――結局、『モーレツ怪獣大決戦』では、ヒーターとメロメロンとキングドンの3体が着ぐるみ怪獣ということになるわけですね。

堤「実は、怪獣ものの王道として、すでにある着ぐるみを改造するというのもひとつのやり方なんですけど、それを踏襲している着ぐるみもあったりするんですよ。キングドンは、別の作品で使われた怪獣の首をホントにすげ替えているんですよ」

一同「(笑)」

唐沢「そこにパチ怪獣としてのアイデンティティがあるわけですよ(笑)」

堤「やっぱり、ひとつは改造怪獣も要るだろう、という話だったんですね」

唐沢「(笑)」

堤「元の怪獣の体形が、どうしてもプロポーション的に怪獣トランプの怪獣に当てはまらなかったんですよ。じゃオリジナルにしちゃおうと」

――なるほど。

堤「で、あれ、『一匹ぐらい描いてみろ』と言われたもので、じゃ、僕が描くと言って……」

唐沢「あ、あのデザイン、堤さんだったんだ!?」

堤「顔だけですけどね(笑)」

――ところで、劇中のシーンによっては、着ぐるみがいる場面で火を焚いたりしてますよね。燃えたりすることもあったんですか?

堤「一部分、燃えましたね。実際の撮影で火薬使ってれば、火はつくんですよね。よく、ウルトラシリーズの撮影で着ぐるみにちょっと火がついてるようなのを現場写真で見てましたけど、『ああ、ホントに燃えてる』って」

一同「(笑)」

堤「『中の人が熱がってる』って」

一同「(笑)」

――その全焼を免れた着ぐるみは、どこかに置いてあるんですか?

堤「ウチの庭に(笑)」

一同「(笑)」

唐沢「怪獣ファンとしては、撮影に使われたぬいぐるみが今どうなっているのか、というのは気になるところなんですけど、この作品のは全部、堤さんの家の庭にあるの?」

堤「そうですね。比較的小さいのは家の中でかわいがってるんですけども、どうしても家の中にまでは運び込めないやつは、ガレージに……(笑)」

唐沢「(笑)」

堤「ますます劣化して、ますます素敵な感じにいたんでますんで、これだったらデットンみたいになるじゃないかと(笑)」

唐沢「じゃあ、『モーレツ怪獣ファイト』とか、どうですか(笑)」

堤「できそうですね(笑)。キングドンといい、いい感じにくたびれちゃって(笑)」

唐沢「……ということで、ここで話がつながるわけですよ。先ほど言った『ウルトラファイト』でぬいぐるみ同士がどつき合いするのも、それはまたひとつの作品の形であると。少なくとも我々は、それで感動したわけですから」

――はい。

唐沢「で、あるから、『モーレツ怪獣大決戦』に登場したぬいぐるみたちも、へろへろになりながら、そこらへんの野原でどつき合いをしてほしい、と強く思うわけですよ」

堤「そうですね。これはもう、新作に向かって動き出さなきゃいけないかなあ、というとこですね」

――この作品では、スーツアクターの1人として、鶴岡法斎さんも参加されてるんですよね。

堤「僕はその日は立ち会ってなかったんですけど、現場に遊びに来てくださったときに、ぜひ入りたい、ということで、実現しちゃったらしいですね(笑)」

唐沢「確かに、ぬいぐるみの中に入ってみたいというのは、当時子どもだった人たちは、みんな思うんですから」

堤「僕も後でメロメロンにちょっと入ってみたんですけど、入ってみると、閉所恐怖症の人には、さすがにつらいものがあるだろうと思いましたね。自分で、はずせないんだと思ったときの、こう、出られないかもしれないっていうのが……(笑)」

――それは怖いですね(笑)。

堤「あと、かゆくなったときに、どうにもならないんですね。手が抜けないし、どうにもならんていう(笑)。すごい不自由でいやな空間だなと思ったのもありましたね。でも、怪獣になれるっていう気分の高揚みたいなものがあったのも確かですが」

唐沢「ダメかもしれない、オレは(笑)。狭いところ怖いから」