「風邪をひいたらネギを食べるといい」と昔から言われていますが、長ネギにはそれ以外にもさまざまな健康効果が期待できるといいます。長ネギをたたいて加熱することで健康成分が生まれやすくなり、血圧の改善や血糖値のコントロール、感染症予防などに役立つ可能性があるのだとか。
今回は『最新医学が教える 体細胞が20歳若返る食べ方』(宝島社)から、食品医学研究所代表兼所長・平柳 要先生監修の「焼き長ネギ健康法」を紹介します。
高血圧の薬と同じ作用を発揮 血管を広げて血圧を下げる! 焼き長ネギ健康法
なじみの長ネギはたたいて焼くのが正解!
薬味や鍋の食材というイメージが強い長ネギだが、食べ方を変えるだけで健康効果がさらに高まることをご存じだろうか?
『病気にならない焼きネギ健康法』(サンマーク出版)の著者で医学博士の平柳先生は、「焼き長ネギ」を推奨する。
「長ネギは、熱することでにおい成分の『イソアリシン』が健康成分の『スルフィド類』に変わりやすくなります。そうなることで、血圧が下がったり、血栓(けっせん)ができるのを防いだり、脂肪の蓄積を防ぐなど、さまざまな健康効果を発揮します」(平柳先生)
長ネギの血圧の降下作用については、大阪市立大学のラット実験でも実証されている。長ネギに含まれる成分が、血圧を上げる「アンジオテンシンII」という酵素の働きを阻害し、血管を広げて血圧を下げているのだ。
ちなみに、イソアリシンは最初から長ネギに含まれているわけではない。元々は無臭の「イソアリイン」という成分が含まれているが、たたいたり切ったりすることで長ネギの細胞が壊れ、イソアリシンに変化する。そのため、焼きネギにするならみじん切りではなく、軽くたたいてから斜め切りにするのがおすすめだ。イソアリシンは切って長時間経(た)つと揮発(きはつ)して消滅するので、市販されているカット済みのものは避けたほうがよい。
また、長ネギの白い部分の芯や青い部分には、寒さが厳しくなると「フルクタン」という透明なゼリー状の水溶性食物繊維がたくさん含まれるようになる。フランス国立農学研究所のラット実験では、フルクタンにも血圧を下げる効果があることが判明している。捨てずに活用すべきだ。
「フルクタンの一部は『フルクトース』という甘味成分に変わります。そのため、焼いても成分は失われず、うま味も増していきます」(平柳先生)
焼き長ネギの作り方
焼き長ネギの主な健康効果
1 降圧効果
長ネギに含まれるイソアリシンやフルクタンが血圧の上昇を防ぐ。
2 血液サラサラ作用
血栓(血液のかたまり)ができるのを防ぐ。
3 減量効果
脂肪の蓄積と空腹感を抑える。
4 感染症予防
ウイルスや細菌の力を弱める。
5 血糖値コントロール
インスリンの働きがよくなる。
6 免疫力調整作用
風邪・インフルエンザなどの感染症を予防する。
7 中性脂肪値・LDL値改善
中性脂肪と悪玉コレステロールを抑制。
焼き長ネギは毎日継続して食べる
焼き長ネギの1日の摂取目安量は11gで、約15cmの長ネギを食べればOKだ。毎日1~2回、継続して食べることを心がけよう。空腹の状態で食べたほうが健康成分の吸収がよくなるので、食事の最初に食べるのがよい。
「複数の人に焼き長ネギを1カ月間食べ続けてもらったところ、血管年齢と血圧降下の面で目覚ましい改善効果が出ました。血管年齢が66歳だった39歳の女性が、焼きネギを食べ続けたことで実年齢まで血管年齢が下がったという実例もあります」(平柳先生)
毎回長ネギを焼くのが面倒なら、1本丸ごと焼きネギの状態にして保存してもよい。数日以内に食べるなら、ラップや保存袋に入れて冷蔵庫で保存し、電子レンジで30秒程度温めてから食べよう。
焼き長ネギの食べ方は人それぞれだが、毎日同じ食べ方だと飽きてしまう。料理にちょい足ししたり、明太子ソースやみそなどで味のバリエーションを変えるなど、工夫することでマンネリ化を防ぐことができる。また、事前にオリーブオイルに浸(ひた)しておくと、抗血栓作用や抗ウイルス効果が高い「アホエン」という健康成分の効果も得られる。
平柳 要(ひらやなぎ かなめ):食品医学研究所代表兼所長。医学博士。
東京大学大学院医学研究科修了後、ハーバード大学客員研究員、マサチューセッツ工科大学客員研究員、日本大学医学部准教授などを経て、現職。20年以上しょうが研究を続けているしょうが研究の第一人者。著書は『医学博士が考案した長生きふりかけ』『病気にならない!しょうが緑茶健康法』(共にサンマーク出版)など多数。


