――日本語にしたほうが『モーレツ宇宙海賊』っぽい気もしますね(笑)。それでは収録曲についてお伺いしますが、1曲目の「Up to COUNTDOWN…」は、まさにイントロダクションといった感じですね

小松「これから始まるよっていう感じの位置づけですね。実はこの曲は、プラス1曲という感じで、後から足されたものなんですよ」

――この曲が収録された経緯は?

小松「9曲目に収録されている『M from...』をレコーディングしたとき、『もうひとつ録るのがあるから』って言われて。どんな風に収録するのか? 元々予定になかったので、『とりあえず、3、2、1って言ってみて』とか、『あーって声を続けてみて』とか、いろいろな声のパターンを録ったあとに、『ここにテルミンがあるから演奏してみて』。最後まで何のことかわからず、適当にテルミンで遊んでいたら、『これをミックスしてひとつの曲にします』って(笑)」

――そういえば、今回のミニアルバムは当初8曲入りの予定でしたよね

小松「そうなんですよ。だから『あれ? 1曲増えてる』みたいな感じで。「Up to COUNTDOWN…」というタイトルもいつのまにか決まっていました(笑)」

――そんなイントロダクションに続くのが、今回のアルバムのリード曲になる「砂漠のタイムマシン」です

小松「この曲は、どのように歌おうかということで、けっこう悩みました。シングルで出した『Black Holy』と『透明な夜空』はしっとりとした感じで、自分の地声に近いところで歌っているんですよ。それで『砂漠のタイムマシン」と6曲目に入っている『ユメノアリカ』は、けっこうポップで可愛らしい感じなんですけど、『砂漠のタイムマシン』は、何かテクノっぽい感じの曲だったので、どうしたものかと。そうしたら曲を作ってくださったSiNさんから、『曲の主人公になった感じで、そこからブレないように歌ってください』という指示ををいただいたので、そのあたりを意識して歌っています。詞はフワフワとした感じですが、曲はテクノという、すごく不思議な曲になっています」

――節回しなどもかなり独特な感じですよね

小松「そうなんですよね。何かいろいろなものが相反しながらも相まっているという、本当に不思議な感じの曲になっています。でも、アルバムを通して聴くと、リード曲だけあって、やはりこの曲が一番このアルバムを象徴するようなインパクトのある曲だなって思いました」

――歌い方が決まってからはレコーディングもスムーズでしたか?

小松「そうですね。このアルバムに関して言うと、苦労したのは7曲目の『Infinity Sky』という曲で、あとは比較的スムーズだったと思います」

――「砂漠のタイムマシン」の中で特に気に入っている部分はありますか?

小松「やぱり『ゆらゆらゆ』のところですね。天から光が射しているイメージと言われたので、何か天の羽衣的な、すごくきれいで、ちょっと淡いカラフルな感じをイメージして歌っています。ライブなどで歌うときは振り付けがあったりするんですけど、それもちょっとゆらゆらしていて、自分でも歌っていて不思議な気分になります(笑)」

――続いては、3曲目の『ジャスミンの風に』についてお願いします

小松「ラテンと言いますか、ちょっと情熱的なボサノバチックな歌になっています。レコーディングのとき、微熱があったんですけど、喉には支障がなく、ちゃんと声も出たので、普通にレコーディングに臨んだのですが、実際に歌ってみたら、スタッフの方から『今日はいつもより熱っぽいよね』って(笑)」

――かなり熱のこもった現場だったんですね(笑)

小松「情熱的な歌なので熱く歌ってもいるのですが、リアルでも熱があったということで(笑)。『ジャスミンの風に』は、どちらかというと、これまでに自分が歌ってきた曲の中では、素に近い歌い方になっていると思います。ずっと自分が聴いてきた曲、好きだったアーティストさんたちの曲と重なった感じがして、一番自分の素が出ている気がします」

――こういう系統の曲は好きですか?

小松「スパーンって歌う曲も好きなんですけど、『砂漠のタイムマシン』とは違った意味で、浮遊感のある雰囲気が好きです。すごく自分のツボにはまっている感じです」

(次ページへ続く)