今年の夏のボーナス、使い道は決まっていますか? 

今年は例年と違い、新型コロナウイルスの影響で支給額が減った、あるいはボーナス自体がなくなったなど、厳しい状況となっているようです。また、支給額は変わらなかったという人も、使い道については、慎重になる人が多いと思います。

そこで、ボーナスはどのように使ったらいいのか、FPの立場からアドバイスをしたいと思います。

  • ボーナスを賢く使うには?

    ボーナスを賢く使うには?

ボーナスをもらったら何に使う?

マイナビニュース会員804人に行った「今年の夏のボーナス」についてのアンケート調査(※)によると、使い道についての質問では、1位 : 未定(38.6%)、2位 : 預貯金(37.3%)、3位 : 生活費の補填(23.2%)、4位 : 趣味・娯楽費(15.5%)、5位 : レジャー費(14.8%)という結果になりました。

※調査時期: 2020年6月2日、調査対象: マイナビニュース会員(会社員)、調査数: 804人、調査方法: インターネットログイン式アンケート

  • 今年の夏のボーナスは何に使う予定ですか?

    今年の夏のボーナスは何に使う予定ですか?

ちなみに、去年のアンケートでは、1位 : 預貯金(62.2%)、2位 : 旅行に行く(28.7%)、3位 : 趣味にお金をかける(23.9%)となっており、今年はお金の使い方に慎重になっている向きと、去年にはなかった「生活費の補填」という項目がコロナの影響を強く感じさせます。

それでも毎年、どのようなアンケートでも上位にくるのは「預貯金」です。使い道が決まってないので、とりあえず貯金という人も多いでしょう。

この預貯金には罠があって、いつでも引き出せる普通預金に入れて、貯金した気になってしまうケースです。いつの間にか、何に使ったのか分からないまま、なくなってしまったというのは、ボーナスの使い方としては非常に拙いですね。

そこで、簡単に引き出せない定期預金や財形貯蓄、普通預金にしても生活費で使っている口座とは別の口座にすることで、本当の貯金ができます。しかし、ボーナスを全部貯金してしまうのも人によっては間違いです。

使い道の割合を考える

生活に余裕がない人が、ボーナス全部を定期預金にしてしまったら、手元のお金がなくなります。毎月の生活費の半年分は、普通預金や現金などで持っていましょう。生活費が15万円の人であれば、90万円ほど、20万円の人であれば、120万円ほどです。この金額は“最低でも”といった意味合いです。

まずは、この金額を補填することに使って、残りを簡単に下ろせない貯金や、趣味、レジャーなどに割り振ります。この貯蓄と好きに使えるお金の比率は個々の自由ですが、少なくとも半分は貯蓄に回すことを心掛けてみてください。

おすすめの割合を、円グラフで表してみました。

  • ボーナスの使い道、おすすめの割合

    ボーナスの使い道、おすすめの割合

目的のある貯蓄というのは、将来の使い道が決まっている貯蓄を言います。たとえば、老後資金や子どもの教育費などです。何年後にいくら必要か、目標を定めて貯蓄するため、簡単には引き出せない形で貯蓄することが重要です。ボーナスの半分はこの目的のある貯蓄に回すことができれば理想的です。

次に、4分の1を目的のない貯蓄にします。これは、使い道は特に決まっていないけれども、不意にまとまったお金が必要となった時に対処できるように貯めておくお金です。大型家電が壊れた、車の買い替えをするなど、老後資金や教育資金に手を出さずに済ますためにも、目的のない貯蓄はコツコツと貯めておきたいものです。

最後に、残りの4分の1を好きに使いましょう。仮にボーナスが40万円であったら、10万円は好きに使えるということです。旅行に行ったり、趣味に費やしたり、服を買ったり……、考えるだけで楽しくなると思います。たとえば、旅行を計画して、予算として足りなかった場合には、目的のない貯蓄分を減らして工面しましょう。

一方で、このコロナ禍でお金を好きに使うことに罪悪感や不安を覚える人もいるかもしれません。そうした人は貯蓄に回してもいいと思います。それも含めて「好きに使う」です。ただ、お金を使うことに罪悪感を覚える必要はないと思います。経済を回すことで助かる人がたくさんいます。

まとめ

ボーナスはあくまでも賃金の割増分、特別手当と考えてください。普段の生活のやりくりにおいて、ボーナスを当てにした返済計画や教育費の積み立てはおすすめしません。そこさえ守れていれば、ボーナスはどのように使ってもいいと思います。

ただ、あるとついつい使ってしまう人、貯蓄一辺倒で生活を楽しめていない人などは、使い道を事前に決めてみることで、有効にボーナスを活用できるかもしれません。あなたが頑張って働いた結果のボーナスです。ご褒美と生活の安定のために大切に使いたいですね。