忙しい毎日のなかで、パンだけの朝食や不規則な食事が続いていませんか?
実は、糖質の摂り方を少し工夫するだけで、食後高血糖を防ぎやすくなるといいます。
今回は『最新医学が教える 体細胞が20歳若返る食べ方』(宝島社)から、AGE牧田クリニック院長 牧田 善二先生監修の「糖質との上手な付き合い方」を紹介します。
工夫次第でもっと血糖値を抑えられる! 糖質の上手な摂り方
オリーブオイルと一緒に、または冷やして食べると効果あり
太る原因は脂肪ではなく糖質摂取によるものだが、それでも「脂肪を摂ると太りそう」と思ってしまう人は少なくない。しかし、医学誌の『European Journal of Clinical Nutrition(ユーロピアン ジャーナル オブ クリニカル ニュートリション)』には、糖質を単独で摂るよりも、脂肪を一緒に摂ったほうが太りにくいことを示すデータが掲載されている。
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健康な人を対象に、食後の血糖値の変化を調べた結果、何かしらの油と一緒に摂るほうが血糖値の上昇がゆるやかになることがわかった。特にオリーブオイルの効果が高い。出典: European Journal of Clinical Nutrition(1992) 46,161-166
上のグラフはパンを食べたときの血糖値を示したものだが、パンを単独で食べたときに血糖値が急上昇している。一方、何かしらの油と一緒に摂ったときは、単独で食べたときよりも血糖値の上昇がゆるやかだ。
「油の中で食後血糖値を最も低く抑えられているのは、オレイン酸を豊富に含むオリーブオイルです。オレイン酸には糖の吸収をゆるやかにする作用があるので、糖質と一緒に摂っても食後血糖値の上昇を防いでくれます。この効果はパンに限らず、あらゆる糖質に適用されるので、パスタを食べるときもオリーブオイルを積極的に活用しましょう」(牧田先生)
炭水化物が冷めると増加する成分
また、パスタを食べるなら冷製のものがおすすめだ。というのも、炭水化物が冷えることで「レジスタントスターチ」が増えるからだ。「レジスタント」は“消化されにくい”、「スターチ」はデンプンを意味する。腸で食物繊維と同じように働き、血糖値の上昇をゆるやかにして糖尿病を予防・改善したり、腸内環境を整えて便秘などを解消する効果が期待できる。
レジスタントスターチの1日の摂取量の目安は6~20g。加熱すると減少し、冷やすと増えるので、冷製パスタのほかに寿司や冷やし茶漬け、ポテトサラダ、冷やし麺、冷やし焼きいものほうが摂取しやすい。
また、2016年に行われた抗加齢医学会総会では、高脂肪食のみを食べたマウス(A)とレジスタントスターチが入った高脂肪食を食べたマウス(B)の体重を比較したところ、Aのマウスの体重は増加し、Bのマウスの体重は減少したという研究結果が報告されている。ただし、冷たい炭水化物がすべてレジスタントスターチに変わっているわけではないので、炭水化物を食べたいときのちょっとした工夫として頭に入れておくとよい。
たんぱく質を先に摂り、最後に糖質
糖質を摂るとき、意識しておきたいのが「食べる順番」だ。肉や魚といったたんぱく質のおかずを先に食べ、次に小鉢の野菜を食べ、最後にご飯やパン、麺類といった主食を摂ることで、血糖値の上昇をゆるやかにできる。朝食の場合はサラダや具だくさんのみそ汁、ヨーグルトを先に食べ、その後にご飯やパンを食べるようにしよう。
「たんぱく質、脂質、食物繊維のどれが血糖値の上昇をゆるやかにできるかを比較した研究では、炭水化物とたんぱく質を一緒に食べたときが最も効果的でした。これは消化吸収を遅らせる以外に、『インクレチン』というホルモンが分泌されるからです。そのため、コンビニのおにぎりを食べるときは、炭水化物だけのものは避け、肉やツナを具にしたものを選ぶとよいでしょう」(牧田先生)
ちなみに、カツ丼や牛丼はボリュームがあるので体重が増えるイメージがあるが、肉だけでなく玉ねぎを使っているので、血糖値の上昇はただ白米を食べるよりも穏やかになる。ほかにも、具材が入っていて油で炒めた炒飯(チャーハン)もおすすめだ。
そして、同じ食事内容でもゆっくり食べたほうが、血糖値の上昇はゆるやかですむ。ヨーロッパ諸国を夫婦で旅するのが好きな牧田先生は、食事もゆっくりと時間をかけて食べるヨーロッパ流。そのため、食べるわりには太らないという。これは、先生自身がリブレ(血糖測定器)で測って証明している。逆に早食いをすると血糖値が上昇しやすいので、食事の時間を意識的に長くしよう。嚙(か)む回数を増やし、一口一口味わって食べるのが大事だ。
牧田 善二(まきた ぜんじ):AGE牧田クリニック院長。医学博士。糖尿病専門医。
北海道大学医学部卒業。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行う。この間、血中AGEの測定法を世界で初めて開発。久留米大学医学部教授などを経て、 2003年にAGE牧田クリニックを東京・銀座で開院。著書は『眠れなくなるほど面白い図解 糖質の話』(日本文芸社)、『脳と体が老けない人の食べ方』 (新星出版社)など多数。



