近畿日本鉄道は16日、観光特急「あをによし」の一般向け試乗会を開催した。当日は計4コースで実施され、参加者だけでなく沿線利用者らからも注目を集めた。観光特急「あをによし」は4月29日にデビューし、大阪難波~近鉄奈良~京都間で運行される。

  • 大阪難波駅に観光特急「あをによし」が入線

「あをによし」に使用される車両は、昨年11月に引退した12200系を改造した19200系(4両編成)。車内・車外ともに「和」をイメージできるデザインに生まれ変わった。車内は1・3・4号車が横2列(1列+1列)のツインシート、2号車が3~4名利用のサロンシートとなり、乗車する際は乗車券・特急券の他に特別車両券が必要となる。

4月16日の試乗会では、大阪難波駅を9時32分に出発し、大和西大寺駅に10時15分に到着するAコース、大和西大寺駅を10時42分を出発し、京都駅で折り返して近鉄奈良駅に12時28分に到着するBコース、近鉄奈良駅を12時51分に出発し、京都駅で折り返して大和西大寺駅に14時37分に到着するCコース、大和西大寺駅を15時59分に出発し、大阪難波駅に16時39分に到着するDコース、計4コースを運行。いずれのコースも定員80名の募集制で、当日は全コースとも定員に達した。

  • 燦然と輝く前面のエンブレム

  • ツインシートは乗客を包み込むようなデザイン

  • 窓の位置が低くなり、より眺望が楽しめる

  • 奥がサロンシートの座席定位置となる

  • 当日配られた記念品

  • 4号車のライブラリー

筆者はAコースに乗車した。9時30分、大阪難波駅2番線ホームに「あをによし」が入線。発車までわずか2分だったが、多くの参加者が車体前面に集まっていた。向かい側の3番線ホームにも鉄道ファンらがいたようで、「あをによし」への関心の高さがうかがえた。

9時32分に大阪難波駅を出発すると、参加者は「和」を連想させる独創的なデザインの車内に釘付けに。ゆったりとした座席の座り心地を確かめながら、いつもとはひと味違う近鉄奈良線の旅を楽しんだ。車内にて、「あをによし」デザインのファイル等が入った記念品も配布された。この日の試乗会では、2号車に設置された販売カウンターでのサービス等はなく、「あをによし」関連の印刷物が置かれてあった。4号車の運転席側に設置されたライブラリーでは、大阪・京都・奈良のガイドブックが陳列されていた。

大阪平野を一望できる枚岡~石切間を走行中、「あをによし」が一時停止を行う場面も。大きな窓から広々とした大阪平野の眺望を満喫できた。

  • 2号車の販売カウンター

  • 大阪平野を一望できる区間で一時停止

  • 当日は「貸切」での運行だった

9時45分頃、「あをによし」は東花園駅に停車し、後続の列車に道を譲る。ここで「あをによし」の設計に携わった社員による車両解説が行われ、「車内の窓を低くする」など、こだわったポイントを紹介した。最後に「『あをによし』はデザインする人、図面を描く人、工事する人、工芸品的にものをつくる人、たくさんの人の思いが詰まっています」とのコメントも。近鉄以外にもさまざまな関係者の協力を得て仕上がった車両であることを印象づけた。

10時15分、「あをによし」は大和西大寺駅に到着。参加者たちは名残惜しそうに記念撮影を行っていた。なお、4月16日の試乗会に続き、4月17日に宮津車庫(近鉄宮津駅から徒歩約3分)で「あをによし」の撮影会を実施する。4月29日の運行開始に向け、4月15日から特急券・特別車両券の販売もスタート。運行初日となる4月29日分の座席(第1~6便)は発売後20分で完売したとのことだった。