放送作家･大井洋一氏「ノリで行っちゃうバラエティが好きなんです」

――前回のこの連載で藤井さんから伺ったのですが、大井さんは格闘家としての顔もお持ちだそうですね。

趣味を通り越してしまったんです。元々は『BAZOOKA!!!』というBSスカパー!の番組企画で始まった話なんですが、この番組に「THE OUTSIDER」っていう格闘技の大会に出場してる選手が出ていて、会議で「大井さん、やったら勝てる?」と言われて、昔経験もあったんで「全然いけると思いますけどね」と答えたら、あれよあれよという間に、対戦することになったんです(笑)

――完全にノリですね(笑)

僕はそういうノリで行っちゃうバラエティが好きなんです。演者に格闘技の大会に出てる男がいて、スタッフの中にも格闘技やってるやつがいて、両方勝てるって言ってるので、じゃあやってみようよっていう(笑)。これ断ったらカッコ悪いなというのもありましたし、作家として他の人にやらせることは多いのに、自分でやらないのは…というのもあって、やりだしたら、止まらなくなったという感じですね。

――格闘家としての活動が、放送作家業や企画のアイデアにつながることもあるのですか?

普段接するテレビ業界とは全然違う人と接するので、刺激にもなりますし、新しい視点がもらえるのはいいですよね。でも、格闘技をやっていく上でのストイックさが作品に出るとか、そういうのはなかなかないです。正直、練習したりすると眠くなっちゃうんで、百害あって…っていう感じですね(笑)

――藤井さんも格闘技が好きですよね。

そうですね。だから僕にも良くしてくれてるというのもあるかもしれないですね(笑)

――ところで、大井さんのブログを拝見していたら、寝ている娘さんのお尻を撫(な)でるのが習慣になっているという記事を読んで、思わずガン見してしまいました。スケベ心ではなく、愛おしさの延長として、撫でているんですよね。

娘はもう小学校5年生で、大人になってきちゃったんで、娘のことをブログに書くのは忍びないなという気持ちはありますけどね。思春期に差しかかって。

――でもある日、もう撫でるのはやめてほしいという申し出があって、1日1回、休日は1日2回という契約になったんですよね。これが2014年4月の話ですが、現在はどうしているんですか?

もう寝てる間に触っちゃってます(笑)。でも最近は「おれヤバいことやってんじゃないか?」という気がしてきて…。それまでは直接お尻を撫でていたのですが、今は服の上からするようにしています。

――娘さんは気づいているんですか?

勝手に触られてるのは知らないでしょうね、寝てますから。でも、そんなに嫌われてはないと思ってるんですけど…。

――もう少し大きくなったら、お父さんのことを嫌いになっちゃう年頃ですよね。

そうですよね…だから怖いですよね。いつまでも触っていたいとは思っていますけどね。

――なるほど…。話を元に戻しまして、お話を伺っていると、いろんな芸人さんとお仕事をされている印象をあらためて受けるのですが、これまでで衝撃を受けた芸人さんは誰ですか?

やっぱり加藤浩次さんは、ホレボレするような面白さがあります。細かいセリフ回し云々じゃなくて、ゴールがあると思ったらそこに向かって自分で進んで面白くしてくれる人なんで、さすがだなと思いますね。加藤さん、一番好きですね。やっぱり。

あとは、さまぁ～ずですね。昔もさまぁ～ずの深夜番組をやってたんですけど、大竹さんのところにネタを持って行って打ち合わせをして、ああだねこうだねと千本ノックのようなことをしていた時期があったんです。あのときに企画をいっぱい生み出せたのは、よかったですね。結果的に自分の中でストックになりました。

――今後、こういう企画を立てていきたいというよな展望はありますか?

僕は本当にロケバラエティが好きなんです。何が起きるか分からないというところも含めて。だから芸人を使ったロケをしたいですね。将来、脚本家になりたいとか、映画監督になりたいという希望は無いので、ペラっと1枚出したものが面白いねと言える番組がしたいと思っています。本当に面白いこと、興味があることをやっていきたいというだけですね。

――大井さんがこの業界を志すにあたって、影響を受けた番組は何ですか?

『めちゃイケ』(フジテレビ系)です。小さいことから大きなことまで、いろんなことをやってるよなぁという感じ。岡村さんがSMAPのライブに出ちゃうっていうとき、すごいドキドキしたんですよね。一方で、番組に手紙を書いてきた蓬田(よもぎだ)くんが、岡村さんと対決するっていう、ものすごい小さいところをグッと広げていく。あの番組じゃないとできないですよね。そういった会議で思いつかないネタを形にしていくところが、すごいなと思いますね。

――いろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました。最後に、大井さんの気になっている"テレビ屋"をお伺いしたいのですが…。

『SICKS』でご一緒させていただいた、テレビ東京の佐久間宣行さんです。『SICKS』が終わって、今『ウレロ☆無限大少女』をやられていますが、次はどんな番組を考えているのか。佐久間さんがやるロケバラエティを見たいという思いもありますが、やるんだったら僕も呼んでください(笑)

■プロフィール
大井洋一(おおい・よういち)
1977年生まれ、東京都出身。駒澤大学中退。現在は『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)、『水曜日のダウンタウン』『7つの海を楽しもう!世界さまぁ～リゾート』(TBS系)、『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)、『BAZOOKA!!!』(BSスカパー!)の構成を担当。

●影響を受けたテレビ番組:『めちゃ×2イケてるッ!』
フジテレビ系、毎週土曜19:57～20:54。ナインティナイン、加藤浩次、よゐこらが繰り広げる、フジテレビ伝統の土曜8時のバラエティ番組。ナイナイの岡村隆史が猛特訓で挑む「オファー企画」や、抜き打ち学力テストといった名物企画に加え、レギュラーメンバーの結婚や出産に密着するドキュメント企画も有名。1996年にスタートしたが、主要メンバーは1993年の『とぶくすり』から続いている。