「お金持ちになりたい」と願った経験を持つ人間は多いはずだ。必ずしも、お金があれば精神的充足が得られるわけではないが、少なくとも物質的充足を得られる可能性は高まる。貨幣制度が通用している現代制度においては、お金はあるにこしたことはないのだ。

ではズバリ、どうしたら「お金持ち」になれるのだろうか。やるべき行動、学ぶべき知識、持っておくべきビジョン……。お金持ちに必要となる要素を数えていったら枚挙にいとまがない。ということで、「お金のプロ」であるFPに「お金持ちになれる人となれない人の差」を考えてもらった。本特集では5人のFPの見解を紹介していく。

  • お金持ちになるための3つのポイント

    お金持ちになるための3つのポイント

誰もが一度は、「お金持ちになってみたい」という願望を抱いたことがありますよね。世の中には、お金持ちとそうでない人がいますが、では、両者の差とは何なのでしょうか。多くの人が、お金持ちになるには特別な才能が必要だと考えますが、実は、お金に対する姿勢や考え方を変えるだけで、お金持ちに近づくことができるのです。お金持ちになるための3つのポイントを解説しましょう。

1.お金のことを学ぼうとする、知ろうとする

まず、お金持ちはお金のことを考え、学ぼうとします。当たり前のことですが、お金について詳しく知らないのに、たくさん得ようとするのは難しいですよね。お金持ちは、お金について学び続けるので、知識が増え、それに伴いお金も増やしていくことができるのです。

たとえば、お金持ちは、自分一人の労働によって得られるお金には限りがあることを知っています。だからこそ、投資によってお金に働いてもらい、資産を増やしていくのです。また、お金の知識が豊富だと、得をすることもできます。たとえば、税制優遇のある制度を利用して節税し、手元にお金を多く残す、なんてことも可能です。このように、お金のことを知ろうとする意識によって、お金持ちになる道を歩み出せるのです。

さらに、お金持ちはお金の話をすることを恥と思いません。日本人には、「人前でお金の話をするのは卑しい」という風潮がありますが、これはお金を汚いものだと思う気持ちが潜在的にあるためです。

一方、お金持ちには「お金は人生を豊かにしてくれるものだ」というポジティブなイメージがあり、「お金が好き」と言える素直さがあります。お金の話をすることを厭わないお金持ちの人たちが集まると、有意義な情報交換ができるので、ますますお金持ちになっていきます。

でもお金持ちでない人は、「お金のことを考えると暗い気持ちになる」と悲観的になる人が多いです。これは、「どうせ考えたってお金は増えない」という思い込みがあるからかもしれませんが、お金について考えることを避けているので、お金は増えていきません。お金持ちを目指すなら、まずはお金と向き合うことから始めてみましょう。

2.先にお金を出すことができる

お金持ちは、まず先に自分のお金を出すことができます。反対に、お金持ちでない多くの人は、できるだけ出費を控え、お金を貯め込むことで、なんとか資産を増やそうと考えます。つまり、お金が入ってくるのを待つだけの状態であり、入ってきたお金はなるべく出さないように(使わないように)と考えているのです。しかし、これではお金は増やすことができません。使わなければお金は貯まりますが、限界があります。

お金持ちになるには、先に自分からお金を世の中に出して、回していくことが必要なのです。たとえば、投資をするにはまず、資金を投じることが必要です。先にお金を出すからこそ、後からリターンが得られるのです。これは、自己投資にも同じことが言えます。お金持ちでない人は、「いつか余裕ができたら投資しよう」と考えますが、それは逆で、先にお金を出すからこそ余裕のある将来がやって来るのです。

また、貨幣は英語で「money」のほか「currency」とも言います。currencyには、「流通」「流通貨幣」という意味もあり、currentは「流れ」と和訳されます。つまり、「貨幣=お金」とは世界を流れるものであり、循環するからこそ、お金としての機能を果たすのです。お金持ちは、お金は自分のところに貯めてばかりいるのではなく、世の中に回してこそ、自分のところに多く返ってくることをよく知っているのです。

3.お金持ちの本質を理解している

お金持ちでない人は、お金持ちとは「たくさん資産や貯金がある人のこと」だと思っています。しかし、本当の意味でのお金持ちとは「お金を稼ぐ力がある人のこと」です。よく、お金持ちになるために、とにかくたくさん貯金をしようと考える人や、「貯金1,000万円あるのと年収1,000万円なのと、どちらがいいか」といった議論が見受けられますが、稼ぐ力があるからこそ貯金ができるのです。お金持ちは、お金持ちの本質をよく理解しているので、やみくもにお金を貯め込むことをせず、世の中にお金を回しながらお金を得ているのです。

意識の持ちようでお金持ちになれる

今回は、お金持ちになるための3つのポイントをご紹介しました。「お金持ちになるためには、運や才能がすべて」と考える人も少なくありませんが、ちょっとした意識の違いでお金持ちになれるかどうかに差が生まれるものだと思いませんか。考え方を変えてみると、現実のお金も変わってくるので不思議です。ぜひ、お金持ちの考え方を取り入れながら、日々過ごしてみてください。