▼遠回りを経て掴んだ夢への想いを、爆発させる1曲

さて、YURiKA同様わかり手の皆様は何も説明しなくてもこの3曲の並びだけで裏テーマまでおわかりだろう。そう、これらはすべてKey関連楽曲。歌唱後にはYURiKAもそれを喜々として語るが、気づけばバンドメンバーは全員「時を刻む唄」後奏で降壇しステージにはひとり。そんななかピアノが設営されると、この日のスペシャルゲスト・コミネリサが呼び込まれる。

実はコミネは、高校生の頃のYURiKAがボーカルスクールで偶然講師として出会った存在で、YURiKAにとっては"リサ先生"。ふたりそろって言葉を交わしたところで、その頃の「私がメジャーデビューしたら、曲を書いてください」との約束が果たされた「Song That Never Ends ~夢の続き~」を、コミネのピアノ1本で披露する。歌唱前、「YURiKAの夢の実現力のすごさを改めて感じさせられた」と語ったコミネの伴奏をバックに、美しく静かに歌い始めるYURiKA。

直前に語った「初披露をリサ先生とできるという幸せ」をかみ締めて歌いながら、サビ前には歌声に強さが加わり、サビで大空へと羽ばたいていくようなイメージを与える。2コーラス目の直前には、視線を合わせて改めて呼吸を合わせると、ピアノ・ボーカル両者の曲に合わせたクレッシェンド具合もピッタリ。

良質なものとして大事な曲を届けながら、この部分をはじめとする、良い師弟関係が、曲中様々なポイントで見えてもいた。また、その場にいたすべての者の胸を熱くさせたのが、ラスサビ以降のYURiKAの気持ちの高まり。強い想いを歌声に乗せつつ、終盤幾秒かのサイレント後の最後のフレーズでは、こみ上げてくるものを抑えながらしっかりと歌いきってくれた。

曲明けに、レコーディングがYURiKAの誕生日当日であったことが加えて語られたこの曲は、アーティストデビュー日というもうひとつの誕生日も祝福してくれた、より特別な1曲になった。

そして、これまでの道のりを、ゆっくり語り始めるYURiKA。夢の始まりから、最後と決めたオーディションでその夢を掴んだこと、様々なことのあったこの1年を経ても、やはりアニメやアニソンが大好きだということ――そうして"これまで"を振り返ると、続けて「"アニソンシンガー"として、作品とともにありたい」と未来を見据えたひと言を語り、「My Destination」を歌い始める。

「遠回りしてきたけど、辿り着いたここは間違いじゃなかった」との言葉に続けて歌われたこの曲では、その想いを胸にしながらエモーショナルに力いっぱい歌う。1サビ後、眼前の光景を目にしてグッと来た彼女は、2コーラス目に入る直前、首を振って立て直す。それは掴んだ夢をまっとうしたい、シンガーとして歌を届けたいという想いからきた行動なのだろうか。Dメロでは抱えた想いはこらえきれずに少々あふれ出てしまっていたが、最後は瞳をうるませながらも、笑顔で締めくくってくれた。

歌い終わって「私はちょっと泣いてますけど! 感情の振り幅がおかしいんですけどー!」とおどけつつ、「まだ大好きなアイツが来てない」と語り、「魔導戦士グランシャリオン」の歌唱へ。頭サビ明けにお立ち台上でマイクを掲げると、そこに向かっての観客からのアツいアツいコールが響き渡る。なるほど、この並びはたしかに感情の振り幅がおかしい。だが先ほどのテンションから、ガッチガチのロボモノ曲へとカチッとスイッチを切り替えられる彼女の姿は、"アニソンシンガー"にふさわしいものだったように思う。2サビでは気持ちよさそうに高らかにロングトーンを歌い上げていた彼女は、完全に振り切れてステージを楽しんでいた。

そしてイントロでお立ち台に登って歌い始めたのが、本編ラストナンバー「MIND CONDUCTOR」。2ndシングルの表題曲という点だけではなく、この先の希望を感じさせてくれるこの曲がラストを飾るというのも、実に素敵なセットリスト。ここから始まる2年目の、いや、さらにその先のアニソンシンガーとしての彼女への希望と期待を、1曲を通じて抱かせてくれた。また終盤ではバズーカを手に、フロアに向けて銀テープを発射。超笑顔で歌いきり、本編を締めくくってくれた。

▼アンコールまで、YURiKAの歌声はずっと"光"だった

そして再び降りてきたスクリーンには"LIVE OVER"の文字が。続けて「YURiKAをふっかつさせる」「YURiKAをふっかつさせない」の2択が表示され、カーソルが前者を選択すると、「ふっかつの呪文を唱える」との文字が登場。スクリーンの文字表示に合わせて「YU・Ri・KA!」の声が上がる。そしてスクリーンが上がり、ペンライトを持ったYURiKAが再登場し、バンドメンバーも"ふっかつ"させる体でひとりずつ呼び込み、全員そろったところでアンコール曲を披露。本編ですでに全曲歌いきった彼女がアンコールに選択したのは、デビュー曲「Shiny Ray」だった。「MIND CONDUCTOR」で未来を、「Shiny Ray」で1周年の日を飾るという構成も、おそらく彼女のこだわりだったのではないだろうか。

しかもそれをただ単に再歌唱するわけではなく、冒頭にサビを独唱してからのスタート。確固たる歌唱力の上に、この場で感じている楽しさを乗せつつ、さらに手にして登場したペンライト"俺の武器"の振り方も完璧。世界一の「Shiny Ray」のわかり手である彼女は、この瞬間至上の贅沢をしていたのではないだろうか。もちろんただ楽しむだけではなく、落ちサビ直前にはお立ち台で不意にペコリと一礼。集まってくれたファンはもちろんこの「Shiny Ray」という曲へも感謝するかのような行動を経て、笑顔でこの曲を歌い上げていく。そして「本当にありがとうございましたー! 大好きー!」とシャウトし、ジャンプエンド。バンドメンバー、そしてコミネと手をつなぎ一礼し、ファンをバックにした記念撮影で記念すべきライブに幕を下ろす……。

……かと思いきや。Gt.吉田 穣に呼び込まれて、2組目のスペシャルゲストがサプライズ登場。YURiKAの出身地である蓮田市のゆるキャラ・はすぴぃが彼女を祝福しに来てくれた。そんなはすぴぃからは花束と、コミカライズ版『リトルウィッチアカデミア』を担当する漫画家・左藤圭右からの色紙が贈呈される。色紙を前にYURiKAがあわあわするなか、吉田の音頭で今度はフロアからは「1周年、おめでとう!」と観客からの、祝福のサプライズコールが。その声にまたも胸を熱くしたYURiKAは、素の喜びや驚きを素直に見せていた。

最後に最前のファンとハイタッチを交わし、指を天にかかげてステージを降りる。そして「今日は本当にありがとうございました。みんな大好きー!」の直筆メッセージが、続けて「To be continued...」の文字がスクリーンに映され、一周年ライブは幕を下ろしたのだった。

とにかく楽しそうに歌い続ける彼女の姿が印象に残っていたファンも多いことだろう。だが、改めて言及しておきたいのが、彼女がファンと繋がろうとする意志を、ライブの随所で見せていたことだ。「薄明パラレル」サビの「僕は"君"が好きなんだ」や「My Destination」の「"君"が背中を押してくれた言葉」などといったポイントで指をさしたり腕でフロアをさらったりといった振る舞いは、明確にその場にいる人々へと投げかけられ、届けられたものだったのだ。その"君"の数は、これからますます増えていくことだろう。彼女が、闇を切り裂く光のような歌声を響かせ続ける限りは。

▼YURiKA「☆Shiny Stage☆~敢えて言おう、全曲やるぞ!~」SET LIST


M1.鏡面の波
M2.薄明パラレル
M3.Dive into the colors
M4.Fairy Way
M5.Beautiful Future
M6.Snowy Daydream
M7.AKATSUKI DEPARTURE
M8.Shiny Ray
M9.Little Braver
M10.青空
M11.時を刻む唄
M12.Song That Never Ends ~夢の続き~
M13.My Destination
M14.魔導戦士グランシャリオン
M15.MIND CONDUCTOR
EN1.Shiny Ray~Special.Ver~