お笑いコンビ・ウッチャンナンチャンの内村光良率いるNHKのコント番組が今年9月で12周年を迎え、記念特番『LIFE! 12周年SP』が16日と23日の2週にわたって放送される(総合 各日21:30~)。長年にわたって笑いを届け続け、これまでに放送されたコント数は800以上。このたび、番組開始当初から出演している内村、田中直樹(ココリコ)、塚地武雅(ドランクドラゴン)にインタビューし、番組への思いや特番の見どころを聞いた。

  • 左から田中直樹、内村光良、塚地武雅 撮影:蔦野裕

――『LIFE! 12周年SP』の撮影の感想や見どころをお聞かせください。

内村:ようやく全部のコントを撮り終えて放心しております(笑)。声も枯れ、咳も出始め、体力の限界に近づきましたが、なんとか撮り切って。8月は本当にコント三昧で、レギュラー時代を思い出しました。新鮮なゲスト、歴代のゲストが出てくださって楽しかったですし、レギュラーメンバーもまたパワーアップしていて、それぞれに魅力がある2週になっていると思います。

塚地:12年もやっていたというのも驚きですし、総コント数800本と聞いて、そんなにやっているんだと。長いことやってきたからこそ、12周年を祝うお祭りのような特番ができて、12年を振り返りながら新しいコントも撮りましたが、続けてきて幸せだなと感じました。

田中:12年前を振り返って歴史を感じつつ、新作コントをたくさん撮って、それがすごく新鮮に感じました。12年前のコントを見ていたら、みんなそれぞれ若いんですけど、内村さんは12年前とあまり見た目が変わってないというのがすごいなと思いました。

内村:いや、そんなことない! (12年前は)まだ肌つやがあってちょっとぷくっとしている(笑)

田中:コントもいまだに体を張られていて。

塚地:今日も踊っていましたからね(笑)

――番組スタート当初、12年続くと想像できていましたか?

内村:いえいえ。BSの特番として始まり、もう1回ぐらい特番をやって、うまいこといって地上波の総合でやらせてもらって。その時はここまで続くとは思ってなかったです。

――12年続いた秘訣とは?

内村:毎週やらなかったことです(笑)。毎週放送していた時期がありますが、あのときはコントの質が落ちたんです。作家さんも演者も疲弊したので、年8回くらいに。量より質を選びました! 毎週やっていたら4年で終わっていましたね。

――塚地さんと田中さんはいかがですか?

塚地:12年も続くと思ってなかったです。スペシャルみたいなノリで、内村さんと田中さんと一緒にコントできるんだと。僕はそれまで『はねるのトびら』というコント番組をやっていましたが11年半で終わり、もうコントをする機会ってないだろうなというときにお声がけいただいて、「よっしゃ! またコントできる!」って。結局、『はねるのトびら』よりも長くやっていて、本当にテレビコントって奥深いし、面白いし、まだまだやりたいなと思います。

田中:僕も12年も続くとは思っていなかったです。コントって続けていくのが難しいソフトなのかなと思っていて、2年目の頃にもしかしたら最後かもしれないという思いで現場に入り、これが最後のコントと思いながら10年経ってありがたいなと。僕はスタジオに入ったときにセットを全部見るのが好きで、その瞬間とっても幸せな気持ちになるんです。だからこれから先も1秒でも長くコントに携われたら、『LIFE!』に携われたらいいなと思っています。

――12年の中で一番印象に残っているコントを教えてください。

内村:いい意味で印象に残っているコントはありすぎて1つに選べませんが、悪い意味だと、「堂々とした人」というコントです。洗濯機を買いに来るお客さんをやったんですけど、テイク6、7ぐらい撮って全部外し、何が正解かわからなくなって迷走しました(笑)。もう1個、私が体調不良で休み、私がやるはずだった「道枝三郎太」というキャラを田中がやったときに、オンエアを見てちょっと嫉妬を覚えました(笑)

塚地:僕は「イカ大王」です。着ぐるみみたいなのを作っていただいて、長期にわたりやさせていただき、CDも出して、紅白に見切れるというのも5、6年ぐらいやらせてもらって、すごい展開を生んだなと。北海道新幹線開通イベントに函館がイカの名産だからという一点突破で呼ばれたり、沖縄の商店街でイカ大王体操を踊ったり、音楽番組に出させてもらったり。フル稼働だったので疲れましたが、イカ大王はすごく思い入れあります。

田中:たくさんコントがある中で、「プラス車掌」というコントはスタイルが違って、カメリハなどなく本番一発勝負なんです。舞台のような感じなので、そのコントがあるとすごく緊張して、本番への臨み方が違うので自分の中で特別感がありました。あと、この初期メン3人の出番がたまにあり、3人でコントをやらせてもらっているときにすごく幸せな気持ちに。また3人での新作のコントがあるんですけど、特別感があって心が躍ります。

塚地:我々3人が集まると大半おじいさんになっています(笑)

内村:もうじいさんの役しか来ない(笑)