• 夏帆 (C)フジテレビ

耳の聴こえない想や奈々(夏帆)とのコミュニケーション言語として描かれる「手話」にも注目が集まっている。通信講座を展開するユーキャンの「手話入門講座」は、11月の受講申込数が9月と比較して約2.5倍と大きく伸びた。

順位で見ると、これまでは約150講座中で60位前後と中堅に位置していたが、11月は20位以内に食い込んでいるという。上位には医療事務や宅建士などの定番資格が占め、なかなか顔ぶれが変わりにくい中で、健闘していると言えるだろう。

こうした動きに、聴覚障害者に関連する事業を行う社会福祉法人・聴力障害者情報文化センターの担当者は「配信でドラマを見ているような若い方たちが興味を持ってくださるというのは、とても良いことだと思います」と歓迎。また、作品についても、「これまでも、聴覚障害者を扱ったドラマはあったのですが、ろう者の役をろう者が演じるですとか、音声がなくて字幕だけで見せるいうシーンも今までのドラマではなかったと思います。よく取材されていて、こうしたドラマのブームが起きるたびに、実際の状況に近くなっている感じがあります」と評価した。

■音声認識アプリのDL数増「選択肢に加わった」

劇中に登場する音声認識の文字起こしアプリは、「UDトーク」という実在するサービスだ。こちらのダウンロード数は、7~9月の3カ月間で約19,000という実績だったが、ドラマの放送が始まって動きが出た。

初登場した第2話で3,000、第3話で5,000、そしてプロ野球・日本シリーズ中継で90分の繰り下げとなった中でも話題となった第4話では20,000と、3カ月分を上回る数字を記録。担当者は「5話以降も1日のダウンロード数がコンスタントに底上げされている状況が続いています」と話す。

UDトークの公式Twitterでは「ドラマで取り上げられることで耳が聞こえない人に話を伝える手段として、『手話』『筆談』に加えて『音声認識』が選択肢として加わった気がします」と普及を実感した上で、「ベストではなくベター。どれか一つに決めるのではなく、自分が伝えたい相手に伝わる手段をそのつど自分で選んでいきたいですよね」とコメントしている。