――先ほどの「大怪獣カード」からは、宇宙ウナギ・メトロカバヤン、熱戦獣ヒーター、メロン原人メロメロン、水素獣エッチの4体がこの映画に登場していますが、こういったパチモン怪獣は、基本的に資料が乏しいですよね。
堤「まあ、元々そんな公式なものではなく、あくまでも駄菓子屋とかを主体にして、作る側も適当な形で売ってるものですから、資料的なものっていうのは……(笑)」
唐沢「ただね、資料が充実していないというのは、そのトランプなり駄菓子のパッケージにちょっとだけ出てる断片から、かえって、こちらが無限に空想を広げられるというところがありますよ」
――なるほど。
唐沢「パチ怪獣の魅力っていうのは、大部分そこじゃないかなと思っているんですけれども」
堤「確かにね」
唐沢「『ウルトラマン』なり、『ゴジラ』シリーズなり、そういう作品に出てくる怪獣には、公式なデータがあるわけですよ、ちゃんと。一方、パチ怪獣は、元々いい加減なものですから(笑)」
一同「(笑)」
唐沢「何やってもオッケーな世界なんですね。ですから、我々がいろいろといじる余地がある。何やってもその怪獣は、それはそれで成立してしまう、というところがあるわけですね。たぶん、堤さんも岩佐さんも、そういう思いがあって作ったんだと思いますよ」
堤「そうですね」
――怪獣の着ぐるみが次第にでき上がっていくのをご覧になって、いかがでしたか?
堤「『ああ、確かにこうなるよな』っていう感じででき上がっていったんで、あれが映像として動いたのを観たときは、それはそれでおもしろいものになるんだな、という印象はもちましたね」
唐沢「実物を間近で見ると、ホントにヒーターはヒーターなりの(笑)、エッチはエッチなりの、ちゃんと存在感があるんですね、不思議なもので。『パチ怪獣のくせにエラそうに!』みたいな(笑)」
一同「(笑)」
唐沢「そういうパチモンなのに、ちゃんとした怪獣としてそこにいる、みたいなね。不思議な酩酊感といいますか、クラクラっとくるようなものが(笑)、ありましたね」
――先ほども『ウルトラファイト』のお話が出ましたが、怪獣同士のバトルというと、つい着ぐるみ同士のどつき合いを想像してしまいがちですが、この映画では、着ぐるみに加えてプロップなども併用されていますね。
堤「そこはちょっとピープロ的な発想の部分ですね、かっこよく言えば(笑)。ある程度低予算な中でもいかにおもしろく観せるかっていうコツを一番心得てるのがピープロ作品かな、っていうところがあるんですよね」
――なるほど。
堤「ですから、『スペクトルマン』のヘドロンとか、ああいう第1話からいきなり動かない怪獣が出てくるというのが(笑)、あのへんも相当意識しているんだと思います」
唐沢「そのおかげで、ぬいぐるみのバトルだけじゃなくて、ギニョールがあったり、生身の人間が出てきたり……(笑)」
一同「(笑)」
唐沢「かなり、とんでもない作品の度合いがこれで増しましたね(笑)。ぬいぐるみのバトルだけだと、ああ、『ウルトラファイト』みたいなものね、で済んじゃうんですけど、これは一瞬観ただけじゃ、なにがなんだかよく分かんないヘンテコなモノになってるよね」
一同「(笑)」
唐沢「そういうところで、逆に深みが増してる……というか。多分」


