2013年のインターネットは、ネット選挙の解禁やtwitterを起点とした数多くの炎上騒動など、ネットとリアル社会の融合を強く感じさせる年だった。そんな中、ネットサービスとして確かな存在感を見せていたのがniconicoだ。

株式会社ニワンゴ代表取締役社長・杉本誠司氏

「ニコニコ超会議」「電王戦」など、数多くの話題を提供してきたniconicoにとって、2013年はどんな年だったのか、そして2014年のniconicoはどうなっていくのか。同サービスを運営する株式会社ニワンゴ代表取締役社長・杉本誠司氏に、2013年のniconicoの総括と2014年の展望を伺った。

――まずはニコニコ動画にとっての2013年がどういう年だったのかを振り返っていきたいのですが……1年前のこと、覚えていますか?

えーと……何してましたっけ(笑)。もう3カ月前のことですら覚えてないくらいなんですよ。時間の流れが速すぎますよね。

――1年前というと、ちょうど「ニコニコ超会議2」に向けての準備や記者発表が本格的にスタートした頃でしたよね。

ああ、そうですね。キービジュアルやロゴが決まって、バタバタしていた時期でした。

――2012年に行われた最初の超会議はかなり危なっかしい感じもありましたが、2回目となると運営側としてもかなり慣れていたのでは?

慣れたというわけではないのですが、最初の超会議をやったことでノウハウ化できた部分は大きかったですね。打ち出すメッセージや、会場で我々が何をするべきかということを、関係者の中でもう一度腹に落とした時期でもありました。

――「ニコニコ超会議2」は前回の9万人を超える10万人超の来場者を記録し、スポンサーがついたことで赤字額も大幅に減額しました。

まず2012年の超会議ですが、これは大成功といってよかったと思います。成功というか"やれちゃったね"という感覚だったんです。その数字が、今度は前回実績としてのしかかってきたわけです。9万人を集めたノウハウがちゃんと定着しているのか、対外的には当然前回を超えていかないといけないわけですけど、本当に大丈夫かという不安やプレッシャーはありましたね。しかし蓋を開けてみれば10万人を超える方に集まっていただけて、大成功できました。

――最初の超会議はいわば5年分の集大成で、ユーザーの中にも「これが最初で最後かもしれない」という思いがありました。だからこそ9万人も集まったとも言えるわけで、2になると初回ほどのインパクトはないですよね。それでも前回を超えることができたのは、どこに理由があるとお考えですか?

話題性という意味では戦車がくるとか、総理大臣がくるとか、色々ありましたよね。それはニュースになって出回ったので、足を運んでいただく動機にはなったと思いますし、超会議以降のniconicoが社会性を上げていくことにも貢献したと思います。ですが、会場に足を運んでもらえた一番の理由は、前回よりも企画性が増していたからだと思っています。たとえば「歌ってみた」だと、前回よりもはるかに豪華絢爛になっていて、ステージで合唱企画などを行うことで、より多くの人に参加してもらうことができました。

「踊ってみた」にしても、敷地面積を広げるなどして、ユーザー自身が参加するというところに気を払いました。来てくれた人がいかに楽しんでもらうかに注力できたのが超会議2で、だからこそ多くの人に参加いただけたのかなと思います。……続きを読む