JR北海道のキハ183系が10日、網走発札幌行の臨時特急「キハ183系オホーツク」でラストランを迎えた。当初は5両編成で運転予定だったが、好評を受け7両編成に増結。グリーン車3両を連結した堂々たる編成で、石北本線と函館本線を駆け抜けた。

  • 札幌駅へ向かう臨時特急「キハ183系オホーツク」(筆者撮影)

特急形気動車キハ183系のうち、貫通扉を備えた後期形の車両は1986(昭和61)年に登場。グリーン車はハイデッカー車両とし、車窓をより広く楽しめるように設計されている。時代のニーズに応えつつ改良を重ねた結果、1編成のうちでも車両ごとの番代区分が異なる状態となり、その歴史も非常に複雑になった。

今年3月17日に定期運行を終了し、その後は臨時列車として函館や稚内など道内各地へと向かったが、4月9・10日の「キハ183系オホーツク」が最後の運転となった。

往路運転となった4月9日は曇天の中、8時5分に札幌駅を発車。途中の遠軽駅までの先頭は復刻塗装の車両(キハ183-8565)が務め、3両のグリーン車を従えて網走へ走り去った。前面の種別表示幕は定期運行当時と同じ「オホーツク」の幕だったが、側面の方向幕には「臨時」と表示されていた。

  • 4月9日の往路運転では、デビュー時の塗装を復刻した「キハ183-8565」が先頭に立った(筆者撮影)

復路を走った4月10日は、網走駅を10時ちょうどに発車。石北本線を走行し、旭川駅から函館本線へ入る。少しずつ西へ動く太陽を追いかけるように、キハ183系も西へ向かった。「キハ183系オホーツク」はほぼ定刻通り、16時頃に札幌駅に到着。初期車を含むと40年以上に及んだ北海道でのキハ183系の歴史に、終止符が打たれた。

なお、定期列車の特急「オホーツク」「大雪」は現在、3両編成のキハ283系が使用されている。ラストランを迎えたキハ183系の後期型車両に続き、「ノースレインボーエクスプレス」車両(キハ183系5200番代)も今月末でラストランとなる予定。5月20日に苗穂運転所で「キハ183系車両“最後の”撮影会 in 苗穂運転所」を開催することも発表され、4月10日12時に販売開始したが、好評につき即日完売となった。