自粛期間に女優としての技術を磨き、覚悟を決めて飛び込んだ『エール』と『恋あた』で見事に成果を残した古川。SNS上では「スーちゃんと華ちゃん、同一人物が演じてると思うと凄い」「演技上手すぎて同一人物って全然気づかなかった!」「エールでは娘役、恋あたでは中国人役、演技の振り幅が凄い」などと称賛の声が上がった。

24歳にもかかわらず『エール』では中学生役も違和感なし。そして、『恋あた』では、美しい発音の中国語をマスターして中国人になりきり、「中国人だと思ったら日本人!!」「本場の人みたい」と驚きの声も。

最初に中国人役と聞いたときは、「エッジの効いた役になりそう。いい役どころをいただけた」という気持ちとともに、「セリフではどう表現したら良いだろう」と言葉に対する不安が少しあったという。

古川は大学時代に英語劇のサークルに入っており、「口の形や音やイントネーションを覚えて、そのあとに感情を乗せるというプロセスを学んでいました」とその経験が生かされたものの、中国語の発音に苦労。本作にプロデューサーとして参加している中国人の黎景怡氏に教えてもらったそうで、「中国語のセリフをボイスメモで録ってもらって、ピンイン(中国語の発音表記)を台本に書いてもらって、見ながら聞いて練習し、黎さんに自分の発音を聞いてもらってOKが出るまで練習しました」と振り返る。

「まさか中国語をそこまでちゃんとやると思っていなかった」という古川だが、「中国人とわかってもらえる大事なポイントだったのでそこは徹底的にやろうと思って」と、中国語の練習に力を入れた。

もともと少し個性的な話し方と言われることが多いようで、「スー役にはうまくフィットしているのかなと思います。ただ、作品によると思うので、作品にあわせられるようにしっかりお芝居でカバーしていきたいと考えています」と話した。

言葉以外は特に意識せず、すんなりと役に入り込めたという。「ヘアメイクと衣装とセリフとコンビニの仲間の関係性に助けられ、それに頼りながらスーのキャラクターが自然にできた印象があります。クランクインの日に初めてスーの完成形を見て、コンビニメンバーがそろったときの空気感を見て、カチッとハマったというか、こういう子なんだなとわかった瞬間がありました」

そして、現場ではカメラが回っていても回っていなくても自然とスーの感覚に。突拍子もないことを言う感じやイケイケな感じが出ることがあるそうで、「ずっとその空気感の中にいて、そのまま本番に入れています」と説明。ちなみに、スーのキャラは「自分の明るい部分を凝縮させた感じ」とのことだ。