2023年6月16日から期間限定上映されるVシネクスト『忍風戦隊ハリケンジャーでござる! シュシュッと20th anniversary』は、スーパー戦隊シリーズ第26作『忍風戦隊ハリケンジャー』(2002年)の20周年を記念した作品である。かつて、『忍風戦隊ハリケンジャー10YEARS AFTER』(2013年)という10周年記念作品を企画し、みごと実現へと持っていったキャスト陣の熱意が、ふたたび20周年のアニバーサリー作品を生み出した。まさにこれは、スーパー戦隊シリーズにおける2度目の快挙といえる。

  • ハリケンレッド/椎名鷹介を演じる塩谷瞬 撮影:大塚素久(SYASYA)

    塩谷瞬(しおや・しゅん) 1982年生まれ、石川県出身。15歳のとき俳優を目指して上京。2002年『忍風戦隊ハリケンジャー』オーディションに合格し、ハリケンレッド/椎名鷹介役でレギュラー出演。主演を務めた映画『パッチギ!』(2004年)で第29回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。映画、テレビドラマ、舞台を中心に活動する一方で、プライベートでは世界を旅してボランティア活動、国際支援、海外協力などを行う。 撮影:大塚素久(SYASYA)

ハリケンジャー単独インタビューの今回は、ハリケンレッド/椎名鷹介を演じる塩谷瞬が登場。本作では、疾風流忍者ハリケンジャーと迅雷流忍者・電光石火ゴウライジャーの20年後を描くと共に、200年前の江戸時代を生きた疾風流・迅雷流忍者5人の対立・葛藤・和解といった熱いドラマが見どころとなっている。海外各地でボランティアや教育に携わり、日本だけでなく世界各国の子どもたちから「リアル(本物)ヒーロー」と呼ばれる熱血漢・塩谷が、20年目の『ハリケンジャー』に込めた思いとは何か。20年もの間変わらない共演者たちとの友情や、新作にかけた大きな夢について話してもらった。

――20周年記念作『忍風戦隊ハリケンジャーでござる! シュシュッと20th anniversary』の製作は、長年応援してきたハリケンジャーファンにとって嬉しいことでしたが、キャストのみなさんの喜びもひとしおだったのではないですか。

『ハリケンジャー10YEARS AFTER』のあと、また新作を作りたいねというのはいつもみんなが会うたび話題にのぼっていたのですが、数年前から「具体的な形にしてみよう」と思って、本格的に動き始めていたんです。しかし、2020年より世界的なコロナ禍が始まり、たくさんの映画や舞台が中止に追い込まれることになりました。通常に比べても厳しい状況になった中で、山本康平くんが前面に立って頑張ってくれて、ようやく固まったのが今回の作品なんです。

塚田英明プロデューサーと康平くんとの話し合いの中で「京都撮影所で時代劇として製作しよう」と決まったのも、すごく良いことだなと思いました。最近はテレビでも映画でも、あまり時代劇が観られないじゃないですか。そんな中でハリケンジャーを通じて、子どもたちが「忍者」の面白さ、剣による「チャンバラ」アクションの痛快さなどに触れ、新しいヒーローとして親しんでほしいという思いが強くなりました。

――初の10周年に続き、シリーズでも初の試みとなる20周年作品が実現するとは、『ハリケンジャー』に携わってきたみなさんの努力と熱意の賜物ですね。

ヒーローは人々が元気を失くしている辛い時期に現れて、元気づけようとする存在だと思っています。『10YEARS』のときは東日本大震災(2011年)、今回の20周年はコロナというピンチがありました。そんな時期に『ハリケンジャー』が登場できたのは、とても大事に思っています。キャストのみんなや塚田さんをはじめとするスタッフ陣がみんな現役でやっていて、みんなで「20周年記念作を作ろう」と心をひとつにして集まった。改めて、凄いことがやれたと思います。

――塩谷さんは『ハリケンジャー』から20年が過ぎ、その分大人に成長していながら、現役ヒーローをされていたときの若さ、はつらつさも兼ね備えています。そのフレッシュさをどうやって維持されているのでしょうか。

僕にはまだまだ叶えたい「夢」がたくさんあり、日々挑戦をし続けているんです。毎日、神社まで走ってお参りをして、願いが叶うよう祈願していますし、実際いくつかの夢は叶ってきています。夢を追いかけて、絶対に叶えるぞと信じる心を常に持っていると、老け込んでいられない……という部分はありますね。自分自身を曇らせないというか、内面から出てくるものはとても大きいです。