「完遂」とは、最後まで物事や仕事をやり遂げた場合や、完全に成し遂げる場合に使われる言葉です。一般的には主に仕事や任務、担当の役割などに対し、「〇〇を完遂する」というように使用されます。

しかし「完遂」という言葉は、読み方を間違えてしまう人も多くいます。本記事で正しい読み方や意味をマスターしていただき、類語や英語表現などの知識も増やしましょう。

  • 「完遂」の意味

    「完遂」という言葉の読み方や意味を正しく理解しましょう

「完遂」とは

まずは完遂という言葉の正しい読み方や意味を確認しましょう。ビジネスシーンにおいて、言葉の意味をしっかりと理解して使用することは大切です。

「完遂」の読み方は「かんつい?」「かんすい?」

「完遂」という言葉を見て、あなたは「かんつい」もしくは「かんすい」のどちらが正しい読み方かすぐに答えられますか。正しくは、「かんすい」と読みます。

漢字をそのまま読んでしまうと、どうしても「かんつい」と読みたくなってしまいますが、こちらは誤った読み方なので注意が必要です。日常生活だけでなく、ビジネスシーンでもよく使われる言葉なので恥をかいてしまわないよう、今のうちにしっかりと覚えておきましょう。

「完遂」の意味

完遂とは、「物事を最後までやり遂げること」や「完全に成し遂げること」です。「果たす」「成し遂げる」「物事を全うする」といった言葉が似ている表現として挙げられます。

ビジネスでは主に困難な物事や任務などを最後までやり遂げたときに、完遂という言葉が使用されます。

社会人になると、学生生活では使わなかった言葉や知らない言葉が不意に出てくることがありますよね。不確かな言葉や曖昧な表現は、なるべくこまめに確認して学んでいくことで、自分の言葉の引き出しを増やし生活に生かしていくことができますよ。

「完遂」の使い方は「完遂する」

完遂という言葉は、ビジネスシーンにおいてどのように使用されるのでしょうか。例文をみていきましょう。

例文
・あの難しい仕事をよく完遂しましたね。
・困難なプロジェクトだったが、どうにか完遂した。

完遂という言葉自体には、なにか物事をやり遂げたというポジティブなイメージがあることがわかります。今後任された仕事や任務を成し遂げたときや、同僚がなにかプロジェクトを達成したときなどにぜひ使ってみてください。

  • 「完遂」の意味

    「完遂」は「プロジェクトを完遂する」のように使います

「完遂」の類語・対義語

ここでは、完遂の類語と対義語を紹介します。これらを知ることで、完遂という言葉について理解を深めましょう。

「完遂」の類語

完遂の類語には以下のようなものがあります。意味とともに確認してください。

  • 貫徹(かんてつ)…主義や主張を最後まで貫き通すこと
  • 大成(たいせい)…長い時間をかけて、完全に成し遂げること
  • 成就(じょうじゅ)…物事を成し遂げること、願いなどがかなうこと
  • 遂行(すいこう)…任務や仕事を最後までやり抜くこと

いずれの言葉も、何かを成し遂げたり完成させたりするという、ポジティブな意味をもっています。

「完遂」の対義語

それでは完遂に対義語には、いったいどのようなものがあるのでしょうか。以下にご紹介します。

  • 頓挫(とんざ)…途中で行き詰ること、遂行できなくなること
  • 翻意(ほんい)…決心をくつがえすこと、変えること

このように完遂の対義語には、「なにか物事の途中で中断してしまう」「途中で打ち切られたり変更する」といった意味があります。

「完遂」と「完了」との違いは?

「完遂」と「完了」という言葉の意味は似ていますが、そのニュアンスには若干の違いがあります。「完了」の意味は「物事を終えること」で、事実をそのまま表現する言葉だといえます。

「完遂」も「最後まで物事をやり遂げること」という意味で似ていますが、「完遂」にはより一層「最後まで諦めずにやりきった」というニュアンスが込められています。

「物事が終わること」を表す完了に対して、完遂は「強い意志や感情でなにかを成し遂げた」という意味を表しています。

  •  「完遂」の正しい読み方と使い方

    「完遂」の類語や対義語を知って、理解を深めましょう

「完遂」の英語表現

完遂は英語で、「accomplishment」や「 completion」と表現し、どちらも物事や計画、仕事などを完成させるという意味があります。例文としては、以下のようなものがあります。

  • accomplish my purpose.(目的を完遂する)
  • complete my assigned task.(割り当てられたタスクを完遂する)

「コンプリートする」という言葉は、日本語でもよく使われる表現ですよね。こちらは完遂という言葉を日本語で理解するよりも、イメージしやすい方も多いでしょう。

  • 「完遂」の類語・対義語・英語表現は?「完了」との違いとは

    完遂という言葉には「最後まで諦めずにやり遂げた」というニュアンスがあります

ビジネスに必要な「完遂力」

ビジネスにおいてよく使われる言葉のひとつに、「完遂能力」というものがあります。社会人にとって、責任を持って仕事を進めていく上でこの完遂能力は非常に重要なスキルになります。

ここからはビジネスシーンにおける「完遂能力」という言葉の意味や使われる場面などについて学んでいきましょう。

「完遂力」とは

完遂能力とはまさに「物事をやり抜く力」、「成し遂げる力」のことです。

任された業務や任務などの物事を最後までしっかりとやり抜く力や、役割をきちんと果たすことで周りに迷惑をかけない力は社会人の必須能力となります。

完遂能力とは業務遂行能力ともいわれ、職場で様々な人と関わりながら責任感を持って仕事を進めていく上で、とても大切なスキルです。チームで効率よく最大の利益を得るためには、どのように仕事を進めていくべきかを考え、分析し判断していく力ともいえます。

「完遂力」が問われるシーンとは

完遂能力という言葉がビジネスシーンで使われる場面としては、主に就職活動や新入社員研修、またマネジメント力の育成段階などがあります。

人事によってその人の能力が評価される際、粘り強く目標に向かって努力できる人や、プレッシャーに押しつぶされず、責任感が強い人、実行力がある人などが完遂能力があるとして判断されます。

社会人にとって、たとえミスをしてしまったとしても与えられた仕事に対して誠意を持って取り組み、努力してミスを挽回できるかどうかが大切になります。最終的なゴールや目的に向かって計画的に粘り強く物事をやり抜く力が、ビジネスシーンにおいて問われる必須の完遂能力です。

  • ビジネスにおいて重要な「完遂能力」とは

    「完遂力」とは、社会人にとって必須である物事を最後までやり抜く力です

「完遂」をビジネスシーンで正しく使おう

「完遂」という言葉は読み方も間違えやすく難しい言葉のひとつですが、ビジネスシーンにおいて使用されることの多い単語です。主に困難な計画や担当する任務、任された仕事などを最後までやり遂げたという意味で使用される言葉になります。

しっかりと意味や読み方を理解して言葉を使うことで、ビジネスにおいても恥をかくことなく正しく物事を捉えることができるようになるでしょう。