――3曲目には『ブレイブストーリー』の主題歌「決意の朝」をカバーしていますが、なぜこの楽曲をチョイスしたのですか?

ワンマンライブで歌うカバー曲を選んでいる時、『ブレイブストーリー』の主題歌ってすごくいい歌だったなって思ったのが最初のきっかけです。どんな歌の言葉を借りようかと思った時、「辛い時辛いと言えたらいいのになぁ」という歌詞が頭に浮かんで……。それで、あらためて歌詞を読み返してみると、それ以外の部分もすごく共感できたので、ぜひこのお歌を歌わせていただきたいと思いました。それ以降は、必ずと言っていいくらいライブでは歌い続けています。

――特に自分と重なる部分は?

サビ頭の2行は特に強いメッセージになっていて、「僕達は強がって笑う弱虫だ」ってありますが、やはり自分の弱みを弱みだといってさらけ出せる人が一番強いのではないかと思っています。どうしてもリアルタイムな弱点はみんな隠すじゃないですか。すごく辛いことがあっても、他人から「大丈夫?」って心配されたら、どうしても「大丈夫だよ」って言ってしまうと思うんです。本当に弱い部分だからこそ、他人に触れられたくない。でもそれを抱え込んで押し殺してしまうのではなく、「辛い時 辛いと言えたらいいのになぁ」というのは、自分自身がずっと感じてきたこととすごく重なっていると思います。

――辛い時に辛いってなかなか言えないですよね

「実はあの時辛かったんです」というのが一番多いと思うんです。今、これが辛いというのは、どうしても隠してしまう。でも、それを隠して隠して我慢してしまう人に対しては、そんなに強がらなくてもいいんだよって言ってあげたい。その我慢は優しさだったりもするじゃないですか。辛いことを共有するということは、相手にも辛さを背負わせてしまうことになるので。そもそも、言えたら言ってるという話でもあって。なかなか言えないからこそ、この歌詞が何か腑に落ちるんだと思います。誰かが代わりに言語化してくれているのを見て、自分だけじゃないんだと思えるわけですし。結局、弱いからこそ強がるんですよ。でも、その弱さをリアルタイムでさらけ出せるのはすごく強いことなんじゃないかなって思います。

――この曲もReoNaさんの原点として歌い続けていくことになるわけですね

ただのカバーで終わらせられないくらい、すごく大切な曲になってきていると思います。今後、Aqua Timezさんのライブで実際に聴くことはできないかもしれないので、一度は観ておきたかったなと思いながら、本当に大好きな楽曲なので、引き継ぐなんて言うのはおこがましい話ではありますが、私が歌い続けることによって、この楽曲に触れるきっかけになればいいなと思っています。

――3rdシングル「Null」の限定盤には、「怪物の詩」のほかに、2ndシングルに収録された「トウシンダイ」のミュージックビデオも収録されます

「トウシンダイ」も、デビュー前から歌ってきた楽曲のひとつで、ある意味「Lotus」の前身になるような楽曲です。メロディ自体は一見、明るいというか、あまり重苦しいものではないのですが、よくよく歌詞を紐解いてみると、希望を抱いて投身自殺をした少女の話になっていて……。でも、あまり深く考えなければ、卒業するのかな?くらいにも受け取れてしまう。誰かから見ると絶望かもしれないものが、受け取る人によっては希望にも変わる。そういう意味でも、私の根本を作ってきてくれた楽曲のひとつなので、今回あらためてミュージックビデオを作らせていただくことになりました。

――どのようなイメージで映像制作に取り組んだのですか?

基本的には監督さんの描きたいものを描いていただいたのですが、そこから最終型にするまでのところで、私も制作の現場に同行させていただきました。ちょうど、歌詞の字幕を入れるところですね。縦書きがいいか横書きがいいか、出し方や切り方などを、皆さんとお話しながら作らせていただきました。3行くらい歌詞が出るミュージックビデオってあまりイメージになかったのですが、実際に出来上がってみると、すごくいい感じに仕上がっていて。考えてもらいたい、受け取ってもらいたい言葉が、長く文字として残ることで、ミュージックビデオでありながら、リリックビデオのような、すごく楽曲の世界に浸れる映像になったのではないかと思います。

●ReoNa 『トウシンダイ』-Music Video YouTube EDIT ver.-