ぎ紡いでくれることでしょう」という賞賛の声や、医療用ウィッグを使用していた方からのコメントなど、多くの声が寄せられています。

髪質診断をする中でも「なっが!」と改めて驚く大野さん。実際に測ってみると、1メートル6センチ! ドネーションできる長さも約80cm、カラーもしていないのでランクの高い髪とのこと。

ヘアドネーションのために髪を括って、最初のカットはなおさんご本人がハサミを入れます。

切った瞬間は思わず「無」の表情に。9年間伸ばして、これから医療用ウィッグとして生まれ変わる髪に「今までありがとう」と笑顔を見せました。

ここからはショートカットにどんどんカット。「リアルサロンワーク」と題している動画の通り、解説をしながらカットを進めていきます。

ビフォーアフター! カット後の髪型は……?

そしてカットが完成! 「わー! よかった~!」と喜びの声を上げるなおさん。9年間伸ばした想いのこもったロングヘアから、顔の形や生え方のクセに合わせた匠のショートカットへ、驚きのビフォーアフターとなりました。

カットを終えた大野さんは「美容師人生20年の間でも、ヘアドネーションでバッサリカットさせていただくのは貴重な経験、キャリアの中でも一番長かったんじゃないかな。本当に貴重な経験をさせていただきました」とコメント。「バッサリカットは特殊技術で、そこにヘアドネーション、長さのインパクトもあるので、慣れている美容師さんじゃないとどうしたらかわいくなるだろうというイメージが湧きにくいと思います」と振り返りました。

  • ビフォー

    ビフォー

  • アフター、カットした約80cmの髪と一緒に!

    アフター、カットした約80cmの髪と一緒に!

2009年に"ヘアドネーション"という言葉が世の中に広まった頃から、第一人者として数えきれないほどのヘアドネーションを担当されているという大野さん。

「ヘアドネーションの動画が数多くある中で、40分を超える長尺のこの動画が83万再生もされていることに心から感謝をしております。いつの時代も変わらないのは『髪を寄付する方』の想いと『その髪の毛を必要としている方』の想いです。私はその想いの橋渡しを担う存在として、髪の毛を頂戴するお客様の想いに120%応えるよう努めております。これからもヘアドネーションという想いの輪が、絶えることなく円環をなせるよう役割を全うしていきたいです」とメッセージをいただきました。

「この動画を通じて、1人でも多くの方がヘアドネーションに興味を持ち、賛同していただけることを願っています」と語る大野さんは、これまでヘアケアブランド「フィーノ」の医療用ウィッグプログラムの活動に携わるなど、様々な取り組みを行っています。

今回のゲスト・なおさんが髪を伸ばした想いやカットの流れ、ヘアドネーションってどんなものだろう? と気になった方はぜひ大野さんのYouTubeチャンネル「ショート・ボブ専門美容師®︎ ミッチー 大野道寛」の動画をチェックしてみてはいかがでしょうか。