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2019年1月より放送されたTVアニメ『ソードアート・オンラインアリシゼーション』のEDテーマ「forget-me-not」や挿入歌「虹の彼方に」を担当するアーティスト・ReoNaが、2019年8月28日(水)に3rdシングル「Null (ヌル)」をリリースする。

2018年4月から放送されたTVアニメ『ソードアート・オンラインオルタナティブガンゲイル・オンライン』では、劇中アーティスト「神崎エルザ」の歌唱を担当。「神崎エルザ starring ReoNa」としてアニソンアーティストとしてのキャリアをスタートし、その後ReoNaとしてソロデビュー、TVアニメ『ハッピーシュガーライフ』や『ソードアート・オンラインアリシゼーション』のEDテーマを担当し、絶望系アニソンシンガーとして、唯一無二の世界観を築き上げている。

そんなReoNaが、ソロデビュー一周年を目前に、3rdシングル「Null」をリリース。本作は、ReoNaがデビュー前に歌い紡いできたオリジナル楽曲やカバー楽曲、未発表の楽曲を収録した、インディーズベストとも呼べる、ReoNaがアーティストとして〝ステージに立つ道を選んだ原点〟を記す1枚となっている。

そこで今回は、3rdシングル「Null」の発売を前に、ReoNa自身が語ったメッセージを紹介しよう。

●ReoNaが語る3rdシングル「Null」

――8月28日に3rdシングル「Null」がリリースされます

ReoNa

発売日の翌日、8月29日でちょうどデビューから一周年になるので、このタイミングで、自分自身の原点をあらためて紐解くという意味で、ノンタイアップのシングルを出すことになりました。

――一周年を迎えるにあたって、あらためて振り返ってみるわけですね

デビューしてから一年の間に、たくさんの方との出会いがあり、その中で私、ReoNaのことを知っていただいた方、例えばインタビュー記事などを読んで、絶望系アニソンシンガーとしてダークな部分を歌っているアーティストがいるということを知っていただいた方はもちろん、これから出会う誰かに向けても、「ReoNaというのはこういう人です」ということを示せるもの、あらためて絶望系の原点を知ってもらえるものを作りたいと思いました。

――ReoNaさんの名刺代わりのシングルみたいな感じでしょうか

そうですね。たとえば「怪物の詩」は、それこそデビュー前、インディーズの頃から歌ってきている楽曲なのですが、これまでにも何度かCDにしようかというタイミングがありました。でも、そこじゃない。じゃあ、どこで出す?そんなことを考えていた時に、ちょうど自分の原点を紐解くという形でCDを作ることになり、まさにこのタイミングだって思ったんです。これまでライブでしか歌ってこなかった楽曲を形にしてお届けできる最高の機会になったんじゃないかと思います。

――デビュー前から歌っていた楽曲をレコーディングする際に、あらためて感じたことはありますか?

いろいろなところで歌ってきた、本当にいろいろな思い出のある楽曲なのですが、Dメロの終わりの「その全てが僕」という歌詞は、歌い始めたときよりも、言葉の持つ重みがかなり変化してきたイメージがあります。自分にとって、最初のオリジナルの楽曲だったので、本当に借りモノのような感覚で、どのように表現すれば良いのかがわからなくて、自分自身の言葉として歌うのにかなり悩んだところでもありました。しかし、時間が経つに連れて、自分の中にどんどん馴染んでいって、今では、胸を張ってこれは私のお歌ですと言えるようになりました。

――かなりダークな歌詞ですが、最初に歌った時はどれくらい受け入れられましたか?

最初から、ものすごく共感できるし、自分自身に寄り添ってくれる楽曲だと思ってはいたのですが、それを自分自身の歌として表現する際、ここまで弱みを吐露するような歌詞を歌うということに、抵抗とはまた違うのですが、本当にどうしたら良いのかと悩みましたし、聴いてくれる方には、私の言葉として届くので、すごく責任のようなものを感じました。

――歌っていく中で、特に自分自身にあっていると思った部分はどのあたりですか?

「愛をもっと」という歌詞が印象的にリフレインされる楽曲なのですが、最初の頃はそこまで深く考えずに歌っていたんです。でも、「愛」という実体のないものに濁してはいるけれども、はたして本当に自分が欲しているものはなんだろう?ReoNaとして歌うことによって、伝えたいモノ、届けたいモノはなんだろうって、少しずつですが重点的に考えるようになった結果、自分にとっての「愛」は、誰かからの〝共感〟だったり、〝肯定〟だったり、自分自身を受けて入れてくれるモノや場所が、私にとっての「愛」だと感じて、それまでよりも深く自分を重ねられるようになりました。

――ReoNaさんの思い、そして感情がかなり強く込められているんですね

でも、Bメロでは「感情はとうに僕の手を離れて~」って歌っているんです。根底の部分では、途方にくれている感じがあって、自分自身を客観視している自分がいたり、何か諦めを感じている自分がいたりする。そこをどのように表現したらいいんだろうって。嘆いて、苦しんで、傷つけて、壊して、蓋をして……その全てが僕と言った後に、それでも感情は離れていく。そのあたりの陰影のようなもの、そこに込めた情景や想いが、受け取ってくださった方にはっきりと届けばいいなと思って歌っています。

――これだけの感情表現が入り込んだ楽曲だと、歌うときの気分や日時によっても変わってくるところがあるのではないでしょうか?

先日、アコースティックライブでもこの曲を歌わせていただいたのですが、きっとその時に初めて聴いた方が、あらためて今回の音源を聴くと、まったく違った印象を受けるんじゃないかと思います。その日の気分だけでなく、直前に歌った楽曲の気持ちをそのまま引きずってしまうこともあります。「今日も歌うよ」というフレーズがあるのですが、まさに、その時の〝今日〟に応じて全然変わったりしていると思います。