11月が間近に迫り、今年も残り2か月あまり。今年も『NHK紅白歌合戦』(NHK)に関するニュースが報じられはじめている。

実際この数日間で「紅白 綾瀬はるか、今田美桜らの司会決定」(10月14日)、「紅白にSTARTO所属アーティスト3年ぶり復活で調整」(日刊スポーツ、10月20日付)、「女性声優3人組ユニットAiScReam 紅白内定」(スポーツニッポン、同日付)などが次々に報じられた。

今後も12月31日まで出場歌手や演出などに関する記事が続いていくことは間違いないが、今年の『第76回NHK紅白歌合戦』には何が期待されているのか。テレビ解説者の木村隆志が掘り下げていく。

  • 『NHK紅白歌合戦』会場のNHKホール

    『NHK紅白歌合戦』会場のNHKホール

「つなぐ、つながる」をどう解釈するか

個人的な周辺取材のレベルだが、かなり早い段階から「今年の『紅白歌合戦』は気合を入れている」という声を何度か聞いていた。

そして先日発表された今年のテーマは「つなぐ、つながる、大みそか。」。さらに下記のメッセージが書き添えられていた。

今年の紅白は、放送100年を締めくくる節目の紅白 これからの100年も素敵な音楽が私たちをつないでくれますように… そんな願いをテーマに込めました
今年も国内では相次ぐ自然災害や長引く物価高 海外では終わりの見えない紛争が続くなど 戦後80年経った今も 国内外で様々な「分断」が進んでいます
そんな今だからこそ、紅白歌合戦は 時代、世代、性別、言葉、人種の壁を超え つなぐ、つながる番組でありたい
1年を締めくくる特別な日 みんなが音楽で一つに
紅白歌合戦は 今年も最強で最高なステージを 日本中、世界中に届けます!

注目すべきフレーズは「放送100年」「分断」「壁を超え つなぐ、つながる」あたりか。今年NHKは放送100年を大きな節目とみなしてプロジェクトを立ち上げ、多くの特番を放送してきた。ちなみに放送100年関連番組テーマソングはサザンオールスターズの「神様からの贈り物」であり、彼らの出場も期待されるところだ。

そのサザンオールスターズと言えば、「平成最後の紅白」を掲げた2018年の第69回を覚えている人も多いのではないか。桑田佳祐と松任谷由実が肩を組んで歌って踊り、キスを披露するなどのコラボは称賛を集めたが、大御所の北島三郎も含め、今思えば今年のテーマである「つなぐ、つながる」というムードがあった。

今回もサザンオールスターズが出場すれば、放送100年にふさわしいパフォーマンスが期待されるだろう。