■『テニミュ』だからこその温かさや愛情が詰まっている

――公演の中で刺激を受けたことはありましたか? お互いにどのような存在だったんでしょうか?

泰江:まず、こんなに仲良くなれることがすごいんです。怜也は「The Fifst Stage」が初舞台だったし、僕も初めての2.5次元舞台、さらにばっちさんは大先輩として戻って来てくださるということで、それぞれ違う環境の中でここまで仲良くなれたことが嬉しかったです。会うと安心感があります。

相葉:そうだね、一緒に戦ってきた仲間という意識がある。関係性で言えば先輩と後輩という立場ではあるかもしれないけど、「僕が初めて舞台に立った時にはここまでできなかったな」と、2人からすごく刺激をもらって。「若い子たちがみんなこんなに努力している」「才能ある人たちがいっぱいいるんだ」ということを知って「自分も頑張らなきゃ。先輩としてちゃんと存在していないと」と考えさせられました。とてもとてもいい環境で、『テニミュ』って幸せな場所だなと感じました。

――SNSなどを見ると、U-17(アンダーセブンティーン)選抜メンバーキャストのみなさんもすごく楽しそうにされていますもんね。

相葉:特に井澤(勇貴)くんは……はしゃぎにはしゃいでましたからね(笑)

高橋:勇貴くんはどうしたんですか?(笑)

全員:(笑)

相葉:話を聞くと、彼も自分がここまで『テニミュ』にハマるとは思ってなかったそうなんです。役としてもハマってるし、役者としてもここまで作品を愛すると思ってなかったみたいで。キャリアを経て改めて『テニミュ』にハマったんだと思うと嬉しいですよね。僕自身も久しぶりに戻ってきて、やっぱり『テニミュ』だからこその温かさや愛情が詰まっていると改めて感じました。

高橋:僕は、カズくんとばっちさんのお二人については、1番お世話になった方々だと思ってるんです。「The First Stage」の時に初舞台でどうしてこんなに頑張れたかというと、カズくんとばっちさんが僕を引っ張ってくださったことが大きくて……。もちろん僕自身も頑張ろうと思って一緒にS1(シングルス1)のシーンを作り上げてはいるんですけど、お二人が引っ張って「一緒に作ろう」となってくれたからこそ、先輩方のおかげであのシーンができたんだなあと思います……。

泰江:すごく遠い目をしてる(笑)

高橋:今、思い出しながら話してるから(笑)

相葉:S1に関しては、カズと怜也の2人が頑張ってくれたことが大きかったんだよ。僕は凱旋公演に入る形だったんですけど、振りもラリーもつきっきりで教えてもらって。覚えるのにいっぱいいっぱいだったから「2人とも、よくこんな大変なことをやってるなあ」と思ったし、振り返ると泣きそうになります。しんどかったけど、めちゃくちゃ楽しかった。

高橋:最高に楽しかったですね。

泰江:本当に楽しかったです。

■3人が互いに感じていたことは?

――相葉さんは色々な作品に出られていますが、『テニミュ』に戻ってきてのカルチャーギャップみたいなものはありましたか?

相葉:いや、ありますよ。やっぱり稽古場にいいヘアバンドつけてくる子がいたりとか……。

高橋:こら~! それは僕!(笑) それで寝ぐせがひどいと! 最近ばっちさんのせいで、僕のファンにもそのキャラが浸透してきてるんですよ!(笑)

相葉:嬉しい!

高橋:嬉しいんですか!?

相葉:みなさんに影響を与えて……怜也が愛されるキャラに育ってる。

高橋:育てようとしてる!?

相葉:かっこよくて歌がうまいだけじゃなくて、そういう抜けているところもあるって、知れば知るほどみんな「かわいいなあ」ってなっていくんですよ、絶対!

全員:(笑)

泰江:実際愛されてるし!(笑)

相葉:カズに関してはやっぱり“ファンサ”(ファンサービス)がすごいなあと思うし、カルチャーギャップというよりもカズ自身の持っている才能として、お客さまを引き込む力があるんだと、勉強になりました。

高橋:ほんと! なんか見るたびに(ファンに向かって)チュッチュ! みたいな!

泰江:(爆笑)

高橋:全員にチュッチュしてる!

泰江:自分に何ができるか考えて、必死だったんですから!(笑) 逆に僕ら後輩からすると、そもそもばっちさんの“居方”に影響されてました。楽屋、稽古場、舞台上での存在がやっぱり……。

相葉:ふざけてた?

泰江:違います(笑)。どの舞台でもこれだけの先輩と密に同じ役をできる機会はなかなかないと思うし、目の前でばっちさんの熱を感じることができるのが1番大きな経験だったのかなと思いました。僕はもう、一時期ばっちさんの声しか聞いてなかったですもん。

相葉:アニメもあるからね。

高橋:声が本人だもんなあ。

相葉:でも、僕がアニメで『新テニミュ』と同じシーンの入江を演じたのは10年ぐらい前のことだったから、役についてはカズが広げて深めていってくれたことから改めて教わることが多くて。人一倍努力していて、すごく尊敬しました。

泰江:怜也については、ばっちさんと僕、それぞれの熱を感じて変化していっただろうし、お客さんもそこを楽しむことができたと思うんですよね。

高橋:「The First Stage」はずっとカズくんと一緒に作り上げて、凱旋公演でさらにばっちさんが入ってパワーを肥大化させてくださって。経験を積むごとにどんどん膨れ上がる感じがして、最高に気持ちよかったです。ばっちさんはもともとアニメで入江役をされてるし、カズくんは入江をめちゃくちゃ研究してるし、対峙していて違和感はなかったですけど、とにかくばっちさんは、大きかった!

全員:(笑)

高橋:「あれれ?」と思って。見下ろされてる(笑)

泰江:ほんとだよね(笑)

相葉:僕ははじめ外から2人の演技を見る立場で、特に怜也が悩んでるのも知っていたんです。「素敵だから大丈夫だよ」と思ったし本人にもそう伝えたんだけど、稽古や公演を重ねるにつれて何か言う必要もないくらいに跡部を確立して、僕と演じる頃には完成されていました。最初に稽古場で見た跡部とも全然変わっていて、すごいなと思っていましたし、もう、僕からしたら2人ともかわいくてしょうがなくて! かわいい後輩が2人できて、幸せだなって心から思います。本当に!

高橋:嬉しい~! 実は状況が落ち着いていた時に、1度カズくんと2人でごはんに連れて行ってもらったんです。

相葉:「The First Stage」の稽古でお世話になった2人をごはんに連れて行きたいと言ってたんだよね。ご時世的にはまた難しくなっているけど、本当だったら連れ回したいと思っています!

■相葉裕樹
2004年映画デビュー、ミュージカル『テニスの王子様』(05年~08年)で舞台デビュー。以来映像・舞台・アニメと様々な作品で活躍し、『侍戦隊シンケンジャー』(09年)、『戦国鍋TV ~なんとなく歴史が学べる映像~』(10年~12年)出演も話題となる。近年の主な出演作に『レ・ミゼラブル』(17年・19年・21年)、『ダンス オブ ヴァンパイア』(19年)、『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』(22年)といったミュージカルのほか、海外ドラマ『S.W.A.T.』シリーズ日本語吹替、ゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド』(20年~/ボイスキャスト)、アニメ『新テニスの王子様』(12年~)など。ミュージカル『スクルージ ~クリスマス・キャロル~』(22年12月)、音楽劇『ダ・ポンテ』(23年6~7月)、ミュージカル『アナスタシア』(23年9~10月)上演を控える。

■泰江和明
2018年より芸能活動を始め、19年から始まったKYOTO SAMURAI BOYS公演では team若葉のリーダーを務める。主な出演作にミラクル☆ステージ『サンリオ男子』 KAWAII Evolution (21年)、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」うずまきナルト物語(21年)、ミュージカル「FLOWER DRUM SONG」(22年)、舞台「呪術廻戦」(22年)など。ミュージカル「Shuffle!~まぜこぜ図書館『若草三銃士物語』~」(22年11月)、「進撃の巨人」-the Musical-(23年1月)上演を控える。

■高橋怜也
アーティストとして芸能活動を始め、2020年にミュージカル『新テニスの王子様』The First Stageで初舞台。主な出演作にLive Musical「SHOW BY ROCK!!」-DO根性北学園編-夜と黒のReflection (21年)、RICE on Stage『ラブ米』~Rice will come~(21年)、『Oh My Diner ~踊るぶんぶん狂想曲~』(22年)、MANKAI STAGE『A3!』シリーズ(22年~)など。10月25日より出演ドラマ『信長未満 -転生光秀が倒せない-』(tvk)が放送される。ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学(せいがく)vs氷帝(23年1月~3月)の上演を控える。