満島ひかりと佐藤健がW主演を務めるNetflixシリーズ『First Love 初恋』(配信中)で、満島と佐藤扮する男女の若き日を演じた八木莉可子と木戸大聖にインタビュー。かけがえのない経験になったという本作への出演について話を聞いた。

  • Netflixシリーズ『First Love 初恋』で共演した八木莉可子(左)と木戸大聖 撮影:加藤千雅

宇多田ヒカルの名曲「First Love」「初恋」からインスパイアされた究極のラブストーリーを描く本作は、90年代後半とゼロ年代、そして現在の3つの時代が交錯し、 20年余りに渡る忘れられない“初恋”の記憶をたどる男女の物語。CAを目指すも不慮の事故で運命に翻弄される野口也英を満島、航空自衛隊のパイロットになるも、現在は別の道を進む、一途でまっすぐな性格の並木晴道を佐藤が演じ、2人の若き日を八木と木戸が務めた。

――まずは出演が決定したときの心境を教えてください。

八木:今、大学3年生ですが、出演が決まったときはまだ高校生で演技の経験も少なく、満島ひかりさんと同じ方を演じさせていただくことになってうれしかったですが、「私で大丈夫かな。うまくできるかな」と、不安が大きかったです。

木戸:僕は台本を読んだときに晴道という男に魅力を感じ、絶対に演じたいと思っていたので、決まったときは本当にうれしかったですし、ワクワクがずっとありました。

――佐藤健さんが演じる役の若き日ということは、どう感じましたか?

木戸:小さい頃から見ていた健さんと同じ役を演じるということは、最初の頃は実感が湧いてなかったです。

――也英と晴道を演じる際に意識していたことを教えてください。

八木:台本を読んで自分ですごく考えていたのですが、ひかりさんとお話させていただいたときに「あまり台本を読み込みすぎなくてもいいかもね」と言ってくださったんです。お芝居は相手との対話なのに、先に考えていた感情で台詞を言ってしまっていて、ひかりさんにそう言っていただいてからは、その場で相手とちゃんとコミュニケーションをとって、演じるのではなく役として生きられるようになりたいと思ってお芝居するようになりました。

――女優としてすごく大事なことを満島さんから教わったのですね。

八木:そうですね。人によって違うと思いますが、私は作り上げるのではなくて、自分の中にある感情を大事にして演じるほうがやりやすいのだと気づきました。その場で感じたことを大事に生きるというのは、今後の作品にもつながる大切なことを学ばせてもらったなと思います。

――満島さんとは現場でお話を?

八木:満島さんは今回の作品で初めてお会いしたのですが、撮影に入る前に私や大聖たちのためにワークショップを開いてくださって、私は同じ野口也英を演じさせていただいたので、撮影が始まってからも悩んだときに相談させていただきました。

――木戸さんは演じる際にどんなことを意識しましたか?

木戸:晴道は動物的な男の子で、頭で考えずに感情で動き、好きなものは好き、嫌いなものは嫌いという人間なので、監督から人間の本能的な反応を求められました。「恋をしたというお芝居を外面でやっても私は見抜く」とおっしゃっていて、なんて難しいことを……と思ったのですが、晴道は確かにそういう人間なので、目の前で起きることに瞬時に反応しようと、考えるというより本能的にドキッとするとか、そういう風に演じようと意識しました。

――相手と向き合ったときに自然と湧き出てくる表情や反応を大切に。

木戸:そうですね。ひかりさんがワークショップをやってくださったときに、『タイタニック』のポーズを真似するシーンを題材として演じたのですが、「台本に書かれていることを無視して、ジャックとローズのポーズをとにかく2人で楽しんでやってみて」と言われました。僕たちは台本に書かれていることに追われてしまっていたのですが、ひかりさんが也英を演じてくださったときに、最初は恥ずかしがってポーズをやらないけど、気持ちが乗ってきてやる也英をすごく純粋に楽しまれていて、心の底から細胞レベルで演じるというのはこういうことかと、刺激を受けました。