意外と忘れてしまいがちな敬語表現。特にビジネスシーンでは、正しい言葉を使いたいものです。本記事では、「帰る」の謙譲語について、言い方や活用シーンを例文を解説していきます。

「帰る」の謙譲語とは

「帰る」の謙譲語は、「失礼する」「お暇(いとま)する」などです。謙譲語は、相手より一歩下がった立場で使う敬語であり、自分より目上の人に対して、自分が帰るという意志を伝えるときに使います。

  • 「帰る」の謙譲語は、「失礼する」など

    「帰る」の謙譲語は、「失礼する」など

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もっと詳しく : 敬語表現(尊敬語・謙譲語・丁寧語)活用表

「失礼する」の使い方

「失礼する」は、「帰る」の謙譲語として話し言葉で使われる表現です。退社する際の挨拶として用いられることが多く、「お先に失礼します、お疲れさまでした」といった使われ方をします。また、電話対応で「〇〇はすでに失礼しておりまして……」と、通話相手に丁寧な口調で同僚の退社を伝えることもできます。

「お暇する」の使い方

「お暇する」は、「帰る」の謙譲語として話し言葉で使われる表現です。「暇(ひま、いとま)」には、「用事のない時間・ひま」や、「一時的に休むこと・休暇」などのほかに、「立ち去る」や「辞去する」、またはその挨拶という意味があり、「お暇する」はそれを踏まえた表現となります。

「帰る」という意味で「お暇する」という言葉を使うときは、「すっかり長居をしてしまいました。そろそろお暇します」といったかたちで使用します。

「帰る」の謙譲語を使う場面と例文

ビジネスシーンで「帰る」の謙譲語を使う場面・例文を紹介します。

  • 電話対応時、帰宅した同僚への取次ぎを依頼された場合

「たいへん申し訳ございません、〇〇(同僚の名前)はすでに失礼しております」

  • 上司に対して、先に退社する旨を伝える場合

「お先に失礼します。本日もお疲れさまでした」

  • 飲み会の場で、先に帰宅することを上司やクライアントに伝える場合

「すっかり長居をしてしまいました。そろそろお暇します」

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「帰る」の謙譲語としては、主に「失礼する」「お暇する」が挙げられます。言葉の適切な敬語表現をマスターし、ビジネスシーンで正しく使えるようにしましょう。