お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が12日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』に出演。動画「三島由紀夫賞に落選した瞬間、用意してたジャケットをバレないように…若手時代にお世話になったペヤングをいまだに…人間らしさ全開!【百の三 「人間」とは何か? (2)】」内で、電車内で起こった“演劇のような一幕”について語った。

ピース・又吉直樹

同チャンネルでは今回、「人間」をテーマに、100の答えから会心の答えを3つ絞り出す企画「百の三」を実施。そのなかで、「今年入って『人間やなあ』と思ったのが……」と前置きしつつ、今年2月に経験した電車での出来事を振り返っていく。

東京・紀伊國屋ホールにて開催された舞台『かたとき』に出演した又吉。ある日の稽古後、共演の役者たちと電車に乗って帰っていたところ、ある駅で電車が停車した際に、ひとりの男性客の財布から小銭が落ちたという。

すると役者たちが相次いで拾いに行き、又吉は彼らの優しさに感心すると同時に、「他のお客さんたちは反応できてないけど、役者さんたちは普段から役に入ったりしてるのもあんのか、速いんですよ、反応が」と、役者ならではの反射神経の良さを感じたと話す。

一方、基本的に行動するよりも頭の中でグルグル考えてしまう性質の又吉は、この時も「行ったほうがいいんかな? 2人行ったからもういいかな……」と頭を働かせていた。すると、役者の3人目が拾いに行ったのを見て「『多いな』って思ってしまった」「逆に目立ってしまって恥ずかしいんちゃうか?」という考えが頭をよぎり、「自己嫌悪に陥ってしまった」と回顧した。

さらにその後、電車の出発ベルが鳴り響き、役者のひとりが「まだ間に合います!」と叫んだのだが、小銭を拾ってもらった男性は「まだ降りません!」と強めに返答。停車時に小銭を落としたせいで、その駅で下車するものだと勘違いしていたのだ。

結果、役者たちは少し恥ずかしくなって元いた場所に戻ることに。「その一連の動きが演劇みたいで」「全員僕やったらそういう一幕はなかったんですね」と述懐しながら、「人間っぽくないですか?」と又吉が話すと、スタッフも「なにも動けずに思考をめぐらせている又吉さんも含めて(人間っぽい)」と、まるで演劇の一幕かのような出来事に驚いていた。