「不測の事態」という言葉はニュースや新聞などでよく見かけますが、どのような意味を持つのでしょうか。
本記事では、「不測の事態」の意味や使い方・例文、類語・言い換え表現などを紹介します。また、不測の事態に備えるにはどうすべきか、その方法についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
「不測の事態」の意味とは
「不測の事態」とは、予期せずに起こった思いがけない出来事を意味する言葉です。
「不測」には「予想できない・思いがけない」という意味があり、突発的なアクシデントや思いがけないトラブルが発生したことを言い表すときに使います。
また、アクシデントの予防策として危機管理を促す場面などでも使います。ニュースや雑誌・新聞などでよく見る言葉ですが、ビジネスシーンでも使える表現です。
「不測の事態」の使い方と例文
実際にどのような使い方をするのか、例文とともに紹介します。
ポジティブな意味では使わない
予期せずに起こる思いがけない出来事には、ネガティブなものもあればポジティブなものもあるでしょう。しかし、「不測の事態」はネガティブな出来事に対して使う言葉で、ポジティブな出来事に対しては使いません。想定外のトラブルや自然災害・病気・事故など悪い結果をもたらす場面で使います。間違えて使わないよう注意してください。
「不測の事態」の例文
「思いがけないアクシデントが発生した場面」と「アクシデントの発生を予防する場面」の2つの場面で使う際の例文を紹介します。
【思いがけないアクシデントが発生した場面の例文】
・不測の事態の発生により、彼は気が動転していた
・不測の事態が起きたため、今日のイベントは中止となった
・不測の事態が起きたことで、緊急メンテナンスを行うことになった
【アクシデントの発生を予防する場面の例文】
・コロナという不測の事態に対応なければならない
・不測の事態に備えて、保険を準備しておいた
・不測の事態に備え、データのバックアップをとるべきだ
「不測の事態」の類語・言い換え表現
「不測の事態」と似たような意味を持つ類語や言い換え表現を紹介します。
由々しき事態
「由々しき事態」は、「放っておくと大変なことになる様子」を意味する言葉です。簡単には解決できない問題や、問題自体がとても重大なことを表し、深刻な事件や感染症の蔓延など、放置すると逼迫した問題に発展する可能性が高い出来事を指すときに使います。
「不測の事態」と同じように、テレビや新聞などの報道でよく使用され、危機的な状況であることを受け手に伝えられる表現です。
想定外の事態
「想定外の事態」は、「事前に予想できなかった出来事が起きた様子」を意味する言葉です。「不測の事態」と同じく、アクシデントやトラブルに対して使います。
未曽有の出来事
「未曾有の出来事」は、「前例のない出来事」を指す言葉です。未曾有は、いまだかつて起きていないという意味を持ち、非常に珍しい事象などが起きたことを指す際に使います。
予測できなかったことが起きたときにも使いますが、「不測の事態」とは異なりネガティブなニュアンスのみに用いられるわけではありません。
突拍子もない出来事
「突拍子もない出来事」は、「意外なことや突飛な出来事」を指す言葉です。予想外の出来事が発生して驚きや混乱を表す際に使用されます。
なお、「突拍子もない」は「常識から外れていること」という意味も持つため、目上の方に「突拍子もないですね」などと使うのは失礼にあたる可能性があります。使う際は注意しましょう。
青天の霹靂
「青天の霹靂」は、青く晴れた空に突然雷が響く様子を表現した言葉であり、突発的な事件を表す言葉として使われます。
中国の故事成語の一つで、11世紀ごろにはすでに使われていたと言われているほど、古くから存在する言葉です。
「不測の事態」に備える方法は?
「不測の事態」が起こると、さまざまなことに悪影響を及ぼす可能性があります。被害を最小限におさえるためも「不測の事態」に備えるにはどうすべきか知っておきましょう。
可能な限り様々な事態を想定しておく
「不測の事態」を予防するためには、危機管理能力を高めておくことが大切です。トラブルが発生してから考えるのではなく、トラブルが起きる前からトラブルが起きることを想定し、事前に対策を講じておきましょう。
対策を練るときは、さまざまなシーンを想定するのがポイント。起こりうるトラブルを思いつく限り洗い出してみてください。また、多角的な視点で考えることも大切です。 さまざまなパターンを想定した対策をあらかじめ準備しておくことで、想定外のトラブルにも落ち着いて対応できます。
解決策を周囲に共有しておく
想定外のトラブルが発生した際の解決方法を、周囲と共有しておくことも重要です。アクシデントはいつ・どのように発生するか予測できません。特定の人あるいは数少ない人たちしか解決策を把握していないという状態では、トラブルへの対応が遅れてさらに被害が拡大してしまう恐れがあります。誰でも対応できるような環境をあらかじめ作っておくことが大切です。
まとめ
「不測の事態」の意味や使い方・例文、言い換え表現などを紹介してきました。
「不測の事態」は、突発的なアクシデントや思いがけないトラブルが起きたことを表す言葉です。この言葉を使わなくていいよう、日頃から不測の事態に備えておきましょう。
あらかじめ対策を講じておけば、迅速に対応できるだけでなく、被害を最小限に抑えることにもつながります。