――先ほど、撮影に立ち会われたというお話がありましたが、行かれた時は当然、いろいろとお手伝いなさるわけですね。

堤「もちろん、そうですね。それこそ小道具の用意から、スーツアクターさんが怪獣の着ぐるみを着たり脱いだりする時も手伝いますし。あれは、1人じゃできないですからね」

――本人だけでは、着ぐるみを着たり脱いだりはできないですね。

堤「キングドンあたりになると、改造前の元々の状態ですでにかなり重いんですよ。作りがごついんで、着たり脱いだりが大変なんですよ」

――そのとき行かれたのが河原だった……。

堤「まあ、ああいうプロレスがやれるような場所を探した時に、問題なくやれるのが荒川の河川敷だ、という話になって、それなら家からも近いんで手伝いに行こう、と(笑)」

唐沢「見物人とか、いたんですか?」

堤「いやあ、笑いながら通り過ぎていきましたよ、大勢の人が」

一同「(笑)」

――ロケ地は、ほかにも……。

堤「湖は、劇中の設定どおり、ホントに本栖湖でロケしてるんですよ」

唐沢「わざわざ行ったのね、そこまで(笑)」

堤「いや、実は、あれも、別のロケにのっかってるだけなんですよ」

――わたしもよく存じ上げている、小林さんというディレクターの方がいらして、本栖湖に浸かって、すごい寒かったらしいんですけど(笑)。

堤「らしいですね。あれは、温泉に入れてやるとかなんとか、岩佐君が甘言を弄して誘ったらしいんですけど(笑)」

唐沢「(笑)」

――予算をあまりかけられなかったということで、出てくる飛行機や戦車やビルの細工は必ずしも細かくない部分もあるわけですけれども、それも、いわゆる「見立て」というもので見せている……。

堤「元々、特撮って、『ガメラ』にしても撮影の裏話うかがったら、遠景のときはホントに写真貼ってあるだけだった、みたいなエピソードもありますから」

一同「(笑)」

唐沢「元々、見立ての世界ですから、これこそが由緒正しい特撮映画なんだと思いますよ」

堤「中途半端なものを出して、なんだ安っぽい、って言われるんだったら……」

唐沢「いっそ開き直って、わざとらしいダンボールのビル、わざとらしいミニチュアの戦車、わざとらしいジェット機のプラモデル、そういったものを見せたほうが大人な態度なんじゃないかと」

――この作品こそ、分かった人の分かった人による分かった人のための映画なんだと……。

堤「もう、そういうことになりますね」

唐沢「そうだと思いますね。そして、そこからさらにもう一歩進めて、もっとみんなに観てもらいたい。バカバカしいけどこういうのもなかなかいいでしょ、みたいなね」

――そうですね。

唐沢「こういう世界もアリなんだよ、ということで、怪獣ファン以外の人にもこのおもしろさを知ってほしいですね」

堤「そういうところありますよね、確かに。映像のひとつの楽しみ方としてもアリなんだろうな、とは思いますね」

唐沢「この『モーレツ怪獣大決戦』だけで終わらないでですね、こういう種類のものがどんどん出てくるとおもしろいんじゃないかな、と思いますね」

堤「お金をかければいいものができるのは、当たり前じゃないですか。それとは違う方向性もあっていいはずだと思うんですけどね。今、テレビ番組にその感じがちょっとなくなっちゃってて……」

唐沢「みんなCG使って、オモチャ会社のタイアップで、きちんとしたお話作って、イケメンの役者さんそろえて……。それはそれで結構な世界なのかもしれませんけど、かつて僕らが観ていた、適当だけれどもパワフルな世界のよさも分かっていただきたいと思いますね」

唐沢なをき著『パソ犬モニ太』。4月2日発売

――楽しいお話をどうもありがとうございました。