――琴子役として意識していることを教えてください。
のぶと同期入社で高知新報に入社した戦後初の女性記者で、史実に基づいていて、実際にいらっしゃる方がモデルになっているのですが、資料が限られていたので、中園さんの本の中で生まれた琴子のオリジナリティを大切にしながら演じました。琴子は結婚相手を探すために高知新報に入社した人で、お酒が入ると、まるで人が変わったかのように一変するという二面性が面白いキャラクターです。そのギャップが大きければ大きいほど面白くなるんだろうなと。そして、戦後を生き抜いたバイタリティあふれる強い女性で、一見明るく見えますが、その明るさの裏にたくさんの出会いや別れがあるんだろうなと思い、人間味のあるキャラクターにしたいと思いました。
――現場で朝ドラに帰ってきたと感じる瞬間はありましたか?
『なつぞら』のカメラマンをされていた方と『あんぱん』で再会し、また戻ってこられたといううれしさを感じました。
――『なつぞら』の経験が生きていると感じることはありましたか?
『なつぞら』は自分の俳優キャリアとしても初めてのドラマ出演だったので、憧れの先輩方と共演させていただける喜びや緊張感など、いろんな感情が渦巻いていました。今回、『なつぞら』や今まで出会ってきた作品で学んだことを生かせたらいいなと思って臨みましたが、今まで以上に視野を広く持てたかなと。視聴者の方たちにも成長した姿を見ていただけたらうれしいです。
1998年5月16日生まれ、兵庫県出身。映画『P子の空』(18)で女優デビューし、2019年度前期連続テレビ小説『なつぞら』でドラマ初出演。近年の主な出演作は、ドラマ『どうする家康』(23)、『君が獣になる前に』(24)、『Eye Love You』(24)、『あのクズを殴ってやりたいんだ』(24)、『秘密THE TOP SECRET』(25)、『地震のあとで』(25)、Disney+『七夕の国』(24)、ABEMA・Netflix『わかっていてもthe shapes of love』(24)、映画『赤羽骨子のボディガード』(24)など。