9月最終と10月最初の週が終わり、秋の改編期特番がひと段落。連日、秋ドラマの第1話が放送されはじめている。
主に2010年代あたりから春・秋の改編期特番は、「レギュラー番組の特番ばかりで特別感がなくなった」「ただの番宣特番がときどき放送されているだけ」などと言われ、注目度は薄れていく一方。さらに各局のテレビマンたちと話していると、「今や改編期特番に注目しているのは業界関係者だけかもしれない」という言葉を聞くこともある。
しかし、今秋に放送された中には、一定の希望を感じさせられる改編期特番があった。それはどんな内容で、何が希望を抱かせる理由なのか。テレビ解説者の木村隆志が掘り下げていく。
“過去”を前提にした特番の数々
前述したように、「春・秋の年2回しかない改編期であるにもかかわらず、日ごろ放送されているレギュラー番組の特番(拡大版)が大半を占めている」ことは否めないだろう。
しかもそれらレギュラー番組の特番は改編期に限らず年中放送されているものが多い。つまり視聴者にとっては、「同程度か1時間程度長くなっただけ」の特番に過ぎず、「いつもと変わらないレベル」という印象に留まっている。
では、今秋の改編期でレギュラー番組の拡大版ではない特番はどんなものが放送されたのか。以下にゴールデン・プライム帯で放送された2時間以上の特番をあげていこう。
9月22日『冒険少年 脱出島家族SP』(TBS系)
9月22日『新ドラマ人気番組対抗クイズドレミファドン 秋の祭典! 昭和平成令和ドラマソングSP』(フジテレビ系)
9月23日『THE グルメDAY』(日本テレビ系)
9月23日『ドリフの祭典! 爆笑トリビア大放出SP』(フジ系)
9月24日『小泉孝太郎&ムロツヨシ 自由気ままに2人旅 前編』(フジ系)
9月26日『行列のできる相談所 復活スペシャル』(日テレ系)
9月27日『芸能人格付けチェック 秋の3時間SP』(ABCテレビ・テレビ朝日系)
9月28日『池上彰×吉永小百合 昭和100年』(テレビ東京系)
9月28日『極上日帰り旅☆ニッポン0泊バカンス』(TBS系)
9月29日『国民的マジックの祭典』(フジ系)
9月30日『マル秘衝撃ファイル』(テレ東系)
10月1日『小泉孝太郎&ムロツヨシ 自由気ままに2人旅 後編』(フジ系)
10月2日『ニッポンSOS! ~予測不能の異常気象SP~』(フジ系)
10月2日『珍ゴシップ・ザ・ワールド』(フジ系)
10月3日『名作ドラマからクイズ! THEキリヌキ』(TBS系)
10月3日『金曜ロードショー40周年特別番組~視聴者が選んだ忘れられない名シ-ン~』(日テレ系)
10月4日『オールスター感謝祭25秋』(TBS系)
10月4日『せっかち勉強』(日テレ系)
10月5日『大改造!!劇的ビフォーアフター×ポツンと一軒家 合体SP』(ABC・テレ朝系)
10月5日『THEカラオケ★バトル 世界が熱狂した! 国民的アニメソング歌うま決定戦』(テレ東系)
10月5日『FNS鬼レンチャン歌謡祭』(フジ系)
多かったのは「過去にレギュラー放送していた番組の特番化」「過去に放送した番組の映像を生かしたもの」「過去にリリースされた楽曲がメインの音楽バラエティ」の3点。“過去”というフレーズが象徴しているように、新鮮味に欠けるからか反響には物足りなさが感じられた。
