玉ねぎは土の上で育つ……ということはみなさんご存じと思いますが、100円均一で売っているコンテナボックスで、しかも土を全く使わずに特大玉ねぎの栽培に成功した動画が話題になっています。

YouTubeにこの動画を投稿したのは、家庭菜園の動画を多数アップしている「みかんぼーや1987家庭菜園」さん。「自分で食べるものは自分で採りたい」と様々な家庭菜園にチャレンジしているみかんぼーやさん、今回の動画は、「水耕栽培で挑戦したのは3回目で、3年目で初成功しました」とのこと。3年間かけて栽培方法を編み出し、9月末の種まきから4月の収穫までの199日間を追った超大作です。

省スペースでどこでも誰でも育てられ、土を使わないので土由来の病気や土由来の害虫被害にも遭わず、連作障害や土づくりに悩むこともない、まさに「新時代の家庭菜園」! しかも今回紹介する容器は、玉ねぎに限らず様々な野菜の水耕栽培ができる万能容器とのことです。それでは、栽培の記録を見ていきましょう。

まずは種まき。玉ねぎは玉が肥大化するスピードの違いで早生種・中生種・晩生種の3種類に大きく分けられますが、今回は収穫までの期間が早い「早生種」の種を使用します。

種まきの時期は涼しくなってくる9月以降、収穫は4月ごろ。育てる期間が長い分、収穫の喜びは大きそう……!

そしてこちらが「新時代の家庭菜園」ができる容器です。用意するのは、ダイソーのコンテナボックス6リットル(200円)と鉢底ネット6p(100円)。

コンテナボックスの蓋に印をつけてカッターでくりぬき、鉢底ネットをセットする穴を開けましょう。遮熱・防虫・藻の発生対策のためアルミシートを貼ったら完成!

底を抜いた鉢底ネットにダイソーのろ過ウールを乗せて種をまきます。なお動画では、苗からスタートしたい方に向けた植え方も紹介されています。

種をまいてから6日目、種から発芽しています。ここからはしっかり陽に当てていきますが、最初のうちは安定していないので、風で飛ばされないよう窓際で育てたそう。

途中、ハイドロボールで苗を支えたり、育ちの遅い苗は種をまきなおしたり、コンテナの水を液体肥料に変えていったり……みかんぼーやさんが試行錯誤する様子は、水耕栽培初心者にとって参考になる情報ばかり! 使用した肥料も教えてくれるので、何を買えばよいか迷ったときにも心強い動画です。

栽培16日目、厳しい外の世界へデビュー! 水耕栽培は室内でも育てやすいことが魅力ですが、玉ねぎは直射日光を1日6時間以上必要とする"陽性植物"であり、寒さにあたったほうが甘さが出るため外に出すのがおすすめとのこと。

さらに間引きをして、1つの鉢底ネットあたり苗1つに。栄養を1点集中させて大きな玉ねぎを目指します。

栽培68日目、12月に入ると株元が成長してきています。しかし葉っぱが伸びてきてバランスが……

900mlのペットボトルを改造して、玉ねぎを支える作戦を決行! この作戦がうまくいったようで、ここからはほぼ放置。液体肥料を足しつつ、冬を越してどんどん大きくなることを願います。

そして年明け。1月8日、栽培105日には茎も鱗茎も立派に育って、玉ねぎらしくなってきました。玉の直径は約4cmとのこと。

2月21日、栽培149日目。突然の「デブエット宣言」。太らせる? ダイエット?? どっち!? と思う宣言ですが、液体肥料を断つことで葉の栄養を玉に移動させて、玉ねぎを肥大させる”転流"という現象を起こします。

ここからは肥料ナシ! 春になるまであと少し、果たして水だけで育生できるのでしょうか……。

約2か月後の栽培199日目・4月12日、ついに収穫の日です。

「でっかいの採れたわ~!」「みんな立派に育ってくれて嬉しい涙」と大喜びのみかんぼーやさん。水耕栽培なので、収穫も楽々。キングスライムのように丸々と大きくなった玉ねぎの重さをはかると、収穫量は葉っぱ込みでなんと約1.9kg!

そして気になるお味は? 収穫した新玉ねぎをスライス・かつおぶし・ポン酢で食べると「これ玉ねぎなの!? ネギ特有の辛みがない!」と驚きの声。サラダを作ったり、レンチン蒸しを作ったり、お、おいしそ~~~~!

種まきから収穫まで約200日の栽培記録、みかんぼーやさんに苦労したポイントを聞いたところ、「今回は比較的順調に育ってくれたのでそこまで手はかかりませんでしたが、やはり苗が倒れてしまうというのが大変なところでした。土栽培だと土にしっかりと根が張って自ら安定してくれますが、水耕栽培だと根がそよそよと泳いでいるのでそこが難しいポイントでした」とのこと。ハイドロボールを足したり、ペットボトルで支えを作ったりと、様々なチャレンジをされていた様子が思い出されます……。

また、この動画は公開2日で2.2万回再生されています。「まさかの土ゼロ玉ねぎ! 見た目もスッキリで理想が詰まった栽培容器」「全体的に様々なノウハウを集約化しているところが、将来のスマート農業への心強いアプローチになっている」と絶賛のコメントも続々。

反響をみかんぼーやさんに聞くと、「反響がとても大きくて、とても嬉しいです。水耕栽培に興味を持っていただけた方がたくさんいらっしゃるようで、とても励みになります。将来的にも水耕栽培の色んな可能性を示せたと思います」と喜ぶ声をいただきました。

ちなみに玉ねぎを育てた容器は、きれいに洗うだけで後始末が終了。次はこのコンテナ容器でどんな野菜を水耕栽培するのでしょうか……?

「水耕栽培は面白いです! 室内で育てることもできるし省スペースで場所を気にせずできるところも良いところです! うまく育たないこともありますがその分収穫できた時の喜びは大きいです。困ったことがあったらお気軽にDMなどいただければ相談にお乗りします! 一緒に水耕栽培を楽しみましょう!」とこれから水耕栽培にチャレンジする方に向けて、みかんぼーやさんからメッセージもいただきました。

涼しくなった秋から始める「水だけで特大玉ねぎづくり」。みかんぼーやさんの動画では、容器づくりや種まき、栽培方法など丁寧に解説されています。挑戦したくなった方はぜひチェックしてみてくださいね。