マスコミに追われる日々と大切な人からの言葉

宮根:お母さんの言葉の中で一番印象的な言葉は?

矢口:「別に辞めてもいいよ」って言われました。

井上:そう言われた時にどう思ったんですか。

矢口:えー…。申し訳ないという気持ちが一番でしたけど、ただやっぱりその…やってほしいんだろうなという気持ちは見えていたので。親はそこを全然出してこないんですけど。

井上:そのずっと家にいる生活から、どこかのタイミングでちょっとずつ外に出られるようになるわけですよね。

矢口:半年過ぎたあたりぐらいから、芸能界の先輩たちがすごく心配をしてくれて、メールとか連絡をくれるように。「今はもう落ち着いたでしょ」っていう感じで、時期も察してメールしてきてくれたりして。

宮根:当初はあまりメールも来なかった?

矢口:来てたんですけど、私がほとんど返せてなかったので。でも先輩たちは時期を見て連絡してきてくれて。

宮根:例えば、家においでよとか。一歩出るのってやっぱり勇気いりました?

矢口:例えば私が行った先に報道の方がついてきてしまうと、相手に迷惑をかけてしまうので、そういう緊張感は常に持ってました。

宮根:家の周りにずっといてはりました? 報道陣の人。

矢口:そうですね。

井上:『ミヤネ屋』もいたでしょ?

矢口:『ミヤネ屋』さんもいらっしゃいました。いたるところにいらっしゃって。商店街の中心に住んでいたので、周りの人にすごい迷惑をかけてしまったというのがあって、3回くらい引っ越しをしました。ホテルで逃げてる…逃げてるっていうのも変ですけど(笑)、ホテルで待機することも約2~3カ月あったりとか。

宮根:さっきも言ったけど、ずっと追っかけられて連日記事になったことでやぐっちゃんのブランクを感じないというのがこの芸能界の不思議なところでね。芸能界の先輩方が励ましてくれた中で、今また病気と闘っているつんくさんなんかは、やっぱり温かくて厳しい言葉をかけてくれたんじゃないですか。

矢口:芸能界の先輩たちはすっごく優しくて、怒ることはなかったんですけど、やっぱりつんくさんに直接お会いしに行った時にちゃんと怒られて。でも、それがすごくありがたくて。ちょっと報告も遅くなってしまったので。

井上:いつごろですか、会ったのは。

矢口:会ったのは半年過ぎてからで。私も申し訳ないなと思っていたんですけど、復帰をちょっとだけ考えていますという話をした時にすごく温かく背中を押してくれたので。

宮根:番組を休んでから半年ぐらいたったぐらいから「なんとか芸能界でもう1回がんばってみようかな」っていう気持ちになったの?

矢口:そこも思ってないです。

宮根:つんくさんに報告に行って。

矢口:関係者の方たちにも謝りにいかなきゃって思っていたんですけど、外に出れなくて。だから、どういう風に言っていいのか分からなくて。メールアドレスも知っていたんですけど、ちゃんと自分の口からお話した方がいいと思っていたので。

宮根:矢口さんがもう1回芸能界で頑張ってみようかなってつんくさんに報告したっていうのは、いつごろですか。

矢口:でも…ちゃんとは…おとといとか(笑)。

宮根:おととい!? おとといって待てよ。『ミヤネ屋』が昨日出ると決まって、おそらく前に事務所の人と話してるでしょ。

矢口:でも、私の決心がやっぱり…ずっと決定するまで迷っていました。今も戻っているとは思ってないです。芸能界に復帰という感じではないです。一応、テレビのカメラはあるんですけど、簡単に戻れる世界ではないと思っているので、1回出て自分の口からお伝えできる場所を設けてもらいました。

会見を開かなかった理由

井上:僕もマスコミの一人だから思うんだけど、記者会見をしてほしいという要望もあると思うんですよね。記者会見をやらなくてこういう形を選んだのは、何か選択の理由はあるんですか。

矢口:それはですね。やっぱり言えないこととかがありまして。約束として。そうなると会見を開いた時に、せっかく集まっていただいたのに何も自分の口から言えないし、やっぱり整理がついてない時にいっぱいたくさんの人に囲まれてしまうとパニックになって、何かを口で説明するということ自体が無理だって思ったんです。なので、こういう場を設けていただきました。

宮根:ようウチの番組選んでくれたね。

矢口:いえいえ、本当にありがとうございます。

宮根:『アッコにおまかせ!』かと思ってたもん。

矢口:うちの上層部の方が『ミヤネ屋』さんでと。

宮根:僕も責任重大やな。やぐっちゃんの旅立ちをちゃんとしてあげんとと。クリスティーン、今までの話聞いてどうですか? ホリプロの春香クリスティーン、どうですか。

春香クリスティーン:はい(笑)。えっと、振られてビックリしました(笑)。私も昨日、バラエティの収録をいろいろやっていて、共演者の方からも「明日絶対に見るよ」「絶対に視聴率とれるだろ」って言われて。それだけ世の中の注目が集まっているんだなと。