血圧が気になるけれど、食事を大きく変えるのは難しい――そんな人に注目されているのが「お酢」です。

お酢を40年以上研究してきた小泉幸道先生によると、毎日大さじ1杯程度のお酢を摂ることで血圧の低下が期待できるのだとか。

今回は『最新医学が教える 体細胞が20歳若返る食べ方』(宝島社)から、東京農業大学名誉教授・小泉幸道先生監修の「お酢の健康効果とおすすめの取り入れ方」を紹介します。

血圧を上げるホルモンの働きを抑制する うれしい効果がたくさんある!「大さじ1のお酢」

  • お酢の摂り方  (1) 1日大さじ1(15ml)を摂る、(2) 飲むときは5~10倍を目安に薄める

    お酢の摂り方  (1) 1日大さじ1(15ml)を摂る、(2) 飲むときは5~10倍を目安に薄める

毎日15ml摂ると、血圧が平均15mmHg低下する

お酢と人間のかかわりは、はるかメソポタミア文明の時代にまでさかのぼる。日本には中国を経由して5世紀に伝わったが、お酢を生産して販売する形がとられたのは、江戸時代になってからのことだという。

お酢を研究して40年以上、「お酢博士」として知られる東京農業大学名誉教授の小泉幸道先生いわく、お酢は降圧剤に代替しうる降圧のための最強食材だ。「近年、昔から『体にいい』と漠然と伝えられてきたお酢の健康効果が科学的に解明されてきました。その結果、『お酢を毎日大さじ1(15ml)摂り続けると、約6週間後に高血圧の改善効果がみられる』ことがわかりました」(小泉先生)

降圧効果を示したのは、食品メーカー・ミツカンの研究によるもので、「食酢15mlを毎日摂った人は、摂取を始めた2週間後から効果が現れ始め、6週間後に最大の降圧効果が出た。また、食酢30mlを毎日摂った人は、より大きな効果がみられた」というもの。研究から出た低下効果は、15ml(大さじ1)の場合、6週間後で「最高血圧で平均15mmHg程度」、「最低血圧で平均6mmHg程度」だった。

分析の結果、お酢の降圧効果の要因は、お酢の主成分である酢酸(さくさん)にあった。

「酢酸は、血圧上昇にかかわる体内のホルモン調節機構『レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系』を穏やかに刺激します。同時に、肝臓で酢酸が代謝される過程で生成される物質『アデノシン』が血管を拡張させることでも、血圧が下がることがわかっています」(小泉先生)

酢を毎日摂った人の最高血圧と最低血圧の変化

  • お酢の摂取を始めた2週間後から効果が現れ始め、6週間後に最大の降下効果に。お酢を 30mlずつ摂取した人は、より大きな効果がみられることも明らかになっている。

    お酢の摂取を始めた2週間後から効果が現れ始め、6週間後に最大の降下効果に。お酢を 30mlずつ摂取した人は、より大きな効果がみられることも明らかになっている。

  • ※「最高血圧の変化」と合わせた研究の結果、過度の精神的ストレスがない良好な生活習慣(運動・睡眠・禁煙)を維持すれば、食酢は降圧剤に代替しうる可能性があることが示唆された(ミツカンの農学博士・多山賢二氏の研究論文「酢酸の高血圧に対する作用」より)。

    ※「最高血圧の変化」と合わせた研究の結果、過度の精神的ストレスがない良好な生活習慣(運動・睡眠・禁煙)を維持すれば、食酢は降圧剤に代替しうる可能性があることが示唆された(ミツカンの農学博士・多山賢二氏の研究論文「酢酸の高血圧に対する作用」より)。

お酢の種類は問わず飲むときは希釈を

お酢には米酢やりんご酢、黒酢、穀物酢などの種類があるが、どれを選んでも効果は得られるという。“あんかけ焼きそばにお酢をたくさんかけて(約大さじ5)食べる”ことで知られている小泉先生のおすすめは、米酢またはリンゴ酢だ。

「お酢は、料理にかけるのはもちろん、調理時の味つけに用いても、飲み物にアレンジしても効果は変わりません。飲むときは必ず、5~10倍に薄めてください。お酢をそのまま飲むと、のどの粘膜が荒れてしまいます。空腹時には、胃の粘膜も傷(いた)めてしまう可能性がありますので、注意してください」(小泉先生)

内臓脂肪、血糖値、疲労回復にも有効

前出のミツカンの研究では、お酢は内臓脂肪の減少や食後血糖値の上昇抑制にも効果を発揮する。

「大さじ1のお酢を摂り続けたところ、12週間後に内臓脂肪がマイナス5.43cm2、体重がマイナス1.17kg、腹囲もマイナス1.43cm減少しました。これは、酢酸が脂肪の合成を抑制するのに加え、脂肪燃焼を促した結果です」(小泉先生)

同様に大さじ1のお酢を摂り続ける調査では「白米と一緒にお酢が含まれる飲料もしくは酢の物を摂ると、食後血糖値の上昇を抑制する」こともわかっている。

「お酢はカルシウムの吸収力も高めます。日本人に不足しがちなカルシウムですが、その吸収率は牛乳で50%、小魚類は30%です。しかしこれらをお酢と一緒に摂ることで、吸収率が高まります。また、食材を酢で煮ると、カルシウムが煮汁に溶(と)け出し、摂取しやすくなります。おすすめは、貝のみそ汁を作るときにお酢を加えること。シジミのみそ汁なら、通常の3.4倍のカルシウムが溶け出します」(小泉先生)

シジミのみそ汁は、シジミを殻付きのまま水とお酢で煮込むのがポイント。鍋に水200mlとシジミ50g、お酢(穀物酢または米酢)小さじ1と2分の1を入れ、8分間弱火で煮る。火を止め、みそ小さじ2を加えて溶かすと通常の3.4倍のカルシウムが溶出したみそ汁の完成となる。

小泉 幸道(こいずみ ゆきみち):東京農業大学名誉教授。博士(農芸化学)。
東京農業大学農学部醸造学科卒業。 1997年、東京農業大学教授に就任。専門は発酵食品学、醸造学(酢)。発酵食品の科学的な成分変化と機能性に関する研究を行ってきた。 2016年より現職。著書・監修書は『酢大全』 (東京堂出版)、『NHKあさイチ 驚きの効果 ハチミツ&酢のパワー』(NHK出版)、『やせる・若返る・病気が消える ! お酢レシピ完全版』(笠倉出版社)など多数。

『最新医学が教える 体細胞が20歳若返る食べ方 』(宝島社)

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