暑い夏の時期も過ぎて、過ごしやすくなってきた今日この頃。遠出をするのも良いですが、自転車で近場を走ってみたら、新しい発見があるかもしれません。

自転車シェアリングで電動自転車を借りて、東京都都市整備局が提案する「東京都おすすめ自転車ルート 下町めぐり」を参考にぐるっと下町を巡ってきました。

東京下町めぐりのコースは?

今回のコースは、東京駅をスタートして、人形町、両国、押上、浅草を周って上野駅でゴールするルート。国技館やスカイツリーなど、東京の有名な観光地をぐるっと巡ります。

■下町めぐりコース 約11.4km (※距離はGoogleMapを参照)
・東京駅
 ↓(約2.1km)
・水天宮
 ↓(約2.1km)
・江戸東京博物館
 ↓(徒歩)
・国技館
 ↓(約3.2km)
・東京スカイツリー
 ↓(約1.5km)
・浅草
 ↓(約2.5km)
・アメヤ横丁(アメ横商店街)
 ↓(徒歩)
・上野駅

まずは東京駅からスタート!

今回のルートは、東京駅を起点に巡ります。自転車は自宅から乗って来るのも良いですが、今回はドコモ・バイクシェアの「東京自転車シェアリング」のサービスを活用してみました。東京で暮らす方ならおそらく一度は見かけたことがあるはずの、あの赤いミニベロです。

「東京自転車シェアリング」では、東京都内11区(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、江東区、品川区、目黒区、大田区、渋谷区、中野区)の区内にあるすべてのポートで貸出・返却することができます。東京駅のある千代田区で乗って、上野駅のある台東区で返却するのももちろんOK。

料金プランは30分165円から。今回は、購入当日の23時59分まで使える「1日パス」(1,650円)を活用しました。1日パスはファミリーマートやセブン-イレブンでも購入できます。

購入した「1日パス」のチケットに書かれたQRコードからWebサイトにアクセスし、そこで乗りたい自転車の番号を指定、表示された解錠パスコードを後輪の文字盤に打ち込めば借りられます。借りる前に、タイヤがパンクしていないか、ベルはきちんと鳴るか、ブレーキがきくか、走行予定距離以上のバッテリー残量が残っているかなどをチェックしましょう。

なお「ドコモ・バイクシェアバイクシェアサービス」のアプリを使えば、どのサイクルポートに何台自転車があるかといったことや、駐輪してある自転車の電池残量もチェックできます。

  • 「ドコモ・バイクシェアバイクシェアサービス」アプリ。各ピンはポートにある自転車台数。「1日パス」を購入した場合はアプリが無くても使えますが、ポートの場所を確認するためにダウンロードしておくと便利

借りたら早速、東京駅を出発します! カラッと晴れて気持ちよい! まさに自転車散歩日和です。

休日の人通りが少ない大手町のビル街を抜けて、日本橋へ向かいます。「自転車ナビマーク」に沿って走っていきましょう。

日本橋は、日本橋川にかかるアーチ橋で、国の重要文化財。「日本橋」の看板が掛けられていところは、首都高が走っています。映画やドラマのロケ地として、またお正月の箱根駅伝でもおなじみの風景ですよね。

なお、「東京自転車シェアリング」で借りた自転車は3段階の走行モードがある電動アシスト付き自転車。今回の下町めぐりコースは大きな高低差がないルートですが、ちょっとした坂道も気にせずぐいぐいと、もちろん平地も軽く漕ぎながら進むことができます。

  • 電動アシストは3段階のモードが設定できる

  • 3段変速で道路の状況に合わせて選べる

日本橋を渡ったら、右折して「人形町」の交差点を目指しましょう。

  • 人形町の交差点へ

人形町・甘酒横丁で食べ歩きつつ水天宮へ

次の目的地である「水天宮」へ寄る前に、出発早々ではありますが、人形町の甘酒横丁でちょっと食べ歩きをして腹ごしらえをしたいところ。人形町商店街通りから明治座のある清洲橋通りまでの間に多数のお店が並び、明治時代から続く歴史ある商店街だそう。

老舗の名店が数多くある甘酒横丁ですが、なかでも有名なのは鯛焼きの老舗「柳屋」。麻布十番の「浪花家総本店」、四谷の「わかば」とともに「東京3大鯛焼き」と呼ばれるお店のひとつだそう。

  • 柳屋の「鯛焼き」

この日も開店前から行列がズラリとできていました。店内では次々と鯛焼きが焼かれていますが、1匹ずつ金属製の焼き型で焼く鯛焼きは「天然物」と呼ばれているそうです。

  • 柳屋の「鯛焼き」1匹160円

焼きたて熱々の鯛焼きをテイクアウト。しっぽが少し焦げるくらいしっかり焼かれた生地はパリパリで香ばしく、中はホクホクのあんこがたっぷり詰まっています。あんこは甘さ控えめで素朴な味で、ひとつだけでは物足りない気分に……。これは並んでも食べたくなるのもわかります。

  • あんこがホクホク!

柳屋
東京都中央区日本橋人形町2-11-3
営業時間:月~土 12:30~18:00
定休日:日・祝

そしてもう1軒寄りたいお店が、「柳屋」の並びにある煎餅の「にんぎょう町草加屋」。昭和3年創業のお店で、店頭では職人の方が備長炭で一枚一枚煎餅を焼く様子も見えます。多くの芸人に愛され、落語家の三代目 桂三木助師匠は好物の煎餅を食べられないよう金庫に隠したというエピソードも。

  • にんぎょう町草加屋

「手焼きせんべい」は、醤油の香ばしい香りと、バリバリと音が立つくらい固めの食感がクセになりそう。軽く腹ごしらえをして、水天宮を目指します。

  • にんぎょう町草加屋の「手焼きせんべい」5枚550円。バリバリと音を立てて食べたくなる

にんぎょう町草加屋
東京都中央区日本橋人形町2-20-5
営業時間:火~土 10:00~18:00
定休日:日・月

甘酒横丁から、人形町の通りに戻って「水天宮」へ。安産祈願の神社として有名で、境内はお礼参りをする家族も。境内にある十二支に囲まれた母犬と子犬の「子宝いぬ」は、自分の干支を撫でると安産、子授け、無事成長など様々なご利益があるとのこと。

  • 現代的な入口の水天宮でお参りをしました

水天宮
東京都中央区日本橋蛎殻町2-4-1

水天宮へお参りをしたら、新大橋通りを墨田川方面へ。途中、新大橋で隅田川を渡る際に坂道もありましたが、電動アシストがあるのでラクラク。「森下」の交差点を右折して清澄通りに入り、両国駅を目指していきます。このあたりから墨田区に。さらに下町感が増してきます。

両国で江戸の歴史に触れよう

両国駅に到着すると、左手には「江戸東京博物館」。江戸東京の歴史と文化をふりかえり、未来の都市と生活を考える博物館です。独特の建物は、高床式の倉をイメージしているそう。

  • 江戸時代の東京はどんな場所だった? 観光客にも人気の「江戸東京博物館」

常設展では徳川家康が江戸に入府してから約400年の歴史を中心に、江戸東京の歴史と文化を紹介、特別展や企画展ではその時にしか見られない様々なテーマの展示が行われています。

江戸東京博物館
東京都墨田区横網1-4-1
開館時間:日~金 9:30~17:30、土 9:30~19:30
休館日:月(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌日)、年末年始

また、江戸東京博物館の隣に見える、緑の銅板葺きの屋根の建物は大相撲が行われる「両国国技館」です。現在はコロナ禍の影響で臨時休館していますが、相撲博物館も併設されています。相撲が好きな方は、相撲に関する資料や歴史の展示を楽しんでみては?

  • 周辺でお相撲さんも見かけた「両国国技館」

両国国技館
東京都墨田区横網1-3-28

また墨田区と言えば、浮世絵で有名な葛飾北斎ゆかりの地でもあります。江戸東京博物館の近くにある「すみだ北斎美術館」には、北斎の代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」や通称「赤富士」の名で知られる「冨嶽三十六景 凱風快晴」を始めとした作品をはじめ、北斎のアトリエを再現した模型などが展示されています。

  • 「すみだ北斎美術館」近未来的なアルミの外観は、SANAAの妹島和世氏が設計

すみだ北斎美術館
東京都墨田区亀沢2-7-2
開館時間:9:30~17:30(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日)、年末年始(12月29日~1月1日)

両国駅から、すみだ北斎博物館のある北斎通りを錦糸町方面に走って、次の目的地・東京スカイツリーを目指していきましょう。

  • 途中には、浮世絵を描いたタイルの地図も