関西の鉄道事業者18社局は18日、列車の運転見合わせ時に実施する鉄道事業者間の振替輸送をよりスムーズに利用できるように、3月16日以降の振替輸送実施時から利用方法を変更すると発表した。

  • 関西の鉄道事業者18社局が振替輸送の制度を変更

おもな変更内容として、「振替輸送の乗換駅を拡大する」「振替乗車票の配布を省略する」「改札入場後のICカード乗車券を振替輸送の対象外にする」の3つが発表されている。

振替輸送の乗換駅拡大では、現在は事前に各事業者間で定めた特定の乗換駅のみを利用しているが、今後は振替乗車の対象となる乗車券の区間内であれば、利用者が乗換駅を任意に選択することが可能となる。ただし、振替乗車票の配布を省略する場合に限り、振替乗車票を配布する場合はこれまで通りの取扱いとなる。

振替乗車票の配布省略では、現在は振替輸送を利用する駅の改札口で振替乗車票を受け取って利用しているが、今後はこれを省略し、振替輸送の対象となる乗車券の提示により利用可能となる。ただし、バスなどとの振替輸送および近畿日本鉄道の東海エリアでの振替輸送については、これまで通り振替乗車票を配布する。

改札入場後のICカード乗車券に関しては、現在は振替輸送の対象としているが、今後は対象外となる。ICカード乗車券は、券面で改札の入場後か確認できないことから、運転見合わせとなった駅で出場する際に「ICカード乗車券使用証明書」を発行し、当日または後日に運賃の支払いが必要になるなど、煩雑な手続きを要していた。今後、ICカード乗車券の利用者はさらに増加すると見込まれ、これまで以上に多くの利用者が不便な思いをすることが想定されるため、改札入場後のICカード乗車券については振替輸送の対象外とし、それによりスムーズな案内ができるようにするという。

運賃の精算については、現在、改札入場後のICカード乗車券で振替輸送を行う場合の具体的な手続きとして、利用者が「ICカード乗車券使用証明書」を運転見合わせとなった駅で受け取り、当日または後日にICカード乗車券の精算処理を行い、「本来乗車する予定であった区間の運賃」を支払っていた。今後は振替輸送ではなく、「運転見合わせとなった鉄道事業者で実際に乗車した区間の運賃」「その後に乗車した鉄道事業者で実際に乗車した区間の運賃」を支払うことになる。

今回、近江鉄道、大阪高速鉄道、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)、北大阪急行電鉄、京都市交通局、近畿日本鉄道、京阪電気鉄道、神戸市交通局、神戸新交通、神戸電鉄、山陽電気鉄道、泉北高速鉄道、南海電気鉄道、JR西日本、阪堺電気軌道、阪急電鉄、阪神電気鉄道、北神急行電鉄の鉄道事業者18社局により発表された。