『鎧武』&『トッキュウジャー』夏映画の見どころ

左から武部直美プロデューサー(東映)、西澤清人氏(バンダイ)

――そろそろこのあたりで、7月19日より上映中の映画『鎧武』『トッキュウジャー』の話題に移りたいと思います。まずは『鎧武』の見どころからお願いします。

武部:映画のゲストであるマルスと冠は、リンゴがモチーフなんです。リンゴというのはフルーツの中でも子どもたちに人気が高いでしょう。前から出したい出したいと思っていたんですけど。

西澤:最後の方まで、ずっと取っておいたんですよね(笑)。

武部:脚本の虚淵(玄)さんからは「リンゴは、世界観的にちょっと(出しにくい)……」というご意見もあったんです。それで、ストーリーの流れから少し外れた映画のほうにリンゴのライダーを出そうということになりました。

西澤:映画でも、鎧武の最強形態である「極(キワミ)アームズ」は登場します。

武部:「極アームズ」は、その前の「カチドキアームズ」が派手ですごく大きくなりましたから、反対にシンプルなスタイルにしています。

武部:鎧、甲冑のバリエーションでずっとやってきましたから、いろいろな種類の鎧を見せていこうと。それで、織田信長の伝説の鎧をモチーフに、かなり頭をとんがらせたスタイルのアーマーにしてみました。戦国武将の鎧をたくさん見せたかった。

中野:『トッキュウジャー』の映画では、動物をモチーフにした「サファリレッシャー」が出てきて、それが変形合体することでライオンタイプの「サファリガオー」になります。

武部:列車がライオンになることについては、どんな意図が?

宇都宮:いやあ、ただデザイン画をいくつか見せていただいて、これがいちばん面白かった(笑)。

『烈車戦隊トッキュウジャーTHE MOVIE ギャラクシーラインSOS』より

中野:なぜ宇宙の烈車(ギャラクシーライン)なのに動物なんだと言われると、答えに苦しむところですが(笑)。

宇都宮:本当に本当にライオンだから、挿入歌も串田アキラさんにお願いしました(笑)。しかも堀江美都子さんとのデュエットですから、ぜひ劇場でお二人の歌を聴いてください。

――それでは最後に、皆さんが作品や商品を作るにあたり外せないポリシーなどがあれば教えてください。あるいは、子どもたちに伝えたい思いなどがあれば、ぜひお願いします。

宇都宮:僕が担当した「スーパー戦隊」は『侍戦隊シンケンジャー』『海賊戦隊ゴーカイジャー』に次いで3作目なんですけれど、僕担当史上で巨大ロボ玩具が一番ヒットしてよかったです(笑)。

武部:作品のポリシーで言うと、作っている時はまず自分が楽しめるかを大切に考えています。子供たちのことを考えていないわけではありませんが(笑)。自分がまず楽しくないと、作っているドラマも楽しいものになりませんから。

西澤:これからも子供たちをどんどん驚かせていきたいと思っています。『鎧武』の物語はいよいよ佳境ですが、商品展開もまだまだ仕掛けていくところがあります。楽しみにしていてください。

中野:子供たちの流行の移り変わりは早いですが、その流行に乗れ遅れないような商品作りを心がけています。

大田原:僕は昔から「仮面ライダー」と「スーパー戦隊」が大好きで、それでバンダイに入ったんです。ですから、この場にいるだけで泣きそうなくらい感激しているんです。昨日の夜は眠れませんでした(笑)。そういうファンの心理を持つからこそ、この感動を多くの人々へ届けたい。そう思っております。

武部:同じところで作っていても「スーパー戦隊」と「仮面ライダー」でチームが分かれていますから、ぜんぜん知らない「スーパー戦隊」のお話などが聞けて、興味深かったですね。

――本日は、非常に興味深いお話をしていただき、ありがとうございました。