3日の「FUJI DRAMA COLORS 2026 AUTUMN」には、6作品のメインキャスト12人をさばくことに。冒頭の集合撮影を終えてキャスト陣が一旦降壇し、もう一人の進行役である新美有加アナが「ちょっともう名残惜しさもありますね」と漏らすと、間髪入れず「もう名残惜しいですか? まだ始まったばかりですよ」と、後輩のわずかな発言の隙を見逃さない。

『南田南弁護士は天才肌』のパートでは、芦田愛菜から芝居に対する姿勢を褒められた高橋文哉が「今日はよく眠れそうです」と喜ぶと、佐野アナは「いつも眠れてないですか?」と確認。これがキーワードとなり、今度は高橋に褒められた芦田が「私もよく寝れそうです」とご満悦の様子を見せると、佐野アナは「今日はぐっすりお休みいただきたいと思います」とまとめ、若い2人の表情を和らげた。

さらに、その場にいない八嶋智人から「芦田愛菜ちゃんの初舞台で一緒でした。また舞台やりませんか? うちの劇団カムカムミニキーナでお待ちしております」というメッセージが読み上げられると、芦田は「すごく楽しくやらせていただいた記憶があって、ありがとうございます。ぜひご一緒したいです」と答えるが、佐野アナは「そう言うしかないですよね」とニヤリ。

芦田がそれを否定するように「(舞台共演は)結構前なので、覚えてくださっててうれしいです! はい、ありがとうございます」と感謝すると、佐野アナは「そうですね。では、勧誘成功ということで」と強調して八嶋のために言質を取った。

『kiDnap GAME』のパートでは、イ・ジュンギのマネージャーが撮影時に「根性で乗り切れ!」など毎日新しい日本語を覚えて現場を盛り上げてくれたという話題になるが、イ・ジュンギは「マネージャーさんは日本語全然できないんですけど、誰が教えてくれたんです?」と疑問。繰り返し「誰? 誰?」とその場で解決しようとするイ・ジュンギに、佐野アナは「その揉め事は後ほど裏でお願いします」と制止して一連のくだりを笑いで締めた。

そして、『ポリティカルパン』の石原さとみが「野木亜紀子さんの脚本で書かれているセリフが本当に面白くて、 第1話を完成して見ましたら、面白かったんです、すごく!」と、これ以上ない喜びとともに紹介。あまりにもうれしそうな石原に、佐野アナは思わず「おめでとうございます」とお祝いの言葉が出てしまい、石原も「ありがとうございます」と自然にお礼を述べる不思議なやり取りが生まれ、会場をほっこりさせていた。

  • 「FUJI DRAMA COLORS 2026 AUTUMN」に登壇したドラマキャストたち (C)フジテレビ

    「FUJI DRAMA COLORS 2026 AUTUMN」に登壇したドラマキャストたち (C)フジテレビ

『めちゃイケ』で叩き込まれた技術

演者の言葉を拾って少し広げる時もあれば、脱線しかけた話を笑いに変え、即座に本筋へ戻す――そんな佐野アナの技術は、どこで培われたのか。それはやはり、長年携わっていた『めちゃ×2イケてるッ!』の存在が大きいのだろう。

2018年、『めちゃイケ』終了時にマイナビニュースで西山喜久恵アナとともに受けたインタビューでは、「抜き打ちテスト」のおもしろ解答を発表する際、片岡飛鳥総監督から、言葉の言い方はもちろん、「答えが出たら一拍置く」といった細かな間まで何度もレクチャーされたと明かしていた。打ち合わせは5~6時間に及んだという。

さらに若手時代、自ら「面白いことを言ってやろう」と笑いを取りにいった際には、片岡氏から、芸人は笑いで生きているのだからアナウンサーがそこで張り合うものではない、と厳しく指摘されたことも紹介している。

今回の3つのイベントで印象的だったのも、まさにそこだった。『めちゃイケ』で長い時間をかけて身につけてきた“間”と、自分ではなく演者を面白く見せるという“立ち位置”が、ドラマイベントというフィールドでも生きているように見えた。

会見記事で、司会者の名前が大きく取り上げられることはほとんどない。見出しになるのは俳優たちの言葉であり、記事の主役も当然ながら作品と出演者だ。それでも、その言葉が自然に出てくる場を作り、時間内に成立させている人がいることが、少しでも多くの人に伝わってほしい。