NHK連続テレビ小説『カーネーション』の収録が24日、NHK大阪放送局のスタジオでクランクアップを迎え、ヒロイン・糸子を3世代で演じた夏木マリ、尾野真千子、二宮星がそろって会見を行った。

左から、尾野真千子、二宮星、夏木マリ 拡大画像を見る

14歳から60歳までを演じた尾野は、大勢のスタッフやキャストに囲まれて感極まったのか「嫌いや、こういうとこ…」と大泣き。「私はよく『おかげさま』という言葉を使わせてもらうんですが、今日ここに立って、ヒロインというだけで私たち3人の糸子をこんなにたくさんの人が支えてくれてたんやということを初めて知りました。これこそが『おかげさま』でした」と感謝の言葉を述べ、「しんどかったし辛かったこともあったけど、みんなのおかげで楽しかったです」と泣きじゃくっていた。

この日、ラストカットを撮り終え、スタッフから花束を贈られた晩年の糸子役の夏木(3月3日放送分より登場)も「私が打ち上げのこういうので泣くのは初めてです」と涙。尾野からヒロインを引き継ぎ、72歳から92歳までの糸子をエネルギッシュに演じた1カ月の撮影を「人生、何が起こるかわからない。私は今年で"ロクマル(60歳)"になるんですけど、還暦にして朝ドラのヒロインになれるとは思っていませんでした。まさにこのドラマは岸和田の"だんじり"だったような気がします。尾野さんが力強く走り抜けたので、そのエネルギーを引き継ぎたいと思ってやってきました」と感慨深げに語った。

少女時代に扮した二宮は「初めて出たドラマで何も知らん私に、スタッフさんとかがやさしく教えてくれてすごく勉強になりました」とあいさつ。「でもやっぱし、終わるのはさみしいです」と涙で言葉を詰まらせた。

だが、会見の後半には明るく元気な糸子らしく、3人は晴れやかな笑顔に。この日、14歳を演じた初登場時の衣装で登場した尾野が「この衣装、ええですやろ?気持ちは14歳。私、14歳にしか見えないでしょ?」とおどけてみせ、これに夏木が「この大嘘つき!」と笑いながらツッコむ場面も。また、尾野が「自分の撮影が終わってからも、今の糸子は何してんのやろ?と気になって……」と夏木の収録現場を訪れていたことも告白。夏木に「チェックしに来るんですよ。もうやりにくいやりにくい(笑)。で、『がんばりや!』とか言うねん」と暴露?され、尾野が「すんませんなぁ」とトボけてみせるなど、2世代"糸ちゃん"の丁々発止のやりとりで会見を盛り上げていた。