三井住友信託銀行は5月26日、iDeCoとNISAに関するアンケート調査の結果を発表した。調査は2026年1月、全国の18~69歳11,135名を対象にインターネットで行われた。

資産形成に取り組んでいる人はおよそ6割

約1万人全体に「資産形成に向けて取り組んでいるもの」を聴取したところ、「資産形成に向けてやっているものはない」回答が43.3%だった。裏を返せば、56.7%が何かしらの資産形成を行っていることになる。

資産形成に最も利用されているのは円貨の預貯金(44.2%)、次いで投資信託(16.3%)、持株会以外の株式投資(12.5%)となった。

  • 資産形成に向けて取り組んでいるもの ※定期・不定期問わない

    資産形成に向けて取り組んでいるもの ※定期・不定期問わない

税制優遇制度は、およそ4人に1人が利用

続いて、資産形成に関する税制優遇制度の代表格である、DC制度(企業型DC、個人型DC(iDeCo))やNISA制度の利用状況を確認した。

NISA、DCを利用している割合は27.0%となり、およそ4人に1人の割合であることが分かった。制度別では、DCが13.5%、NISAが22.3%となっており、NISAによる資産形成実践者が相対的に多いことが分かる。

また、DCとNISAを両立している人は全体の8.7%となった。

  • DC・NISAの利用状況・両立状況

    DC・NISAの利用状況・両立状況

本人年収ごとに利用状況を分析すると、年収が上がるにつれて制度両立割合も大幅に上がり、年収1,000万円以上では3割以上が両立していることが分かる。特に、NISAのみの利用割合はそこまで変化が無いものの、DCの利用割合は年収の上昇に伴い顕著に上がっている。

  • 本人年収別 DC・NISAの利用状況・両立状況

    本人年収別 DC・NISAの利用状況・両立状況

制度の利用・両立状況は、どのように変化したのか。

2024年から3カ年の調査データを比較したところ、多くの年代で未利用者が減少しており、税制優遇制度を活用した資産形成が進んでいることが分かる。特に「DC・NISA両立」の割合は、60代を除くどの年代でも増えている点が特徴だ。

  • DC・NISA利用者割合の時系列比較(2024年-2026年)

    DC・NISA利用者割合の時系列比較(2024年-2026年)

DC利用者は約6割がNISAも利用

DCを利用している人・利用していない人のNISA利用率を確認した。特にDCは、会社が運営する企業型DCと、個人で加入するiDeCoがあり、加入の動機や利用の自由度なども異なることから、「企業型DC・iDeCoのいずれか加入」「企業型DCに加入」「iDeCoに加入」の3ケースで比較した。

すると、DC非加入者(左上)のNISA利用割合が15.7%にとどまるのに対し、企業型DCまたはiDeCo加入者(左下)は64.7%がNISAも利用していた。また、会社の制度である企業型DCのみ加入者(右上)では、約5割がNISAを利用、自ら能動的に申し込むiDeCo利用者(右下)では約7割と更に高いことが分かった。

企業型DCのみ加入者は、18-29歳で最もNISA利用率が高く7割超となった。一方で、iDeCoのみ加入者は30代で8割超となった。

  • DC/iDeCoの加入状況別、NISA利用状況

    DC/iDeCoの加入状況別、NISA利用状況

NISA利用者のiDeCo関心も若年層で半数強

続いて、NISAを利用している人のDC利用率や利用意向を確認した。なお、企業型DCは会社が用意している制度であるため、自ら申し込むiDeCoに関する利用率・利用意向を分析している。

NISAを利用していない人のiDeCo利用率は2.4%にとどまるのに対し、NISA利用者のiDeCo利用率は25.8%と、10倍以上の差となった。

年代別では、NISAを利用している30-50代はiDeCoの利用が3割を超えた。一方で、利用意向まで含めると、18-29歳では過半が「iDeCo利用済」もしくは「iDeCo利用意向あり」となった。iDeCoは所得控除などの税制優遇があるものの、60歳まで途中引き出しができない制度である。資産を引き出す自由度が低いため、若年層の利用率は低いものの、iDeCoにも相応の関心があることは伺える。

  • NISA利用者のiDeCo利用意向

    NISA利用者のiDeCo利用意向

iDeCoとNISAの両立状況を4象限で整理すると、NISAのみ利用が16.5%、iDeCoのみ利用が1.9%、両方利用が5.8%となった。

片方のみ利用している層における両立意向を分析すると、NISAのみ利用している層におけるiDeCoの利用意向は約2割だが、iDeCoのみ利用している層におけるNISAの利用意向は約4割と旺盛な結果となった。

  • NISA・iDeCoの利用意向マトリクス

    NISA・iDeCoの利用意向マトリクス