テレビ解説者の木村隆志が、先週注目した“贔屓”のテレビ番組を紹介する「週刊テレ贔屓(びいき)」。第234回は、24日に放送されたテレビ東京系バラエティ番組『~夢のオーディションバラエティー~ Dreamer Z』(毎週日曜21:00~)をピックアップする。

かつてモーニング娘。やCHEMISTRYらを輩出した『ASAYAN』と同じ日曜21時台に放送されているオーディション番組だが、昨秋のスタートから約9カ月が過ぎた今、どんな内容で放送されているのか。

『PRODUCE101』『Nizi Project』『THE FIRST』『私が女優になる日』などのオーディションコンテンツが人気を集めた中、どんな構成・演出で挑んでいるのか掘り下げていきたい。

『~夢のオーディションバラエティー~ Dreamer Z』MCの木梨憲武

■自作振付の審査は昨今のトレンドか

番組は「まずは史上空前規模のオーディション・iCON Zから。ガールズグループ部門がいよいよ審査の日を迎える」というナレーションからスタート。画面左上に「Dreamer Z LDH史上最大オーディションに密着」、右上に「世界を目指す! 最強ガールズグループ 13歳~19歳 女子たちのバトル勃発」の文字が表示されている。

同オーディションは、ファーストミッションで29人から20人に絞られ、今回放送されるセカンドミッションでは20人中5人が脱落。5人グループが4組に分かれて「課題曲『CHILI CHOCOLATE』」「ダンストラック(後半は自作の振付)」を披露し、個人順位の低い5人が脱落するという。「自作の振付が鍵を握る」というクリエイティビティ重視の審査基準は、『THE FIRST』以来のトレンドかもしれない。

最初のチーム・Little Devilは、現役ダンス講師でダンスリーダーのUWAにフィーチャー。強い女性をイメージしてハイヒールで踊る振付を作るが、UWA自身が上手すぎて浮いてしまい、グループリーダー・SORAが悩んでしまう様子が映された。

その後、本番のパフォーマンスが始まると左右にワイプが置かれ、「左に審査員の真剣な顔、右にスタジオゲストの笑顔」というコントラストを意識した配置が見える。しかし、5人の激しいパフォーマンスに3人程度のワイプを加えることで、画面がゴチャゴチャしている印象があり、メインに集中しづらい感があった。

終了後、プロデューサーのOMI(登坂広臣)は「振付もコンセプトも驚かされる発見がいろいろありましたし、『素晴らしいパフォーマンスだったな』と思いました」と絶賛。さらにOMIは、彼女たちがステージを降りたあとも、「ANONちゃんもすごかったな。ああいう表情するんだって」と続ける。一方、スタジオの木梨憲武は「ちゃんとまとめてきますね、みなさん」、塚地武雅も「『間に合わない』みたいなのはないんですか。だってまだ10代でしょ。(ハイ)ヒールなんてそんなしょっちゅう履かないでしょ」とこちらも絶賛した。

「前回放送された合宿では厳しい言葉をぶつけて、ミッション本番では努力を称える」という形でバランスを取っているのではないか。加えてオーディション番組には、「候補者たちに悔しさや喜びの涙を流させて感動を誘う」という演出意図もあるものだ。

■審査員は絶賛ばかりで辛口はゼロ

2組目はAimer。合宿中は自作の振付がダンストレーナーから「部活みたい」と酷評され、涙を流しながら「いっぱい負担を負わせてしまった」「ごめんねホントに」「もう1回みんなで頑張っていこうね」などと励まし合う姿を見せていた。

そして本番後、OMIは「強さだったりとか女性らしさも感じられましたし、何かすごくダンスの線のきれいさが際立つパフォーマンスだったなと思いました」、音楽プロデューサー・ALYSAは「ダンスの経験がない子がいたかなと思うんですけど、ビートの感じ方が以前と全然違ってばっちり合っていたのですごいびっくりしました。すごいカッコよかったです」と絶賛。『Nizi Project』のJ.Y. Parkや『THE FIRST』のSKY-HIと比べると、コメントがホメに偏り過ぎで厳しい言葉はなく、気づきや学びを与えるようなコメントもないことが気になってしまった。

3組目は「結成時、全員中学生」という最も若いDIVA。ダンス初心者で高校受験を控えるHANAが大きく遅れを取り、「トレーナーから厳しい言葉すらかけられない」という状態からのパフォーマンスとなった。

しかし本番後、コレオグラファー、ダンストレーナー・Ruuは、「とっても良かったと思います。このグループは『本当に大丈夫かな』と心配しちゃうくらいバラバラだったんですけど、『正直チーム力だったら一番良かったんじゃないかな』って思えるくらい1つになっていたし、あとはHANAの変化。『みんながこれからさらに輝いていく姿を見たいな』と思いました」と、やはり絶賛だった。

最後のグループは、ファーストミッション1位のRUANや、世界大会2度優勝の経験を持つTSUKUSHIらを擁し、奇をてらわずスタンダードで真っ向勝負のCrescent。トレーナーにスキルの差を指摘された2人のメンバーが涙を見せるという問題こそあったものの、そのパフォーマンスにシンガーソングライター・ボーカルプロデューサー・Emyliは「めっちゃカッコイイね! すごいね、みんなね! 相当練習したね。TSUKUSHIちゃんサイコー、ずっと見てました」と最大級の言葉で称えた。