異国エジプトで働いていた「おろぐちともこ」が、仕事を含む現地生活をマンガとコラムでご紹介。ピラミッドだけじゃない「エジプト」をお楽しみください。(毎週火曜更新予定)

【なんでもやる何でも屋さん】
エジプトに住むものにとって慣れざるをえないイベント(?)、停電。ある年の夏は非常に停電が多く、1時間ほどの停電があちこちで起こっていました。

カイロにあるマンションは10階以上の高層物件も多く、そういった建物にはほぼ必ずエレベーターがついています。エレベーターはもちろん電気で動いているので、停電となれば止まってしまいます。時折運悪くエレベーターに乗っている最中に停電にあったときは、扉を強くガンガン叩いて、閉じ込められていうアピールしなくてはならないことも……。

とはいえ、たとえ閉じ込められていることに気付いてもらえたとして、そこからどうやって脱出するんだろう……? レスキュー隊とか呼ぶのかな……?

それをエジプト生活が長い友人に聞いてみたところ、「バワーブに助けてもらう」とのこと。なんでもエレベーターのドアを椅子などを入れて、急にエレベーターが動きだしても大丈夫なように固定したうえで、隙間から救出してくれるのだそう。バワーブが色々な雑用をこなしたりするのは知っているけれど、救助活動までしてくれるとは。そういえば自宅のマンションのバワーブはあんなことこんなこともしてくれたっけ……。雑用範囲、広すぎ!

もちろんバワーブ個人のやる気や能力に左右されますが、町の便利屋さん以上に仕事をこなす「何でも屋」なのだなと再認識しました。

ナイル川を走るボート。電飾ギラギラでめちゃくちゃ明るいです

おろぐちともこ
大学時代古代エジプトを勉強していたためエジプトの地を踏むこと6回。7回目に踏み入れた2011年より数年間エジプトで働く。
現在はエジプト人による日本語雑誌を中心に、漫画を描いたりアシスタントをしたりと、国境を越えて活動中。至上の喜びは、素敵なカフェで水タバコの煙をゆらしながら、ぼけっとお茶をすること。生活記Blogつぶえじでは、現地の生活の様子を不定期に発信している。