ガラス最大手のAGCと交通電業社は、京阪電気鉄道3000系「プレミアムカー」(2021年1月から運行開始予定)の行先表示機として、AGCのガラスサイネージ「infoverre Windowシリーズ Bar タイプ」が採用されたと発表した。

  • 京阪電気鉄道3000系「プレミアムカー」行先表示機

「infoverre Windowシリーズ Bar タイプ」は、複層ガラスの中空層内に液晶ディスプレイを配置した製品で、AGCの複層ガラス製造技術と液晶ディスプレイを制御する交通電業社の技術を組み合わせた。

従来の液晶ディスプレイは厚みがあるため、複層ガラスの中に入れることが不可能だったが、独自の長距離画像伝送技術を用いて制御機能の一部を外部に配置することにより、制御基板を小型化。総厚26mmの複層ガラス内の16mmしかない空間に小型化した制御基板と行先表示器を配置し、省スペース化に成功した。

  • 「infoverre Windowシリーズ Bar タイプ」構造図

これにより、複層ガラスの内側に液晶ディスプレイを設置した場合と比べて、外から見たときに反射が少なく、優れた視認性を実現している。複層ガラスの省エネ・結露防止性能を損うこともなく、車両側面の窓と一体化した車外向け行先表示器としては世界初の実車採用になるという。