――玩具では、映像によってキャラクターやアイテムの魅力をアピールする。そして映像では、アイデアに満ちたアイテムやメカ、ロボを劇中で活かすことができる。バンダイと東映、そしてテレビ朝日との半世紀近くにもなるつながりが、現在の活況を生み出しているのでしょうね。

西澤:そう思います。映像に出てくるメカやアイテムを子どもたちが見て、玩具の遊び方を知るなど、玩具開発と映像とのクロスオーバーは過去から現在に至るまで、非常に重要なことです。

中野:メインターゲットである子供たちに楽しんでもらえるよう、こちらも色々な努力をしています。子どもたちが玩具で怪我などをしないよう、安全に対する配慮などもそうです。バンダイでは、玩具の品質基準をより厳しいところに置いています。

西澤:ロボ玩具を高いところから落下させたりして、耐久テストもするんですよ。

武部:『DX戦極ドライバー』の場合、装填したロックシードをどうやって外すか――極端な話、無理矢理もぎとっても外れますからね。果実というのもあるし(笑)。

大田原:子どもが無理に取ろうとして壊してしまわないように。

武部:そうなんです。どこかのボタンを押すとかじゃなくて、もぎとればいいというんだからすごい発想ですよ。後は『DX無双セイバー』や『DX火縄大橙DJ銃』などは、逆にどんなに振り回しても外れないようになっていたり。

中野:本当に安全性の面で注意をはらうべきところですから。そこは気を抜くことができません。

大田原:やはり弊社は「楽しい時を作る企業」ですから、子どもたちに楽しい時を安全に過ごしてほしいんです。

『仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯(カップ)!』より

「仮面ライダー」「スーパー戦隊」の未来とは!?

――今回、みなさんからのお話をうかがって、『鎧武』『トッキュウジャー』両作品の人気の秘密と、玩具商品の開発にまつわる貴重な裏話などを知ることができたと思います。今後「仮面ライダー」「スーパー戦隊」という2大シリーズは、どのように発展、成長を遂げていくのでしょうか。

武部:毎年、印象を変えるという意味では「仮面ライダー」のほうが自由度があるように思っています。「スーパー戦隊」の場合、定番というかすでに決まっている型、要素がたくさんあって驚きましたから。

中野:「スーパー戦隊」の方が大枠で決まっていることが多いでしょうね。複数人のヒーローが名乗って、変身して、敵を倒して、巨大化、ロボで倒すといういわゆる水戸黄門的な鉄板のフォーマットを守ってます。

武部:『鎧武』のアーマードライダーは、あまり気づかれないですけれど「武器ライダー」なんですよね。あまり合成に頼るのは好きではないので、各ライダーの戦い方に変化をつけるために、それぞれの武器を違うものにしたいと言ったんです。基本フォームである「鎧武 オレンジアームズ」は、「共通武器と個人武器の二刀流で」とお願いしました。結果として、商品ラインナップが増えたことになります。

西澤:そこから、アームズウェポンの『DX大橙丸』はメイン武器『DX無双セイバー』と合体させて遊べるという広がりが生まれました。