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番組がスタートしてから4年半で各賞に選ばれたのは、このタイミングで初めてエントリーしたためだ。これは編成部の担当者の判断で、池田Pは「出してもらえるのは非常にありがたいんですが、賞を狙いに行くなんていうのは全く思っていなかったです」と打ち明ける。受賞対象の放送回は、オズワルド・伊藤俊介や笑い飯・西田らが下ネタでも大きな笑いを取っていただけに、権威ある賞の受賞の知らせを聞いて、まず驚きが先行した。

ギャラクシー賞の贈賞式では、入賞番組の担当者が壇上に並んだが、「原発をテーマにした重厚なドキュメンタリーとか、メッセージ性のあるドラマとかの中で、『この場におってええんかな』『明らかに浮いてるな』という感じだったんですけど、そのギャラクシー賞も放送文化基金賞も、“純粋に面白い番組”ということで評価していただいたので、作り手としてうれしかったですね」と喜びを実感。

さらに、「新春SPでは、特別な存在感で愛情あふれる審査で番組を盛り上げてくださった松本人志さんには感謝の気持ちでいっぱいです。『(ダウンタウンの)ごっつええ感じ』を見て育った世代なので、お会いできるだけで感慨深いものがありました」と、今後の番組制作への励みになった。

  • 「第59回ギャラクシー賞」贈賞式

■関西ローカルのレギュラーの場所を大事に

これまで3回にわたり全国ネットで放送してきたが、「番組内容を考えたときに、今やらせてもらっている枠は非常にいいなと思っているんです。TVerや有料配信で、全国でいろんな時間に見ていただいていますが、やっぱり深夜だからという許容範囲の広さがあると思うんですね。あんまり早い時間帯に上がると制限が強くなってしまうこともあると思うので、このレギュラーの場所を大事にしながら、現場の希望としては1クールに1回くらいのペースで、全国ネットでやらせていただくような形がいいですね」と展望。

大阪生まれ大阪育ちの池田Pにとって、ジュニアは子どもの頃から憧れの存在。「『すんげー!Best10』(ABCテレビ)っていう若かりし頃の千原兄弟さんがMCをされてた番組がめちゃくちゃ好きで、毎週かじりつくように見ていたので、そんなジュニアさんとお仕事ができるというのは、立ち上げのときからもう感動しました。『座王』の番組化を提案しに初めてお会いしに行ったときは、『はい、はい』と淡々とされているクールな印象だったんですけど、5年ほどご一緒させていただいて思うのは、熱くて番組に愛があって、出演者やスタッフにもすごく気配りしてくださる優しい方だなということです。最初の頃はシャイな一面が出てはったのかなと(笑)。コロナの前はほぼ毎回収録後に食事に行かせていただいて、『あのネタはめちゃくちゃ面白かったな』と振り返ったり、『新お題でこんなのができそう』とジュニアさんからも提案をいただいたりします。プロのお笑い論を目の前で聞かせてもらえるのは、本当にこの仕事冥利に尽きますね」と胸の内を語る。

一方で、「打ち合わせはやっぱり緊張するんで、緩んだらあかんなと思ってやっています」と、気を引き締めて番組作りに臨む姿勢を示した。

●池田和彦
1981年生まれ、大阪府出身。青山学院大学卒業後、04年に関西テレビ放送入社。『たかじん胸いっぱい』『お笑いワイドショー マルコポロリ!』『冒険チュートリアル』『口出しゴメン!セキララ☆小町』『村上マヨネーズのツッコませて頂きます!』『胸いっぱいサミット!』などを担当し、現在は『千原ジュニアの座王』で演出・プロデューサー、『モモコのOH!ソレ!み~よ!』でプロデューサーを務める。