現在公開中の映画『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』『騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!』の大ヒットを祝し、「大ヒット御礼舞台あいさつ」が6日、東京・新宿バルト9にて開催された。夏休み真っ只中ということもあり、元気な子どもたちの歓声が聞こえる中、『仮面ライダージオウ』の主役・常磐ソウゴを演じる奥野壮と『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のリュウソウレッド/コウ役を演じる一ノ瀬颯がステージに現れ、つめかけた多くのファンたちに感謝の言葉を述べた。

  • Wヒーローを応援するポンポンを手にした観客たちと共にポーズを取る奥野壮(左)と一ノ瀬颯(右)

7月26日より公開された本作は、8月6日時点で動員50万人を突破する大ヒットを記録。今回は応援してくれたファンの方々への感謝の気持ちを込め「W(ダブル)ヒーロー感謝祭」と銘打って、『仮面ライダージオウ』から奥野壮、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』から一ノ瀬颯が舞台あいさつに登場した。

奥野は元気いっぱいに「宇宙行くーーッ!!」と仮面ライダーフォーゼ(仮面ライダージオウ フォーゼアーマー)の決めゼリフをもじってあいさつ。一ノ瀬はリュウソウレッドの決めゼリフ「俺たちの騎士道、見せてやる!」をカッコよく叫んだあと、満面の笑みで客席の声援に応えた。

MCを務める寺迫麿より、今回の映画を何回観た?という観客への問いかけが行われると、1回、2回はもちろんのこと、3回、5回、6回とリピート鑑賞をしてくれた熱心なファンが手を挙げ、奥野、一ノ瀬を驚かせた。大ヒットの感想を聞かれた奥野は「僕たちが一生懸命になって作った作品が、たくさんの方たちに観ていただけるのはありがたいこと」と、改めてファンの思いに感謝を述べた。一ノ瀬は「感謝を超えた、超・感謝です! みなさんの応援がなければ作品自体が成り立たないですし、応援していただいたおかげでこの場に立ててうれしい」と、自身の喜びを素直に表していた。

映画大ヒットの反響はあったか?という質問に対して奥野は「母親から『映画観たよ。これからもう一回観に行くよ』というメールが来ました。さらに『この1年間で成長した壮の姿を、画面を通して観ることができてうれしい』という言葉もあり、それが自分にとってもすごくうれしかった。いちばん感謝すべき人に、成長した自分を見せられてよかったです」と、母親から寄せられたメッセージを明かして笑顔をのぞかせた。一ノ瀬のほうは「SNSをエゴサーチしてみると、映画がよかったと言ってくださる方がたくさんいました。映画をご覧になったのがきっかけで『リュウソウジャー』のテレビシリーズを観てみようか、と思ってくださった方もいて、そんな言葉がとてもうれしかった」と、映画での自身の熱演にかなりの反響があったことを笑顔で語った。

2人は仲間と共に全国各地の劇場を舞台あいさつで回り、実際に映画を観ているファンたちのリアクションを生で感じ取っていた。これについて一ノ瀬は「泣きそうになるくらい感激しました」とピュアな感想を述べると、奥野から「本当に泣きそうになった?」とイジワルなツッコミが。それでも一ノ瀬は明るく「泣きそうだよ!」と返して、ファンたちの応援に自身の心が震わされたことを強調していた。

奥野にとって常磐ソウゴ、一ノ瀬にとってコウは、それぞれ役者になって初めて演じた役柄だという。奥野はソウゴを演じたことについて「自分にとって大きな存在だというのは、これから先もずっと変わらない。ソウゴという役は本当に難しくて、演じながらソウゴの言動が理解できなかったりすることがたくさんあった。しかし、どうソウゴを演じようか"悩んだ"時間はとても価値があると思うし、これからの役者人生を続けるにあたって、よい土台ができたのではないか」と言い、常磐ソウゴという役を経験して、今後役者としてさまざまな役を演じることの自信や意欲につながったと目を輝かせながら語った。

一ノ瀬は「今の僕にとって、コウが自分自身だと思っています。僕はすごく緊張するタイプで、人前に出るとうまくしゃべることができないところがありましたが、コウという役を演じていくうち、ポジティブになり、みんなの前でも明るくしゃべるようになるなど、自分を成長させてくれる存在としてコウを大切に思っています」と、常に明るく前向きなコウというキャラクターを演じて、自身の性格もどんどん影響されていったことを明かした。

ここで、奥野、一ノ瀬も知らないうちにそれぞれの共演者たちからコメントを取り、それを映像としてスクリーンに流す、というサプライズコーナーに突入。事前に何も知らされていなかった奥野と一ノ瀬は仲間たちのぶっちゃけトークがいきなり始まったことで、激しくあわてながらもひとつひとつのコメントを楽しそうに、ときおりツッコミを入れながら聴いていた。

まず『仮面ライダージオウ』から、仮面ライダーゲイツ/明光院ゲイツ役・押田岳、ツクヨミ役・大幡しえり、仮面ライダーウォズ/ウォズ役・渡邊圭祐がスクリーンに登場。まずは「(奥野との)初対面の印象」をテーマにトークが始まった。押田は「(奥野は)ジュノンボーイの後輩なわけですよ。だからライバル視はあったかな」。大幡は「最初会ったときは年上だと思っていたんですけど、17歳だと知ったとき『えっ、2歳も下なの!?』と驚いた。それだけ大人っぽい人」。渡邊は「背筋がすごく伸びた、いじりがいのない好青年でした(笑)」と、1年前となる奥野への初見の印象を語った。

続いて『騎士竜戦隊リュウソウジャー』からはリュウソウブルー/メルト役・綱啓永、リュウソウピンク/アスナ役・尾碕真花、リュウソウグリーン/トワ役・小原唯和、リュウソウブラック/バンバ役・岸田タツヤ、リュウソウゴールド/カナロ役・兵頭功海がスクリーンに登場した。こちらも一ノ瀬との「初対面の印象」がテーマとなり、まずは追加戦士の兵頭が「コウのイメージが強くて、最初は明るくてガツガツ他人のフィールドに入ってくる人かなと思っていたら真逆で、コウとのギャップを感じた」。尾碕は「あっ、イケメンの人だ(笑)。顔がきれいだなあと」。小原は「僕も緊張してあまりしゃべらないタイプなので、同じ"匂い"がするなと思いました(笑)」。岸田は「みなさんの前にいる颯がまさにいつもの颯です。もう、緊張でガッチガチでしょう(笑)。とてもまっすぐな男で、生まれもってレッドのDNAが入っている」と、およそ半年前となる一ノ瀬との出会いの印象を話した。

仲間たちのコメントを聞いた直後の奥野と一ノ瀬はしきりに照れながら、共演者との第一印象でいちばんインパクトのあった人物について語った。奥野はタイムジャッカーのウール役・板垣李光人と最初に出会ったときのことを回想し「衝撃的でしたね。女の子? 男の子?と失礼ながら聞きましたから。それで『男です』と言われて……『かわいいなあお前!』と(笑)」と、板垣の美少年ぶりにたいそう驚いたことを明かした。一ノ瀬は「みんな個性豊かで面白いメンバーだと思いました。特にピンクの(尾碕)真花が印象的で、最初の顔合わせのときみんな緊張してガチガチだったのに、真花だけ片手にハッピーターンを持って入ってきて"すごいな!"と思いました」と、尾碕の堂々としたキャラクターに圧倒されたことを打ち明けた。

続いて、奥野、一ノ瀬それぞれの「直してほしいところ」というテーマでは、渡邊が奥野の「(一度寝たら)とにかく起きない」という部分を挙げて「ロケバスで寝てたりしていると、押田くんの場合なら肩を3回くらいゆすったら起きてくれますけど、壮の場合は『おい、撮影始まるよ、呼ばれたよ、壮! 壮!』って体をゆすっても鼻をつまんでも、起きない(笑)」と、奥野の睡眠の深さを指摘。大幡も「起こさない日はないよね。誰かが」と念を押した。渡邊は「これからは1人でも起きるようにしてほしい」と、『ジオウ』が終わった後の奥野の俳優生活のことを心配するかのようなコメントを飛ばすと、奥野から苦笑まじりに「うるさいよ!」と大きな声が返ってきた。

綱は一ノ瀬の直してほしいところとして「声が小さすぎる」という部分を挙げ「聞こえなくて『ん?』となり、聞きなおすとまた小さい声なんです。3回目くらいでやっと大きくなる」と話すと、尾碕が続けて「しかも(何度も言い直すわりには)内容も大したことない。今日の朝ごはん……みたいな話(笑)」と、声が小さいゆえの"伝わりにくさ"を改善してほしいと語った。兵頭も「独り言なのか会話なのかがわからない」と、一ノ瀬がときどき発する"ボヤキ"のような言葉に戸惑っているという、知られざるエピソードを明かした。これを聴いた一ノ瀬は「声小さいです……」と事実を認め、ひたすら照れていた。

最後のテーマは「さすが主演だなと思う事」。押田からは「他人を巻き込む力がすごくあるんじゃないですかね。レジェンドの方たちが戻って(出演して)くれるのは、壮が主演でいて『ジオウ』という作品だったら戻りたいな、と思ってくださっているわけですから。壮のために何かしてあげたい、という力を持っているのは主演にふさわしいと思います」と、奥野の"人間的魅力"の大きさを挙げた。大幡は「『ジオウ』で初めてテレビの撮影を経験したはずなのに、物怖じしない、いつも堂々としているのがすごい。毎回驚かされます」と、奥野の度胸の良さに感心するようすを見せた。

渡邊は「王様っぷりがすごく感じられるところがあって、やっぱりジオウだったな、と気づかされます。最初は普通の高校生という設定しか知らず、単純に好青年だと思っていたら……やっぱりプロデューサーさんはすごいですね。王たる何かを彼から感じ取っていたんでしょう。これからも一緒に頑張っていきましょう!」と、奥野が自身の役と共に大きく成長しているのを実感するようなコメントを残した。最後には、3人が声をそろえて奥野を応援するか……と思わせておいて、「一ノ瀬くん頑張って!」となぜか一ノ瀬を応援する声でシメてみせ、奥野を仰天させた。奥野は「犯人は渡邊圭祐ですね(笑)」と、最後のイタズラを渡邊が仕掛けたと推理しながら「1年間ずっと一緒に頑張ってきた仲間なので、これから先もずっと仲良くしていきたいと思っています」と、押田、大幡、渡邊に対して改めて感謝の気持ちを表し、今後も変わらぬ仲間として接していきたいと語った。

兵頭は一ノ瀬について「たくさんの人に支えられている颯の姿を見て"主演だな"と思った」。尾碕は「映画を観て"颯がレッドで良かったな"と感じた。観終わった後、本人に伝えたかったけれど恥ずかしくて言えなかったので、ここを通して言いたい。コウとしてみんなを引っ張ってくれてありがとう!」と、レッドとして中心に立つ一ノ瀬のひたむきな姿に仲間たちがよい影響を受けていることを明かし、一ノ瀬と共に今後も頑張っていこうと全員でエールを贈った。

最後のあいさつで一ノ瀬は「たくさんの方たちの応援なくして映画は成り立ちません。これからもどうか『ジオウ』と『リュウソウジャー』を愛していただければうれしいです!」とはつらつとした笑顔で語り、奥野は「『ジオウ』1年間の集大成といえる映画をたくさんの人に観ていただき、それが"大ヒット"という結果として表れているのは本当にうれしく、感謝してもしきれません。映画がもっともっとたくさんの人たちに観ていただければと思います。テレビのほうは残りあとわずかのエピソードとなりました。"最高のラスト"が待っていますので、観ていただけたらありがたいです!」と、いよいよ『仮面ライダージオウ』テレビシリーズが最終回を迎えることに触れて、残りのエピソードを1話たりとも見逃さないよう注目を強く呼びかけた。