『烈車戦隊トッキュウジャーTHE MOVIE ギャラクシーラインSOS』より

宇都宮:『トッキュウジャー』の場合、まあ今年はそういう(決め台詞を喋らない)スーパー戦隊があってもいいかなと思って。電車、列車の「スーパー戦隊」だから、アナウンスをどんどん入れていこうと。

武部:楽しい音声がたくさん聞こえてくるから『トッキュウチェンジャー』も売れ行きがいいんでしょう。

宇都宮:ただ、玩具単体でこうやってみると、もはや変身アイテムなのかどうだかわからない(笑)。

大田原:線路と遮断機がついている変身アイテムというのも面白すぎですね。

中野:商品には電池が入っていますから、ちゃんと作動しますよ。スイッチを入れてみましょう(と、『トッキュウチェンジャー』を作動させる)。

武部:面白い! 「カンカンカンカン♪」という変身待機音は斬新だし、これしかない! って感じがします。

――『トッキュウチェンジャー』のアナウンスにしても、『ロックシード』の「ロックオン」という音声にしてもそうなんですが、テレビで流れている音が、そのまま玩具でも聞こえてくるためにリアリティがあります。

大田原:テレビと玩具が同じ音声を出せるようになったのは『恐竜戦隊ジュウレンジャー』(1992年)の『DX獣奏剣』あたりからですかね。

西澤:ライダーのベルトには、ベルト本体に変身アイテムをセットした後、光と音のギミックを発生させるまでの間に「変身!」と叫ぶことを想定した間を意図して作っているんです。

武部直美プロデューサー(東映)

武部:『鎧武』の最初、撮影現場で決まった「変身!」のタイミングと、玩具側で想定していたタイミングが違っていたんですよ。現場で実際にやってみて、こっちのほうがタイミング的にいいからって。

西澤:なので、変身待機音の鳴るタイムが短くなるという事態に。

武部:待機音は面白いので本当はもっと長く鳴らしたかったんですよ。

西澤:そのため、新世代ベルトの『DXゲネシスドライバー』では、変身待機音の鳴るタイミングを劇中の変身ポーズに合わせて変えています。『ロックシード』には音声を後から入れられるようにしているので、武部さんと打ち合わせをしながら少しずつ微調整しているんです。最初は、『ロックシード』をドライバーに装填して「変身!」→その後に斬る、というアクションを想定していたんですが……。

武部:劇中の紘汰は「変身!」って言って、「ロックシード」を装填→そのまま無言で斬るという流れにしたので、装填から斬るまでの待機時間が短くなってしまった……。

西澤:そこで『DXゲネシスドライバー』で変身するライダーは、『ロックシード』を構えた時点で変身待機音が鳴り、装填→絞る、ということになりました。

大田原:紘汰を演じる佐野岳さんの変身ポーズは、すごくキレがよくてカッコいいです。

武部:佐野くんは運動神経抜群だから、どんな動きでもカッコよく決まる。この間『ロックシード』を持った子どもたちが撮影現場に来ていて、佐野くんとそっくり同じ動きで変身のアクションを決めていてね、細かいところまでよく見てるなあ~って感心しました(笑)。

西澤:そういう魅力は玩具だけでは打ち出せない。やはりテレビ番組の中で、役者さんがアイテムを持って演じてくれるからこそなんです。すごいことだと思います。