現在放送中の連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で柳井嵩(北村匠海)の弟・千尋を演じている中沢元紀が14日、高知県の高知工科大学講堂で開催されたトークショーに、土佐ことば指導を務める西村雄正氏と共に登壇し、撮影の裏話を語った。

  • 「連続テレビ小説『あんぱん』トークショー in 香美市」に登壇した中沢元紀

    「連続テレビ小説『あんぱん』トークショー in 香美市」に登壇した中沢元紀

112作目の朝ドラとなる『あんぱん』は、漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さん夫婦をモデルに、何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語。小松暢さんがモデルのヒロイン・朝田のぶ役を今田美桜、やなせたかしさんがモデルの柳井嵩を北村匠海が演じている。

オーディションで千尋役を勝ち取った中沢は「役者を始めてから朝ドラ出演は大きな目標の一つでもありました」と述べ、正式に決まった時は「ものすごくうれしかったのですが、最初は実感がなくて。マネージャーさんから決定したと連絡をいただいた時、電車に乗っていたのですが1回途中下車しまして。駅でずっと10分~15分うろうろしてしまいました」と振り返る。

昨年9月9日に高知でクランクインしたという中沢。最初は高知の浜辺でのロケだったが、33.4度という猛暑のなかでの撮影となった。

「もちろん緊張していたんですけど、クランクインの日に、高知県の空気を感じながらお芝居ができたというのが僕の中ですごく大きかったです」と笑顔を見せる。

ちょうど浜辺で千尋が嵩を投げ飛ばすシーンの撮影で、北村のおかげで良いシーンが撮れたと感謝する。

「僕も柔道の有段者の役なのですごく練習したんですけど、匠海さんの力が大きくて。匠海さんはたくさんのアクション作品に出演されているので、『任せて』と言ってくださったんです。匠海さんの投げられ方が本当にお上手だったから、僕がきれいに投げているように撮影できました」

終盤では、観客からの質問で「嵩と千尋、どっちの性格に似ていると思いますか?」と問われた中沢が「嵩です」と即答し、会場が少しざわめく。その理由について、中沢は「千尋みたいに生きていきたいなあと憧れる方です。千尋に対して嵩と同じように嫉妬心があるので」と答えた。

さらに役者業以外で挑戦してみたいことについては「全部、私生活の中でやることも、何かしらの仕事につながればいいなと思うところがあるので、魚もさばいてみたいし、楽器にも挑戦してみたいなという思いもあります」と話していた。

  • 『あんぱん』場面写真 (C)NHK